2023年3月13日月曜日

2023 CHINCINNATI REDS TOP 20 PROSPECTS

2023 CHINCINNATI REDS

TOP 20 PROSPECTS

Elly De La Cruz

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV60

1.エリー・デラクルーズ(SS/3B)/Elly De La Cruz:21歳
(A+/2A)121G 28HR 40BB 158K .304/.945
◎パワー 走力 肩 / ✖アプローチ 
パワー、スピード、肩の3ツールがダブルプラス評価を受けるポテンシャルの塊。しかし、三振率30.8%とヒットツールが黄色信号。比較されるオニール・クルーズ(PIT)よりもマイナーでの三振率は高いが、打率やOPSといったマイナーでの打撃スタッツは上であるため、MLBでどんな成績を残せるかは未知数。アプローチの成長がシーリングを決めるだろう。
Elly De La Cruz

FV50

2.
ノエルビ・マーテイ(SS)/Noelvi Marte:21歳
(A+)115G 19HR 59BB 107K .279/.829
◎パワー / 〇走力 肩 / △素材型 3B向き? アプローチ 
ルイス・カスティーヨとのトレードでSEAから獲得したトッププロスペクト。ダブルプラスのパワーポテンシャルを秘めた大型SSで、22年はA+でwRC+131と優秀な打撃成績を収めた。一方で四球率11.3%という数字以上に選球眼を問題視されており、また、引っ張り方向への打球割合が50%を超すなどアプローチ面に不安がある。ここ2年で47盗塁を決めるなど足も使えるが、打撃をより生かせるように体を大きくしていくことが予想されるため、そうなるとSSからコンバートされる可能性も。Baseball Prospectusの出す守備範囲指標RDAは-2.7で、オフのAFLでは全21試合を3Bで出場するなど、将来的には3B転向が既定路線か。
Noelvi Marte
(R/A)116G 14HR 46BB 123K .293/.845
◯SS守備 肩 打撃 / △素材型 パワー
カスティーヨのトレードで獲得したうちの1人。元々はプラスのSS守備を評価されていた選手だったが、22年は打撃面で急成長。スムーズなスイングで確率よくフライボールを量産(フライ率34.8%)し、25二塁打・10三塁打・wRC+120を記録した。また、CIN加入後の27試合という限られたサンプルだがランチアングルは22.5度を記録(昨年のMLBならJ.ギャロに次ぐ3位タイの数字)した。一方でMAX打球速度は98.9マイルと平凡な数字にとどまっており、パワー面の評価は平均以下となっている。
Edwin Arroyo


4.キャム・コリアー(3B)/Cam Collier:18歳
(R)9G 2HR 7BB 6K .370/1.144
◯打撃 肩 年齢 / △素材型
22年ドラフト全体18位指名。オーバースロットとなる契約金500万ドルで入団した。高校を飛び級で卒業し、短大に進学。そこでOPS.956と結果を出し、17歳でドラフト指名を受けるというプロフィールはブライス・ハーパー(PHI)と同じ。現時点ではハーパーほどのスターポテンシャルではないが、年上選手を相手に素早いスイングでライナーを量産するなど打撃の完成度は高く、ピュアヒッター候補。守備では、投手として90マイル前半を投げていた強肩が武器で、3BやRFに適性があるとの見立て。
Cam Collier

(A+/2A)122G 32HR 40BB 137K .304/.955
◎パワー 肩 / △コンタクト 走力 守備
コンタクト&アプローチを改善できればMLBでも30ホーマー以上が狙える長距離砲候補。22年はマイナー2位の114打点を記録するなどブレーク。ISO.283・wRC+152と圧倒的なパワーを見せつけた。積極的すぎるアプローチを修正していきたい。守備ではダブルプラスの強肩の持ち主も、走守の能力は平均以下で、1B転向の可能性あり。

6.
チェース・ぺティ(RHP)/Chase Petty:20歳
(A/A+)3.48ERA 98.1IP BB/9=2.8 K/9=8.8
〇シンカー グラウンドボーラー コントロール / △素材型
高校時にはMAX102マイルを計測した一方で、荒削りな点を問題視されていたが、プロでは100マイルを超すような速球を投げなくなった(速球はAで平均93.9マイル)代わりに、投手としての完成度がアップ。シンカー/スライダーをコントロール良く投げ分けて、Aではグラウンドボール率59.8%とゴロの山を築いた。また、1イニング当たりの球数は14.90球(昨季のMLBで100イニング以上投げた投手の中では9位)と理想的で、疑問視されていた先発適性を証明してみせた。さらに対左打者に対して被OPS.615、チェンジアップは空振り率57.1%を記録するなど左打者対策も問題なし。

