2023年12月2日土曜日

2024 PHILADELPHIA PHILLIES TOP 20 PROSPECTS

2024 PHILADELPHIA PHILLIES

TOP 20 PROSPECTS

Andrew Painter

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV60

22年はマイナー3クラスで103.2回/防御率1.56と圧倒的なパフォーマンスで、「ベースボールアメリカ」のマイナー最優秀投手に輝いた。しかし23年は春季トレーニングから肘痛に悩まされ、結局7月にTJ手術。24年シーズンも全休の見込み。健康であれば、6-7/215の規格外の体格から平均96.7/最速101マイル/スピンレート2408rpmの速球を主体に、平均から平均以上のスライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜる。また、大柄ながら運動能力も素晴らしく、コマンドもプラス評価。球威、変化球、コマンド、体格全てを兼ね備えたエースポテンシャルだ。
Andrew Painter


FV50

2.ミック・エイブル(RHP)/Mick Abel:22歳
制球難だがボールの質はエース級。21年にAで平均95.4マイル/平均2488rmpとMLBトップクラスの数値を記録した4シームを軸に、スライダー、チェンジアップ、カーブ、シンカーいずれもプラスピッチ候補。昨季BB/9=5.2、マイナー3年で4.8のコントロール改善が求められる。
Mick Abel


3.エイデン・ミラー(SS)/ Aidan Miller:20歳
23年ドラフト全体27位指名の高卒選手。U-12、15、18でUSA代表を務めた実力者であり、強肩強打が魅力の大型内野手。プラスのパワーと並外れた選球眼を備える一方で、ややガチャついた打撃動作からコンタクト面への適応を不安視されている。また、守備は増量に伴って3B転向が目されている。

球宴4度の名選手カール・クロフォードの息子であり、22年ドラフト全体17位指名でプロ入りを果たした。父譲りの俊足がベストツールで、コンタクト能力を併せて父と同じくリードオフマン適性あり。LF専門だった父に対して、ジャスティンはプラスのCFディフェンダーになれる可能性あり。AでwRC+138、A+で119と好デビューを飾ったが、グラウンドボール率が極めて高く(Aで68.5%、A+で74.5%)、打撃ポテンシャルには疑問。

FV45

5.
スターリン・カバ(SS)/Starlyn Caba:18歳
23年1月に契約金300万ドルで入団したドミニカ共和国出身のトップアマチュア。ヒットツール&プラスの守備力を兼ね備えた両打ちSSで、若き日のフランシスコ・リンドーア(現NYM)と比較する声も。DSLでは38試合で打率.301・三振率9.8%/四球率17.1%をマーク。

23年に契約金9万ドルで入団とプロ入り時の評価は高くなかったが、16歳ながらDSLで打率.333・OPS.917と圧倒的な成績を残して評価を上げた。プラスのパワーを秘めた攻撃型捕手で、すでに平均打球速度はMLB平均相当の88マイルに到達。守備でも盗塁阻止率44%と強肩の持ち主。

7.ウィリアム・ベルゴラ(SS)/William Bergolla:19歳
22年1月に契約金205万ドルで入団した原石。MLB公式の国際アマチュアFAリストでは4位にランクインするなど走攻守にオールラウンド。プロ79試合で0本塁打、現地点で5-11/165と線が細く非力だが、23年はAでの55試合でコンタクト率驚異の94.8%、三振率7.5%/四球率13.2%をマークするなどコンタクト力の高さが際立っている。パワーをつけたい。

リリーフプロスペクト。90マイル後半の速球とダブルプラスのスライダーのコンビネーションで打者を圧倒する。23年はAで開幕を迎えたが一気に駆け上がり、MLBデビューも経験。ポストシーズンのロースターにも入った。マイナー4階級で防御率1.51・13.2K/9をマーク。


FV40
22年ドラフト14巡目。A/A+で打率.234・ISO.127と打撃ポテンシャルは平凡だが、素晴らしいSS守備が魅力で下位打線レギュラーor守備要員向き。Aでの81試合で四球率17.0%/三振率18.1%をマークするなどアプローチ&ゾーンコントロールは優秀。

