2023年2月12日日曜日

2023 MIAMI MARLINS TOP 20 PROSPECTS

2023 MIAMI MARLINS 

TOP 20 PROSPECTS

Eury Perez

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV60

1.ユーリー・ぺレス(RHP)/Eury Perez:20歳
(2A)4.08ERA 75.0IP BB/9=3.0 K/9=12.7
◯速球 変化球 体格 コマンド / △健康面
真のエースポテンシャル。19年の契約時に80マイル中盤だった速球は、21年に平均94.9マイル/スピンレート2671rmpに成長。22年はStatcast下で4シームを12球投げて、平均97.9マイル/スピンレート2727rpmとさらに数字を伸ばしている。カーブ&チェンジアップもプラスピッチ候補で、6-8/200と大柄ながら身体操作も◎でメカニックも滑らか。依然として身体的な伸びしろを残しており、可能性は無限大。22年はコマンド面で大きく成長。
Eury Perez


FV50

2.マックス・マイヤー(RHP)/Max Meyer:24歳
(3A)3.72ERA 58.0IP BB/9=2.9 K/9=10.1
◎球速 スライダー / △体格 健康面
20年ドラフト全体3位指名。最速100マイルの速球&90マイル前半に達するスライダーはいずれも20-80スケールで70評価と絶品。先発経験の浅さとアンダーサイズな体格から先発適性に疑問をもたれていたが、22年はチェンジアップの向上に成功し、MLBデビューも経験。しかし、2試合投げた後、TJ手術を受けることになった。23年は全休の見込み。
Max Meyer


(A+/2A)3.80ERA 118.1IP BB/9=3.2 K/9=11.4
◯体格 速球 カーブ ゴロアウト多い / △チェンジアップ
20年ドラフト2巡目。ドラフト後にTJ手術を受けたが、無事カムバック。6フィート7の長身を生かした角度のある4シーム&縦カーブのコンビネーションで、球威・コマンド共に向上が見られた。体格にも恵まれており、先発投手に必要な資質をすべて揃えている。A+では20先発で防御率4.07も、BABIPが.383と高かったこともあり、FIPは3.08と高水準だった。2Aでは20歳ながら3先発で防御率2.57/FIP3.11とともに高数値を記録しており、来季の飛躍に期待したい。
Dax Fulton


(R/A)37G 3HR 14BB 29K .248/.705
◯打撃 / △走力 守備 打球速度
22年ドラフト全体6位指名。パワーと選球眼を兼ね備えた打撃面の評価が高いスイッチヒッターで、22年は大学での53試合で打率.370・15本塁打・OPS1.094、27BB/22Kと圧倒的な成績を残した。しかしAでは33試合でOPS.750、平均打球速度86.3マイル/MAX103マイルとパワーポテンシャルに疑問を残す結果となった。また俊敏性の乏しさから将来は一塁転向が危惧されており、攻守に不安要素を抱える。

FV45

5.イディ・キャッぺ(SS)/Yiddi Cappe:20歳
(R/A)67G 9HR 15BB 41K .290/.766
◯肩 パワー / △素材型 アプローチ
21年1月に契約金350万ドルで入団したキューバ出身の大型SS。6フィート3の長身細身の体型は若き日のカルロス・コレア(MIN)を連想させる。打撃は大振りで改善点も多いが、スイング自体は力強くパワーポテンシャルあり。しかしAでは平均打球速度83マイルにとどまっており、パワーポテンシャルを実戦で発揮できるかが焦点となりそうだ。守備面では、スムーズな動作とプラスの強肩からSSとして長く育成される見込みだが、体格を考えると将来的な適性は3Bか。

◎速球 / 〇コマンド チェンジアップ / △体格 / ✖健康面 
21&22年はと2シーズン続けて肩の故障により全休。22年10月にも2度目の肩の手術を受けており、23年の春季トレーニングには間に合う見込みだが、健康面が非常に心配。20年にMLBで7先発/防御率3.46を記録した実力は申し分ないが、健康に復帰できるか。

◯速球 スライダー 奪三振 / △TJ手術明け
20年ドラフト4巡目。大学では制球難だったが、21年は2Aでの15先発で防御率1.77と別人のような投球。しかし、TJ手術により22年は全休した。健康であれば力感のない滑らかなフォームから93-96マイルの4シームとプラスのスライダー、平均的なチェンジアップのコンビネーション。23年の春季トレーニングには間に合う見込み。
Jake Eder


8.ジョー・マック(C)/Joe Mack:20歳
(R/A)44G 5HR 33BB 47K .243/.768
◯アプローチ 肩 / △素材型
21年ドラフト全体31位指名。攻守を両立した捕手への成長が期待される高校生。成熟したアプローチでライナー性の打球を量産し、平均以上の打者になれる可能性を秘めている。Aでは限られたサンプルではあるが、ラインドライブ率30%(平均は20%)、平均打球速度88.4マイルと持ち味を発揮していた。プラスの強肩の持ち主であり、レシービングなどの全体的な守備力を磨く必要はあるが、少なくとも捕手には残れるとの評価を得ている。