7.
コナー・フィリップス(RHP)/Connor Phillips:22歳
(A+/2A)3.78ERA 109.2IP BB/9=5.4 K/9=12.3
◯速球 スライダー / △素材型 / ✖コントロール
20年ドラフト2巡目指名の高校生投手。95-97マイルの伸びのあるランニングファストとスイーパー系のスラーブのコンボ。速球を高めに集めるバーチカルアプローチを試行中であるとはいえ、プロ2年でBB/9=5.4とさすがに与四球が多すぎるため、適性はリリーフか。3月の春季トレーニングで登板した際には、速球が平均96.3マイル/スピンレート2463rpm、縦の落差はわずか11インチを記録するなど球質の良さを見せつけた。

(2A/3A)106G 23HR 51BB 89K .274/.879
(MLB)28G 2HR 11BB 26K .211/.632
◯即戦力 ユーティリティー / △ツール
プラスツールはないが、攻守に完成度の高いユーティリティー候補。打撃では辛抱強いアプローチでコンタクトを量産し、マイナーでwRC+127・ISO.241をマーク。慎重なアプローチで甘い球を見逃すことも多いので、パワーナンバーを増やすにはアプローチの転換が必要だろう。守備は3Bを中心に複数ポジションOK。
(A+/2A)3.81ERA 118.0IP BB/9=3.7 K/9=12.1
◯コントロール カーブ / △チェンジアップ 対右打者
大学4年にして先発に転向するとブレークを果たし、ドラフト2巡目でCIN入り。切れの良い4シームと高スピンのカーブを軸にマイナー2年でK/9=12.4をマークしている。22年はA+で4先発/防御率0.67と好投も、2Aでは20先発/防御率4.75と苦戦した。対左打者には被OPS.556・0被本塁打と支配的だったが、対右打者には被OPS.712・8被本塁打と痛打された。平均以下のチェンジアップを磨くことがローテーション残留の鍵になりそうだ。球速も93マイル前後なため、スイングマン向きか?

(2A)103G 17HR 70BB 127K .232/.816
◯選球眼 走力 / △パワー 2B向き?  
高校時代の18年にもARIから1巡指名を受けたエリートで、名門UCLAに進学するとそこでも結果を残し、21年ドラフトでも1巡指名を受けてCIN入りを果たした。完成度の高いコンタクトヒッターと見られていたが、22年は2Aで打率.232・三振率28.1%とアベレージ面で苦戦。SS守備でもRDA-4.1と振るわなかった。大学時代は3BやCFも経験しており、不動のレギュラーというよりもスーパーユーティリティータイプか。
(R)8G 0HR 4BB 5K .292/.851
◯パワー / △守備 / ✖走力
22年ドラフト全体32位指名。パワーポテンシャルを期待されており、確率よくハードコンタクトを量産する打撃技術も兼ね備える。一方で走守の能力は平均以下で、将来は1B転向が心配されている。打ち続けることが求められる。

(2A/3A)4.11ERA 122.2IP BB/9=5.6 K/9=9.0
◯速球 カーブ / △コントロール 22年不調
ジェシー・ウィンカー&エウヘリオ・スアレスを放出したトレードのメインパッケージ。21年はSEA傘下トップの153Kをマークするなどブレークしたが、昨季は不調で評価を落とした。6-6/210の迫力ある体格から最速97マイルの速球とプラスのカーブを投げ込む。プロ入り後は制球難が改善傾向だったが、昨季はBB/9=5.6と逆戻り。23年は評価を取り戻せるか。

FV40

(2A/3A)4.70ERA 111.0IP BB/9=2.6 K/9=8.4
◯コントロール 3球種 / △22年不調
19年ドラフト3巡目。94-98マイルの速球に80マイル後半のハードスライダー、平均以上のチェンジアップをコントロールよく織り交ぜるバックエンドSPタイプ
。22年はシーズンを通して苦しんだが、本調子ならローテーション下位orリリーフとしてチームの戦力になれる選手。

14.リカルド・カブレラ(SS)/Ricardo Cabrera:18歳
(DSL)46G 1HR 13BB 40K .253/.743
◯走力 肩 / △パワー 素材型
MLB公式の国際アマチュアFAリストで3位にランクインしていた原石で、22年に契約金270万ドルで入団した。現時点では細身でパワーレスながら、SSにふさわしい抜群の運動能力の持ち主でアップサイドは高い。まずはウェイトをつけてパワーを伸ばしたい。

