2021年2月20日土曜日

2021 SAN FRANCISCO GIANTS TOP 20 PROSPECTS

2021 SAN FRANCISCO GIANTS

TOP 20 PROSPECTS

Marco Luciano

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は21年6月30日見込みのもの。なお2020年はマイナーリーグの公式戦が中止となったため、メジャーでのパフォーマンスを基に再評価を行った。昨年の順位と大きな変化はないが、再度情報を収集し、更新している。またマイナーの成績は19年のもの、MLBの成績は20年のものを掲載している。

1.マルコ・ルシアーノ(SS)/Marco Luciano:19歳
(R/A-)47G 179AB 10HR 32BB 45K .302/.417/.564/.981
◎パワー / 〇打撃 アプローチ 肩 / △素材型 スピード 3B向き?
18歳ながら素晴らしいパワーとアプローチを身に着けており将来は、「3割・40本」も狙えるポテンシャル。一方でSSに残れるかは評価が分かれている。プラスの強肩を有し、運動能力&野球IQも高いが平均以下のスピードがネック。今後体が成熟すればさらにスピードが失われるため3BやRFに移る可能性もある。20年は代替キャンプで打球速度MAX118マイル(20年のMLBで最速はピート・アロンゾの118.4マイル、2位はラファエル・デバースの116.7マイル)を計測した。
Marco Luciano

2.ジョーイ・バート(C)/Joey Bart:24歳
(A+/2A)79G 313AB 16HR 21BB 71K .278/.328/.495/.824
(MLB)33G 103AB 0HR 3BB 41K .233/.288/.320/.609
◯パワー 肩 C守備 / △アプローチ スピード
18年ドラフト全体2位指名。バスター・ポージーの後継者になれる強打の司令塔候補。広角に長打が打てる生粋の長距離砲で、マイナー2年でISO.248とパワー面は文句なし。20年はMLBデビューを果たしたが、四球率2.7%/三振率36.9%と選球眼の弱さを露呈した。捕手守備では最高でゴールドグラブを狙えると評判。肩の強さも平均以上で、足は遅いがプレート後方での動きは機敏だ。
Joey Bart


3.
パトリック・ベイリー(C)/Patrick Bailey :22歳
◯パワー 肩 C守備 運動能力 / △スピード コンタクト
20年ドラフト全体13位指名。豪快なパワーが武器の両打ち捕手で、運動能力抜群の捕手守備もアマチュア屈指との評判だった。打撃は大学通算四球率12.8%と選べるが三振の多さが懸念されている。しかし仮に打撃で苦しんでも守備力の高さからメジャーで出番を得られるだろう。
Patrick Bailey

4.ヘリオット・ラモス(OF)/Heliot Ramos:21歳
(A+/2A)102G 389AB 16HR 42BB 118K .290/.369/.481/.850
◯パワー 肩 / △素材型 両翼向き?
17年ドラフト1巡目。ガッシリとした強靭な体型に平均から平均以上の5ツールを備える。19年は課題となっていたアプローチ面が大きく改善。三振率、四球率ともに改善し、フィールド全体に打ち分ける技術も向上した。20年は代替キャンプ&教育リーグで経験を積んだ。現在はCFを守っているが、スカウトからはコーナー向きと指摘されている。

5.
ルイス・マトス(OF)/Luis Matos:20歳
(DSL/R)60G 251AB 7HR 20BB 31K .367/.438/.566/1.004
◯打撃 スピード / △素材型 
19年にDSLでリーグ3位となる打率.362&OPS1.00と素晴らしいプロデビューを飾った。コンタクト技術が傑出しており、ラインドライブ性の打球を量産する。パワーポテンシャルも秘め、将来は20ホーマーも狙えると評判。走守のツールはメジャー標準レベルで、外野3ポジションどこでもフィットするだろう。野球家系に育ったため、野球IQも高く評価されている。20年は教育リーグで素晴らしい活躍を収め、評価を上げた。

6.
ハンター・ビショップ(OF)/Hunter Bishop:23歳
(R/A-)32G 105AB 5HR 38BB 39K .229/.438/.429/.867
◯パワー スピード / △コンタクト 両翼向き?
19年ドラフト全体10位指名。兄ブレイデンはマリナーズ所属のメジャーリーガー。6-5/210の恵まれた体格にプラスのパワー&スピードを備えた大型CF。打撃ではコンタクトにやや不安も、辛抱強いアプローチで四球を多く選べる。守備ではコーナー向きとの見立てもあるが、チームはCFに残れると自信を見せている。

