2023年5月4日木曜日

2023 ARIZONA DIAMONDBACKS TOP 20 PROSPECTS

2023 ARIZONA DIAMONDBACKS

TOP 20 PROSPECTS

Corbin Carroll

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV65

1.
コービン・キャロル(OF)/Corbin Carroll:22歳
(R/2A/3A)93G 24HR 67BB 107K .307/1.036
◎スピード / ◯打撃 CF守備 / △肩 
今季の新人王候補最有力のトッププロスペクト。ジャコビー・エルズベリー(元BOS他)やジョニー・デーモン(元NYY他)と比較されるリードオフCF。
フィールド全体にラインドライブを量産し、ダブルプラスのスピードを生かした守備走塁も優秀。22年はメジャー/マイナーで計28本塁打をマークするなどパワー面でも成長を見せた。
Corbin Carroll    


FV60

2.
ジョーダン・ラウラー(SS)/Jordan Lawlar:20歳
(R/A/A+/2A)100G 16HR 57BB 115K .303/.910
〇打撃 走力 肩 / △エラー多い 打球速度 
21年ドラフト全体6位指名の大型SS。攻守のポテンシャルをザンダー・ボガーツ(SD)と比較したい。打撃はMLBで中軸を打てるポテンシャルを秘めており、広角にバレル性の打球を量産できる。三振率25%とやや空振りが多い点と平均打球速度86マイルとパワー評の割に打球速度が今一つな点が気がかりか。また守備では走力&肩力がプラスも、87試合で29失策(守備率.912)とミスが多いため、SSからコンバートされる可能性もある。
Jordan Lawlar


FV55

3.ドリュー・ジョーンズ(OF)/Druw Jones:22歳
(2A/3A)106G 435AB 18HR 52BB 99K .313/.394/.559/.953
◎5ツール / △素材型 肩の手術明け
ゴールドグラブ10度の名選手、アンドリュー・ジョーンズ(元楽天他)の息子。22年ドラフト全体2位指名。父譲りの傑出した5ツールポテンシャルを秘める大器。プロ入り後最初の練習で肩を痛め手術を受けることになったため、実戦デビューは23年までお預けとなった。


FV50

4.ブランドン・ファート(RHP)/Brandon Pfaadt:24歳
(2A/3A)3.83ERA 167.0IP BB/9=1.8 K/9=11.7
◯コマンド 完成度 / △決め球 被弾多い
絶対的な球種があるわけではないが、安定したコマンドを土台に総合力で勝負するトータルパッケージ。93-94マイルの高スピンの4シームをスポットに投げ分け、スライダー&チェンジアップと組み合わせて打者を翻ろうする。22年はマイナートップの218Kをマークも、HR/9=1.5、被ランチアングル19.3度とバレルコントロールが弱点。
Brandon Pfaadt


FV45

5.
ライン・ネルソン(RHP)/Ryne Nelson:25歳
(3A)5.43ERA 136.0IP BB/9=3.1 K/9=8.5
(MLB)1.47ERA 18.1IP BB/9=2.9 K/9=7.9
〇速球 コントロール / △変化球 速球多い
平均93マイルながらライズ成分の強い4シームが武器で、制球もまとまっている。変化球は3種を扱えるが、速球が全投球の6割を占めるなど、先発投手としてやっていくには変化球の質を磨き、速球偏重の投球スタイルから脱却する必要があるだろう。速球のスピードや変化球の質を考慮すると、エースというよりはローテーション下位タイプか。
(2A/3A)6.31ERA 132.2IP BB/9=3.1 K/9=9.0
(MLB)1.48ERA 24.1IP BB/9=2.6 K/9=8.9
◯速球 スライダー / △体格 第3球種
パワーアーム。MAX100マイルの4シームと93マイル前後のツーシームを軸に、ダブルプラスのスライダーで打者を仕留める。ボールの質はローテーション半ば級も、全投球の8割以上が速球とスライダーという2ピッチタイプであること、コマンドに課題があること、6-0/165と小柄であることからリリーフが適性か。

7.ランドン・シムズ(RHP)/Landon Sims:22歳
◯速球 スライダー / △TJ手術明け 先発経験
22年ドラフト全体34位指名。21年にミシシッピ州立大のクローザーとして防御率1.44と好投。22年は先発に転向し3先発で防御率1.15と好投していたが、TJ手術でシーズン終了となった。90マイル中盤の速球とスライダーのパワフルなコンビネーションで、コントロールも安定している。先発経験の乏しさとTJから復帰までの時間を考慮すると、リリーフに専念して早期昇格を目指す可能性も。
(A/A+/2A)126G 22HR 34BB 147K .306/.847
◎パワー / △素材型 アプローチ 走力 守備
ダブルプラスのパワーを秘めており、ミゲル・サノー(元MIN)と比べられる大砲候補。22年は19歳ながら22本塁打を放ち、A、A+いずれでもwRC+120以上をマークした。荒っぽいアプローチを磨いていくことがブレークの鍵を握るだろう。守備能力は高くなく、現在は3Bを守っているが、将来的には1B転向が目されている。
Deyvison De Los Santos