10.デビン・ソルティバン(OF)/Devin Saltiban:19歳
23年ドラフト3巡目のハワイ出身高卒プロスペクト。パワー&スピードが魅力でスケール大。上級投手との対戦経験は不足しているが、MLBドラフトリーグでは限られたサンプルながら年上の格上投手を相手に11試合で2本塁打・OPS.759、Rでも10試合でOPS.844をマーク。
21年ドラフト5巡目。MAX100マイルのライジングファストを主体に、カッター、スライダー、チェンジアップ、カーブと変化球も多彩。しかし60イニングで50四球、与四球率18.5%と制球難が致命的。球数の多さから17先発して5イニングを投げ切れたのは5試合だけであり、リリーフ転向が濃厚と見られる。
Griff McGarry


22年ドラフト4巡目。Statcast搭載のAで平均96.1マイル/2648rpmsのシンカー&2848rpmsのスライダーのコンボ。奪三振率29.6%&56.3GB%と球威は申し分なし。しかし、与四球率16.3%とコントロールが悪く、また16先発でMAX85球とイニング消化能力にも課題があり、リリーフ転向が濃厚だ。

13.ガブリエル・リンコネス(OF)/Gabriel Rincones:23歳
22年ドラフト3巡目。6-3/225の恵まれた体格にパワーポテンシャルを備える。23年はAでwRC+130、A+で103をマーク。走力は平均を大きく下回るとの評価だったが、まさかの32盗塁、オフのAFLでも22試合で15盗塁を決めるなど躍動。しかし、将来は1B/DHが適性と見られており、バリューを出すには打ちまくることが求められる。打率.248・三振率25.1%のコンタクト面を改善できるか。

14.シモン・ムジオッティ(OF)/Simon Muzziotti:25歳
レギュラーとしてはパワー不足だが、CFを守れる平均以上の走守とコンタクト能力の高さからバックアップ外野手向き。23年は3Aで打率.296・三振率15.5%をマークも、wRC+は93止まりだった。来季25歳と野球選手として正念場を迎える。
21年ドラフト2巡目。スラッガー候補として入団するもプロでは苦戦。しかし、昨季は2Aで自己最多の17本塁打、自身初となるwRC100超え(102)を記録と成長を感じるシーズンとなった。守備は外野両翼に限られるため、さらにもうワンランク打撃の成績を伸ばしたいところ。

身長6フィート8と規格外の体格を備えたパワーヒッター。23年は2AでwRC+118、自己最多の24本塁打を放ったが、三振率27.5%とコンタクト&アプローチが弱点。守備はCFでも14試合に出場している一方で、1Bでも49試合に出場しており、最終的には1B/DHに落ち着くと見られている。

FV40-

22年ドラフト11巡目ながらオーバースロットとなる契約金で入団した原石タイプ。20-80スケールで70評価の走力が武器で、フルシーズン1年目ながらAで56盗塁をマーク。打撃は91試合で1本塁打・ISO.062と現時点ではパワー不足であり、MLBまでの道のりは険しい。

18.レイリン・ヘレディア(OF)/Raylin Heredia:20歳
パワーとスピードを兼ね備えたツール型外野手で、Rでの35試合で4本塁打・wRC+145と猛アピールに成功。守備は平均以上のスピードに加えて、プラスの強肩の持ち主でCF適性あり。A昇格後は18試合でwRC+104と及第点だったが、三振率31.5%とコンタクト面に不安を残した。

23年ドラフト4巡指名の高卒選手で、6-3/225という立派な体格を持ち合わせたフィジカル系プレーヤー。打撃は現段階ではライナー中心だが、立派な体格からパワーポテンシャルは申し分なく、打球角度がついてくれば本塁打増が見込める。守備は最終的にはスピードを失ってコーナーに落ち着くとの見立て。

20.サミュエル・アルデゲリ(LHP)/Samuel Aldegheri:22歳
イタリア出身。A/A+で19先発して防御率4.20・奪三振率27%をマーク。平均91.9マイルながらスピンレート2366rpmsと高スピンの4シーム&空振り率39%のスライダーを軸に、対右打者にはチェンジアップで空振りが取れる。

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