2023年3月4日土曜日

2023 CHICAGO CUBS TOP 20 PROSPECTS

2023 CHICAGO CUBS

TOP 20 PROSPECTS

Pete Crow-Armstrong

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.ピート・クロウ=アームストロング(OF)/Pete Crow-Armstrong:21歳
(A/A+)101G 16HR 36BB 102K .312/.896
◎CF守備 / ◯スピード 肩 / △パワー 素材型
20年ドラフト全体19位指名。パワー面の評価が分かれるが、それ以外の4ツールは間違いなく平均以上でグレディ・サイズモア(元CLE)と比較される。守備範囲も広大で、未来のゴールドグラブ候補と評判。22年は課題の打撃で急成長を見せ、守備でもマイナーのゴールドグラブを受賞。A+昇格後は四球率4.9%/三振率24%とアプローチを崩していたので、選球眼の改善が今後の課題だろう。ちなみに両親はハリウッド俳優。

FV50

2.
ケビン・アルカンタラ(OF)/Kevin Alcantara:20歳
(A)112G 15HR 55BB 123K .273/.811
◯パワー 体格 守備 / △素材型 両翼向き?
6フィート6の恵まれたフィジカルに傑出した運動能力も兼ね備えた5ツール候補。軽々と広角に長打を生み出すプラスのパワーが強み。選球眼やスイングの長さは依然として要改善も、5月以降は三振率23.7%・OPS.831と適応を見せるなど成長を見せている。守備はBaseball Prospectusの出す守備範囲指標RDAで+4.2を記録するなどCFに残れる可能性を示すも、大柄な体格から将来的には両翼がフィットするだろう。
Kevin Alcantara


3.ブレネン・デービス(OF)/Brennen Davis:23歳
(R/A+/3A)53G 5HR 25BB 65K .180/ .597
◯パワー 肩 / △22年不調 故障多い
「30-30」も狙えるズバ抜けたポテンシャルを秘め、6-4/175の体格から伸びしろ抜群。長身選手ながら腕を上手くたたんで速球にも対応できるなどコンタクトも苦にしていない。しかし故障続きのため、プロ5年間で通算221試合の出場にとどまるなど、コンディション不良&実戦経験の乏しさが最大の懸念事項。
守備面も平均以上の走力&肩でCFとしてプレー可能との評価だが、最終的には両翼が適任だろう。
Brennen Davis


FV45

4.
ケード・ホートン(RHP)/Cade Horton:21歳
◯速球 スライダー / △コンディション チェンジアップ
22年ドラフト全体7位指名。高校時から二刀流として有望視されていたプロスペクトだったが、大学進学の意志が強かったため進学。しかし大学ではTJ手術を受けるなどコンディション不良に悩まされた。速球&スライダーはパワフルで、チェンジアップ向上が先発として成功するための鍵。

5.マット・マービス(1B)/Matt Mervis:25歳
(A+/2A/3A)137G 36HR 50BB 107K .309/.984
◯パワー 打撃 肩 / △守備走塁 年齢
新型コロナウィルス感染拡大の影響で5巡目までに短縮された20年ドラフトからは漏れ、ドラフト外での入団となったが、22年は36本塁打を放つなど大ブレーク。スイング軌道を修正したことでプラスのパワーポテンシャルが開眼した。打撃成績の傑出度を示すwRC+は2Aで147、3Aで152と文句無し。
(R)44G 3HR 13BB 53K .261/.677
◯パワー 肩 / △素材型 走力
21年1月に国際アマチュア選手としては球団記録となる契約金300万ドルで入団の原石。米国デビューは三振率30.2%と想定されていた以上に打撃スキルの弱さを露呈した。それでもパワーはプラス評価であり、アプローチを改善すれば平均以上の打者になれるとの見立て。守備ではSSに必要な守備範囲、肩の強さを兼ね備えるが、走力不足から適性は3Bか。

7.
ベン・ブラウン(RHP)/Ben Brown:23歳
(A+/2A)3.38ERA 104.0IP BB/9=3.1 K/9=12.9
〇速球 カーブ 伸びしろ / △チェンジアップ 耐久性
デービッド・ロバートソンとのトレードで昨夏PHIから獲得。6フィート6の長身から投げ込まれる94-97マイルの4シームとカーブはいずれもプラスピッチ候補で、多くの空振りを奪える。チェンジアップをめったに投げず、左打者対策のためにも磨いていく必要がある。
Ben Brown