7.
カイル・ハリソン(LHP)/Kyle Harrison:19歳
◯3球種 コマンド / △素材型  
20年ドラフト3巡目指名。名門UCLAへの推薦を持っていたが、1巡目相当となる契約金249万ドルでプロ入りを決めた。完成度の高い先発左腕で、U-18では計10イニングを投げて無失点12Kと安定感抜群だった。アマチュア時代は90-94マイルも、教育リーグでは96マイルを計測するなど成長を続けている。サイド気味のアームスロットから質の高い3球種をコマンドよく投げ分ける。

8.
アレクサンダー・カナリオ(OF)/Alexander Canario:21歳
(R/A-)59G 236AB 16HR 20BB 80K .318/.377/.623/1.000
◎パワー / 〇肩 / △素材型 RF向き / ×アプローチ 守備
圧倒的なパワーポテンシャルの持ち主で、19年に記録したフライ平均飛距離322.6フィートは、超打高だった3Aの選手を除けば、マイナー全体2位(60フライ以上)と特筆すべき数字だった。一方で極度のフリースインガーであり、三振率30.5%と選球眼を磨く必要がある。守備では現在CFを守っているが、ルート取りが拙く危なっかしいため、将来的には強肩を生かせるRFに回ることになるだろう。


9.
セス・コリー(LHP)/Seth Corry:22歳
(A)1.76ERA 122.2IP BB/9=4.3 K/9=12.6 K/BB=2.97
◯速球 カーブ 奪三振 / △コマンド
19年にマイナー全体2位となる防御率1.76、同5位のK/9=12.6をマークするなどブレーク。最速96マイルの速球とハンマーカーブのコンビネーションが強烈で、第3球種のチェンジアップも磨きがかかっている。マイナー通算BB/9=6.2とコントロールが課題だったが、19年の後半戦は73.1イニングでBB/9=2.6と改善の兆しを見せた。20年はリモートで投球トレーニングを続け、秋の教育リーグに参加した。

10.
ルイス・トリビオ(3B)/Luis Toribio:20歳
(R/A-)54G 196AB 3HR 47BB 59K .296/.433/.454/.887
◯コンタクト アプローチ 肩 / △素材型 3B守備 スピード
傘下ベストのピュアヒッター。バレル性の打球を量産し、19年は四球率19.3%と選球眼も卓越している。現在は逆方向中心のアプローチだが、Fangraphsによると平均打球速度が93マイルと非常に速く、引っ張るバッティングを覚えれば本塁打増が見込めるだろう。唯一の欠点は守備で、肩こそ強いが、守備範囲不足な上に守備率.848とエラーも多い。1B転向も時間の問題だろう。

11.ウィル・ウィルソン(SS/2B)/Will Wilson:22歳
(R)46G 189AB 5HR 14BB 47K .275/.328/.439/.768
◯コンタクト / △スピード 素材型 2B向き?
19年ドラフト全体15位指名。ザック・コザートのサラリーを引き取る形でエンゼルスから獲得した。コンタクトが優秀で、積極的なアプローチで外野の間をライナーで破る完成度の高い中距離ヒッター。ハンドリングは堅実だが、SSとしてはスピードが不足しているため2B向きか。将来像は攻撃型二塁手と見られている。

12.ハイロ・ポマレス(OF)/Jairo Pomares:20歳
(R/A-)51G 213AB 3HR 11BB 43K .324/.362/.465/.827
〇コンタクト 肩 / △両翼向き 素材型
年齢に比して打撃が発達しており、大振りせずにフィールド全体にライナーを量産する。パワーも平均レベルのポテンシャルを秘めている。Rで打率.368と打ちまくった後にA-で打率.207と苦しんだが、年齢を考慮すれば問題なし。19年はRFを中心に守ったが、チームはCFとしてのチャンスも与えていくつもり。強肩だがルート取りや打球反応は発展途上。

13.ショーン・ジェリ(RHP)/Sean Hjelle:24歳
(A/A+/2A)3.32ERA 143.2IP BB/9=2.3 K/9=8.7 K/BB=3.76
◯コマンド 3球種 ナックルカーブ 体格 / 
210cmの長身から投げ下ろされるボールは角度があり、中でもナックルカーブが絶品。速球は92-94マイルと支配的ではないが、コマンドに優れているため低めを突いて打たれにくい。19年はチェンジアップも向上を辿り、3球種で勝負できるようになった。ハイフロアーで、ローテーション4-5番手向き。20年は大学の単位を得るため代替キャンプ&教育リーグには不参加。