(R/2A/3A)98G 20HR 38BB 102K .301/.928
◎肩 / ◯パワー / △コンタクト
21年はA+でOPS.688と打撃成績はそれほどでもなく、元々はダブルプラスの強肩を生かした守備面を評価されていたが、昨季は打撃覚醒。88試合に出場した2AではwRC+135と素晴らしい成績を収めた。一方で三振率25.3%と空振りが多く、不動のレギュラーというよりもクリス・テイラー(LAD)のような低打率だがパンチ力のあるユーティリティープレーヤーが完成像か。
(A+/2A)4.79ERA 124.0IP BB/9=3.3 K/9=9.9
◯4球種 / △素材型 球速
バリー・ジト(元SF他)と比べられる19年のドライチ高卒左腕。すでに4球種を扱うことができるなど年齢に比して完成度も高い。しかし昨季の速球の平均球速は90-91マイルにとどまっており、MLBのスターターとしては球威不足が否めない。6-5/175の体格から球威向上が期待されているが、球威が向上しなければコルビー・アラード(ATL)のように伸び悩む可能性もあるだろう。
 

FV40

(2A/3A)133G 12HR 55BB 113K .312/.864
◎守備 / 〇コンタクト 即戦力 / △パワー 体格
デビッド・フレッチャー(LAA)の弟で、WBCではイタリア代表として侍ジャパンとも対峙した。走攻守に完成度が高く、最低でも第4、第5の外野手になれるだろう。打撃ではラインドライブを量産するコンタクト能力が武器で、3Aではゾーン内コンタクト率90.3%を記録。平均打球速度87.5マイルと小柄な体格に比してパンチ力もある。また外野守備も絶品で、Baseball Prospectusの出す総合守備指標DRPで+12.7を記録している。

12.
AJ ブコビッチ(3B/OF)/AJ Vukovich:21歳
(A+/2A)117G 17HR 19BB 118K .276/.757
◯パワー 走力 / △素材型 3B守備 / ✖アプローチ
20年ドラフト4巡目。ルイビル大への進学が内定していたため、オーバースロットとなる125万ドルでプロ入りを決めた。6-5/210の体格にバスケットボールでも活躍した運動能力を兼ね備えるスーパーアスリート。20歳にして17本塁打・36盗塁を記録したパワー&スピードは魅力も、四球率3.8%と極度のフリースインガーであるため、現状ではMLBに通用しないだろう。また、3B守備も不得意でLFや1B転向が既定路線だろう。攻守の不安要素を覆せるか。

(2A)4.37ERA 129.2IP BB/9=2.2 K/9=8.8
◯スライダー コントロール / △被安打多い
20年ドラフト全体33位指名。不安定ながら、好調時はインステップの角度あるオーバースローから90マイル中盤の速球と縦スライダーを投げ下ろす。22年はFIP4.98と投球内容はやや物足りない内容だったが、90球前後で6~7回を安定して消化するなどイニングイーター適性はアピールできた。現状はローテーション下位のイニングイーター、もしくは速球&スライダーに絞ってリリーフで輝くタイプだろう。

(A/A+)94G 9HR 27BB 109K .290/.796
◎走力 / ◯パワー / △素材型 / ✖アプローチ
昨季マイナー6位タイの67盗塁を決めた快足が武器のツール型CF。110マイル以上の打球を数回計測し、90thEV(上位10%の打球速度)は106マイルとパワーポテンシャルも秘める。しかし、
グラウンドボール率58%とアプローチに課題があり、打つべきボールを絞ってフライ性の打球を増やせるとよいだろう。理想の完成像はスターリング・マーテイ(NYM)か。

15.イバン・メレンデス(1B)/Ivan Melendez:23歳
R/A)29G 3HR 13BB 25K .206/.709
◯パワー / ✖走力
22年ドラフト2巡目。大学のシーズンでは国内最多の32本塁打を放ち、大学野球のMVPにあたるゴールデンスパイク賞を受賞した。プラスのパワーの持ち主だが、プロデビューでは不発だった。足は遅いが、1B守備は平均的との評価。