(A+)105G 11HR 50BB 124K .254/.751
◎パワー / 〇肩 / △コンタクト 素材型 守備
6-4/190の大柄な体格にパワーポテンシャルを秘める。ドラフト時はコンタクト面が課題との評価だったが、当初の想定よりもヒットツールは悪くない。22年は4月を除けば打率.274・11本塁打・OPS.810・wRC+129と優秀な内容だった。スピード&肩は平均的だが、打球判断やルート取りに難があり、全体的な守備力は平均以下との見立て。
Owen Caissie


(3A)3.92ERA 110.1IP BB/9=2.9 K/9=8.6
(MLB)2.18ERA 33.0IP BB/9=1.9 K/9=9.0
◯スライダー 即戦力 / △チェンジアップ
昨夏トレードでNYYから獲得。5球種で積極的にゾーンを攻めるイニングイーター向きの右腕。第2球種のスラーブがプラスピッチだが、チェンジアップの精度が今一つで、先発としてやっていくには改善していきたいところ。

(A+/2A)3.80ERA 94.2IP BB/9=2.7 K/9=11.5
◯コマンド チェンジアップ / △球威
打者を圧倒する球威はないが、投球術とコントロールに長けた完成度の高さが光る。完成型をマルコ・ゴンザレス(SEA)と比較されているローテーション4番手タイプ。91-93マイルでムーブ大の速球とダブルプラスのチェンジアップのコンビネーション。第3球種のスライダーも向上中。

FV40

11.ケイレブ・キリアン(RHP)/Caleb Kilian:26歳
(3A)4.22ERA 106.2IP BB/9=5.0 K/9=10.5
(MLB)10.32ERA 11.1IP BB/9=9.5 K/9=7.1
◯球威 / △コマンド
21年夏にクリス・ブライアントのトレードで獲得したプロスペクトの1人。元々はコントロールが強みの投手だったが、球速がMAXで96-97マイルを出すなどパワーアップしたことがブレークの要因。しかし22年はコマンド難に悩まされ、MLBでは11.1回で13失点と振るわなかった。それでも球威はローテーション4番手級であり、コマンドを取り戻せればMLB定着が狙える。

12.
ミゲル・アマヤ(C)/Miguel Amaya:24歳
(R/2A)40G 6HR 21BB 41K .261/.824
◯パワー 肩 / △走力 集中力 健康面
パナマ出身の大型捕手。22年はTJ手術のため全休と見られたが、DHとして復帰して少ないサンプルながら2AでOPS.864とよく打った。守備でも術前の時点では、強肩を武器にマイナー通算盗塁阻止率38%をマークしている。攻守の能力はレギュラー捕手にふさわしい水準であり、故障から健康に復帰できるかがポイントとなるだろう。

13.DJ ハーズ(LHP)/DJ Herz:22歳
(A+/2A)4.25ERA 95.1IP BB/9=6.6 K/9=13.3
◯速球 チェンジアップ / ✖コントロール
迫力あふれるクロスファイアーから強烈なボールを投げ込み、マイナー3年でK/9=13.5と奪三振能力の高さが魅力。92-95マイルの4シーム、ダブルプラスのチェンジアップ、平均的なカーブの3球種はどれも空振りが取れる。コントロールに課題があり、ブルペンに転向してジョシュ・ヘイダー(SD)のような火消しセットアップが天職か。

(A+/2A/3A)125G 37HR 59BB 147K .252/.899
〇パワー 肩 / △両翼向き コンタクト / ✖アプローチ
クリス・ブライアントとのトレードで獲得したプロスペクトの1人。22年はマイナー2位の37本塁打を放った。圧倒的なパワーポテンシャルの持ち主だが極度のフリースインガーであり、三振率27.5%とヒットツールは依然として未熟なまま。守備ではルート取りが拙く危なっかしいため、強肩を生かせるRFが最もフィットするだろう。攻守に荒さが目立ち、クリント・フレイジャーのような控え外野手止まりに終わる可能性あり。

(A)113G 7HR 39BB 81K .272/.721
◯打撃 肩 / △素材型 守備
21年ドラフト2巡目。ヒットツールを高く評価されており、打撃面のポテンシャルはアレックス・ブレグマン(HOU)やデビッド・ライト(元NYM)と比較するスカウトも。しかし守備力は将来1B転向も心配されるほどであり、マイケル・チェイビス(WSH)やタイ・フランス(SEA)が現実的な比較対象か。