14.
トリスタン・ベック(RHP)/Tristan Beck:25歳
(R/A+)3.98ERA 81.1IP BB/9=3.4 K/9=10.0 K/BB=2.90
〇速球 カーブ 奪三振 / △チェンジアップ
マーク・マランソンとのトレードで19年夏にブレーブスから加入すると、ジャイアンツ加入後は6先発で防御率2.27と別人のような投球を見せた。その要因として速球の向上が挙げられている。シーズン序盤に91-92マイルだった球速は92-95マイルに上昇し、また高めに投げる割合を増やしたことで、決め球の縦カーブとの相性が良くなったとみられている。平均以下のチェンジアップを磨けばローテーション入りが見えてくる。

15.
グレゴリー・サントス(RHP)/Gregory Santos:21歳
(A)2.86ERA 34.2IP BB/9=2.3 K/9=6.8 K/BB=2.89
◯速球 スライダー / △チェンジアップ 素材型 耐久性
まだ原石だが、ポテンシャルはローテーション2番手クラスとも。最速100マイルの沈む速球と80マイル後半のスライダーのコンビネーション。左打者対策のために平均以下のチェンジアップを磨く必要がある。19年は肩の故障により8試合の登板にとどまったが、20年は教育リーグで健康な姿を見せた。

16.
ジェイリン・デービス(OF)/Jaylin Davis:26歳
(MLB)4G 12AB 1HR 0BB 6K .167/.167/.417/.583
(2A/3A)126G 468AB 35HR 65BB 138K .306/.397/.590/.987
◯パワー スピード 肩 / △コンタクト
19年にマイナー/メジャーで計36ホーマーとブレーク。下半身を有効に使い、スイング中に頭を動かないように修正したことで安定してパワーを発揮できるようになった。マイナー4年で33盗塁止まりだが、19年にメジャーで記録したスプリントスピードはメジャー上位4%に入るほど優秀だった。肩も強く、外野3ポジションOK。21年はメジャー定着をかけたシーズンとなる。

17.
ローガン・ワイアット(1B)/Logan Wyatt:23歳
(A-/A/R)44G 151AB 3HR 26BB 29K .278/.388/.377/.765
◯アプローチ / △パワー
19年ドラフト2巡目。辛抱強いアプローチと優れた選球眼を兼ね備え、大学3年間で四球率20.8%、プロデビューでも14.2%と素晴らしいゾーンコントロールを見せている。チームはパワー面を開花させようと改造中。パワーが開花すればブランドン・ベルトの再来となるだろう。

18.ジェーク・ウォン(RHP)/Jake Wong:24歳
(A/A+)3.90ERA 113.0IP BB/9=2.8 K/9=8.0 K/BB=2.89
◯3球種 / 
18年ドラフト3巡目。91-94マイルのツーシームを低めに集め、スライダー&チェンジアップも平均レベル。元々はカーブも投げていたが安定感に欠くため、スライダー主体に切り替えた。フォームの再現性が高くワークホース向き。打者を圧倒する球威はないだけに細かいコマンドを磨いていきたい。

19.
サンドロ・ファビアン(OF)/Sandro Fabian:23歳
(R/A+)54G 199AB 7HR 19BB 46K .276/.355/.427/.782
◯打撃 肩 / △素材型 スピード / ×アプローチ 守備
フリースインガー&プルヒッターながら打撃センスは抜群で、選球眼を磨けば「打率.280・20本」も狙える。課題のアプローチも19年は四球率は5.8%→7.5%、三振率は23.8%→17.6%と進歩がみられた。守備では強肩を生かした補殺が光るが、エラーの多さも目立つ。攻守に磨かれる必要があるが、ポテンシャルはある。

20.ニック・スウィニー(LHP)/Nick Swiney:23歳
◯3球種 / △球威
20年ドラフト2巡目。20年に先発転向すると大学で4先発し防御率1.29・K/9=13.5・BB/9=1.9とブレーク。大学2年間でBB/9=5.0のコントロールが改善されたことがブレークの要因に挙げられている。89-91マイルの速球を両コーナーに集めることができ、カーブ&チェンジアップも切れる。

Plus One Prospect
トレバー・マクドナルド(RHP)/Trevor McDonald:20歳
(R)2.25ERA 4.0IP BB/9=4.5 K/9=18.0 K/BB=4.00
◯速球 / △素材型 フォーム リリーフ向き?
19年ドラフト11巡目。大学への推薦が決まっていたが、2-3巡目相当の契約金を積んでスティールに成功した。すでに速球は最速96マイルに達しており、80マイル前半のパワーカーブでピッチトンネルを通すことができる。チェンジアップはまだ投げ始めたばかりなので磨く必要がある。研究熱心でメークアップも評価が高い。しかし腕のストロークが長く先発適性に疑問符。

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