16.ユーミン・リン(LHP)/Yu-Min Lin:19歳
(R/A) 2.72ERA 56.1IP BB/9=3.5 K/9=14.5
◯変化球 コマンド 完成度 / ✖球速
台湾出身。現時点での速球は88-91マイル程度ながら、菊池雄星(TOR)似の滑らかなワインドアップから速球、スライダー、チェンジアップをコマンド良く投げ分ける。昨季は傘下トップのK%=40%、K-BB%=30%超えは22歳以下のマイナー選手では、トッププロスペクトのアンドリュー・ぺインター(PHI)ら4名だけだった。MLBの先発投手で速球の平均が90マイルを割っている選手はほとんどいないため、現時点では評価が険しいが、速球のスピードを伸ばせれば面白い存在だ。

17.
ホルヘ・バロサ(OF)/Jorge Barrosa:22歳
(A+/2A)120G 13HR 67BB 85K .279/.811
◯走力 守備 コンタクト / △パワー
ハイフロアーな第4の外野手タイプ。俊足を生かしたCF守備が最大の売りで、Baseball Prospectusの守備指標では送球面でのマイナス(-3.5点)があったが、守備範囲指標RDAでは+4.9を記録した。打撃はライナー中心のコンタクト力とゾーン管理に優れ、2Aで四球率12.7%/三振率15.7%・30二塁打を記録。パワーは平凡で、レギュラー選手としてはインパクト不足だろう。

18.ルーベン・サンタナ(3B)/Ruben Santana:18歳
(DSL)43G 1HR 25BB 33K .316/ .872
◯パワー 走力 肩 / △素材型
22年1月に契約金75万ドルで入団したドミニカ共和国出身の原石。プラスのパワーを有するスラッガー候補で、DSLではwRC+142と早速好発進。やや空振りの多さは気になるが、四球率15.3%と年齢に比して我慢強さを備えている。走力もプラス評価で15盗塁をマーク。守備も3Bとして平均レベルまで向上できる見込みがあるとの見立て。

(DSL)50G 0HR 37BB 20K .333/.899
◯守備 コンタクト / △素材型 / ✖パワー
22年1月に契約金24万ドルで入団と決してトップ級の評価を得ていたわけではなかったが、DSLでwRC+153とナイスパフォーマンス。プラスのSS守備が最大の武器で、攻守に完成度が高い。しかし、パワーレスなため打撃面でインパクトを残せるかが疑問。

20.
ディラン・レイ(RHP)/Dylan Ray:22歳
(R/A)6.59ERA 13.2IP BB/9=2.6 K/9=11.2
◯スライダー コントロール / △先発経験
22年ドラフト4巡目。大学ではリリーフもプロでは先発転向予定。90マイル前半の速球とプラスの縦スライダーを主体に、左打者にはチェンジアップを落とせる。先発経験はないが、6-3/230と先発向きの体格であり、コントロールも安定している。エース級の球威は無いが、先発転向が上手く行けばイニングイーター適性あり。

Sleeper Prospects

(R)3.00ERA 3.0IP BB/9=12.0 K/9=9.0
◯コマンド / △球威 体格
22年ドラフト13巡目。93-96マイルのシンカーと80マイル後半のカッターで攻め込むグラウンドボーラー。6-5/215と体格も良く、球速も向上の余地を残す。大学3年のシーズンは防御率3.71も、K/BB=1.57とコマンドや支配力には疑問があり、リリーフ向きか。

アンドリュー・ピンター(SS/2B)/Andrew Pintar:23歳
◯コンタクト 走力 / △肩 肩の手術明け
22年ドラフト5巡目。大学3年のシーズンは肩の手術等で振るわなかったが、2年時にはOPS.989と活躍。小柄ながらヒット&スピードツールに優れており、球団はA.J.ポロックのような選手像を期待。本職はSSだが、肩の弱さから2BやCFが適性との評価。

ティム・タワ(2B/OF)/Tim Tawa:24歳
(A+/2A)118G 13HR 56BB 93K .239/.700
◯走力 アプローチ / △年齢 パワー
21年ドラフト11巡目。大学4年でのプロ入りのため歳を食っているが、俊足を生かした好守と確実性の高い打撃が売り。昨季はA+では58試合/OPS.818も、2Aでは60試合/OPS.583と苦しんだ。年齢的にも今年2Aの壁を破れるかがポイントになりそうだ。

ドミニック・キャンゾーン(OF/1B)/Dominic Canzone:25歳
(R/2A/3A)106G 22HR 37BB 83K .300/.908
◯パワー / △守備走塁
コーリー・ディッカーソン(WSH)やデビッド・ペラルタ(LAD)のような強打のコーナー外野手タイプ。パワフルなアッパースイングで長打を量産する。昨季は3Aで平均打球速度89.2マイル、95マイル以上の打球割合39.1%と高水準をマーク。守備走塁は平均以下。

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