16.
ダニエル・パレンシア(RHP)/Daniel Palencia:23歳
(A+)3.94ERA 75.1IP BB/9=4.2 K/9=11.7
◎速球 / △第3球種 コントロール
21年夏にアンドリュー・チェイフィンとのトレードでOAKから加入の右腕。最速102マイルの強烈なライジングファストボールが武器で、第2球種の縦カーブも落差抜群。打者の手元で切れるカッターと平均以下のチェンジアップも時折交える。球威は申し分ないがコントロールが悪く、先発に残るには磨かれる必要がある。

17.ジャクソン・フェリス(LHP)/Jackson Ferris:19歳
◯体格 速球 / △素材型 
22年ドラフト2巡目の高卒左腕。1巡目のホートンで節約した分の契約金をつぎ込み、契約金$3Mで入団に至った。93マイルの伸びのある速球に高スピンのカーブ、速球と同じ腕の振りから投げ込まれるチェンジアップのコンビネーション。6-4/195と体格的な伸びしろも◎。

18.ポーター・ホッジ(RHP)/Porter Hodge:22歳
(A/A+)2.63ERA 109.1IP BB/9=4.5 K/9=11.6
◯速球 スライダー / △コマンド チェンジアップ
90マイル中盤のランニングファストと80マイル中盤のハードスライダーのコンビネーション。球威は十分だが、先発に残るにはコマンド&チェンジアップを磨く必要がある。リリーフに専念すればセットアップ級の役割も狙える。

19.モイゼス・バレステロス(C)/Moises Ballesteros:19歳
(R/A)63G 10HR 31BB 47K .257/.813
◯パワー アプローチ / △走力 C守備 素材型
21年1月に契約金$1.2Mで入団したベネズエラン。パワーとゾーンコントロールを両立した打撃が売りの攻撃型捕手。一方でずんぐり体型で俊敏性はゼロであり、捕手に残れるかは疑問符が浮かぶ。1B/DHタイプになるリスクあり。

20.
ルイス・デバース(RHP)/Luis Devers:23歳
(A/A+)1.91ERA 117.2IP BB/9=2.0 K/9=9.3
◯チェンジアップ コマンド / △速球 スライダー
22年はK/BB=4.69と上質な投球内容。速球は90-92マイルと打者を圧倒するような球威は無いが、シュート方向に大きくフェードしながら落ちていくチェンジアップを武器に、打者のタイミングを崩す。球威がない分、細かいコマンドを磨いていくことが求められる。

Sleeper Prospects

(R/A)53G 4HR 19BB 32K .316/.869
◯コンタクト 走力 / △素材型 パワー 肩
コンタクト能力の高いスイッチヒッターで、RでwRC+153と好結果を出した。ライナー中心のアプローチで体格も大きくないため、パワーの評価は平均以下。守備も2B向きとの評価であり、パワーナンバーを伸ばせるかがポイント。

(2A/3A)133G 9HR 34BB 77K .314/.812
◯コンタクト 守備 / △パワー
卓越したコンタクトスキルの持ち主で、22年は2A,3Aいずれでも3割以上の打率をマークした。パワーは平均以下でレギュラー向きではないが、CFとしてプレー可能な守備力を含めて控えには最適だろう。

ヨナサン・ペルラザ(OF)/Yonathan Perlaza:24歳
(A+)124G 23HR 72BB 127K .255/.850
◯パワー / △守備 スピード
昨季のスリーパー枠にも挙げたが、22年は23本塁打・72四球とさらにキャリアハイを更新。豪快なパワーが武器のスイッチヒッターで、右打席OPS.840/左打席.853と両打席で結果を出している。守備は両翼専門なため、バリューを出すには打ち続けるしかない。

ジョーダン・ノーグー(OF)/Jordan Nwogu:24歳
(A+)88G 15HR 37BB 90K .265/.856
◯パワー / △守備 スピード
20年ドラフト3巡目。6-3/230とフィジカルに恵まれており、プラスのパワーと平均以上の走力が武器。22年は15本塁打・19盗塁をマークした。守備は現在はCFを中心に外野3ポジションで出場しているが、最終的にはLFに落ち着くか。

0 件のコメント:

コメントを投稿