15.カルロス・ホルヘ(2B)/Carlos Jorge:19歳
(R)42G 7HR 25BB 41K .261/.935
◯打撃 走力 / △パワー 肩 素材型
高打率&高出塁率が狙える攻撃型二塁手候補で、昨季はRでwRC+151と好パフォーマンス。小柄ながらコンパクトかつスムーズなスイングでラインドライブを量産する。2年連続で27盗塁を決めるなど走力もあるが、平均以下の肩の強さから適性は2Bとされている。

16.
ビクター・アコスタ(SS)/Victor Acosta:19歳
(R)42G 2HR 21BB 37K .237/.707
◯走力 肩 / △素材型 パワー
21年に契約金180万ドルでプロ入りした原石。ブランドン・ドルーリーの対価としてSDから移籍してきた。小柄ながらプラスの走力&肩を有するアスリート。非力さは否めないが、プロ2年でwRC+132・四球率14.6%と打撃センスも悪くない。フルシーズンデビューで飛躍できるか。

17.ジェイ・アレン(OF)/Jay Allen:19歳
(A/A+)91G 3HR 44BB 92K .225/.670
〇走力 守備 / △素材型 パワー 打撃
21年ドラフト全体30位指名の高校生。アメフトのクオーターバックとしても鳴らしたアスリートタイプ。フルシーズン1年目は43盗塁を決めた一方で、打撃のパワーレスを露呈。トラッキングシステムが搭載されているAでの平均打球速度は82.1マイルにとどまった。MAX打球速度は107.8マイルと悪くないので、安定して実戦でパワーを発揮できるようになるかがポイントとなりそうだ。

FV40-

18.
レオナルド・バルケイザー(SS)/Leonardo Balcazar:19歳
(R)42G 4HR 18BB 42K .322/.886
◯コンタクト 肩 / △素材型 パワー
契約金10万ドルと有望視されていたわけではなかったが、コンタクト能力を武器にRで打率.322・wRC+144をマークするなど好パフォーマンス。守備ではプラスの強肩の持ち主で、SS適性あり。

19.ウィル・ベンソン(OF)/Will Benson:25歳
(3A)89G 17HR 75BB 91K .279/.948
◯パワー / △コンタクト
とてつもないパワーポテンシャルを誇るフィジカルモンスター。昨季開幕時点でマイナー通算453試合で打率.210・三振率34.7%とコンタクトが弱点だったが、昨季は三振率を22.7%に改善させてwRC+153とついに覚醒。レギュラーに置くには低打率がネックながら、一発があり、守備では外野3ポジションをプレー可能なので、プラトーン/控え外野手には最適だ。

(R)42G 6HR 21BB 49K .286/.883
◯パワー / △素材型 守備 走力
パワーポテンシャル。21年の契約時から20ポンドの増量に成功し、昨季はRで6本塁打・wRC+141とパワーを発揮した。しかし、三振率29.9%と空振りの多さが黄色信号で、コンタクトや選球眼を磨いていく必要がある。守備では強肩を武器に37試合で6補殺を記録するなどRF適性を見せているが、平均以下の走力から将来的にはLFやDHに回る可能性も。

Sleeper Prospects


(A)4.70ERA 82.1IP BB/9=5.8 K/9=10.3
〇スライダー 回転数 / △チェンジアップ / ✖コントロール
平均94マイル超の4シーム&シンカーとプラスのスライダーを軸にした投球。特にスライダーは横に大きく滑るスイーパー系で、回転による変化方向と実際の変化方向に30度も開きがあるSSWの利いたボール。チェンジアップの質が低く、2球種に絞ってリリーフで勝負が現実的か。

(A+)2.52ERA 25.0IP BB/9=4.3 K/9=10.1
◯速球 スライダー / △コントロール 健康面
20年ドラフト3巡目。94-99マイルのライジングファストボールを高めに、プラスのスライダーを低めに落として空振りを量産するパワーピッチャー。昨季6試合の登板にとどまったコンディション面、平均以下のコントロール、第3球種の弱さを考えると輝けるのはブルペンか?

(R/A)14G 3HR 7BB 11K .342/1.132
◯パワー 肩 / △コンタクト
22年ドラフト5巡目。パワーが武器の攻撃型捕手で、プロでは14試合という限られたサンプルではあるが、OPS1.132と打ちまくった。大学では58試合/59三振と空振りが多く、高打率を見込めるタイプではないだろうが、守備面の評価も悪くないため、打撃を売りに貢献が見込めるかもしれない。

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