FV40

(R/A)4.76ERA 5.2IP BB/9=3.2 K/9=9.5
◯速球 カーブ / △素材型 
22年ドラフト2巡目。垂直に近いオーバースローから投げ込まれる高スピンの4シーム&カーブが評価されており、ストライクに集めるコントロールも備えている。Aでは速球平均94マイル、スライダー&カーブは平均以上の変化量を記録した。一方で身体的な伸びしろがあまりないこと、癖のある腕のストロークをしていることが不安視されている。先発に残れるように実力を証明していきたい。

10.カーソン・ミルブラント(RHP)/Karson Milbrandt:19歳
(A)9.00ERA 2.0IP BB/9=4.5 K/9=4.5
〇速球 回転数 / △素材型 野球経験
22年ドラフト3巡目の高卒投手。バスケットボールとの二刀流だったためショーケースでの実績には乏しいが、潜在能力はピカイチ。低いリリースポイントから投げ込まれる90-94マイルの速球は最高で2900rpmに達するなどスピンレートは22年ドラフティーでもトップクラス。ライジングファストボール使いになり得る適性を見せている。Aでは2イニングのプレーながら平均94.1/スピンレート2614rpmを計測。しかも横変化10.8インチはMLBでもトップクラスの変化量だ。野球に専念した環境でどれだけ伸びるか。
(A/3A)103G 3HR 55BB 70K .263/.689
(MLB)17G 1HR 4BB 13K .262/.619
◯打撃 肩 / △守備 パワー 故障多い
18年ドラフト全体12位指名の選手だが、故障がちで芽が出ず、昨夏のトレードでTORから放出された。するとMIA移籍後の31試合でOPS.814と結果を出し、MLBデビューも経験した。ヒットツールは高評価も、低弾道傾向のため、ドラフト時に期待されたパワーツールを開花させられるかが鍵。守備はSSとしては守備範囲が不足しているため、3B向きとの見立て。

(2A/3A)133G 17HR 81BB 112K .261/.795
◯守備 選球眼 / △打撃
今年1月にミゲル・ロハスとのトレードでLADから加入。プラスのSSディフェンダーで、昨季は2A/3Aで自己最多の17本塁打を放つなど打撃面も成長中。打者としてはアプローチの良い中距離タイプで、2Aでも3Aでも四球率14%を記録。3A昇格後の三振増が気になるものの、8月以降は46試合でOPS.854、wRC+119と適応してみせた。守備では19、21年とBaseball prospectusの出す守備指標RDAでマイナスだったが、昨季はSSで+1.0と持ち直した。ロハスの後釜として正SSを狙う。

13.カリル・ワトソン(SS/2B)/Kahlil Watson:19歳
(R/A)88G 10HR 32BB 132K .233 .306 .406 .712
◯5ツール / △素材型 守備 メークアップ / ✖コンタクト
21年ドラフト1巡目指名の高卒選手だが、22年はAで三振率35.5%と打撃能力の脆さを露呈し、
大きく評価を落とした。それでも7月1日以降は30試合でOPS.882、wRC+146、課題の三振率も27.0%まで改善させるなど調子を上げていたので来季どうなるか。走力の評価はプラスだが、フットワークに課題があり、Baseball prospectusの出す守備指標RDAは-2.6だった。俊足を生かしてCF転向の可能性もある。

14.イアン・ルイス(2B)/Ian Lewis:20歳
(A)51G 2HR 22BB 45K .265/.715
◯コンタクト 走力 / △素材型 2B向き ゴロ多い  
バハマ出身プロスペクトで、同じくバハマ出身で現在MLBで活躍するジャズ・チザム(MIA)を連想させる内野手。速球に強く、小柄ながら素早いスイングでライナーを量産する。Aでは19歳ながらwRC+106と健闘。守備は長い目で見ると2B向きとされているが、平均以上のスピードと小回りの利く俊敏性から内野にはとどまれるだろうとの見立て。守備で大きく貢献を生み出せるわけではないので、低弾道を改善して長打を増やせるか。

15.ゼビアー・エドワーズ(IF)/Xavier Edwards:23歳
(3A)93G 5HR 43BB 75K .246/.678
◎スピード / ◯守備 コンタクト / ✖パワー
昨年11月に40人枠を整理するためのトレードでTBから放出された。22年開幕時点では、マイナー通算247試合で1本塁打と完全なパワーレスながら打率.320をマークしていたが、22年はスランプ。三振率18.8%はキャリア最低だった。また7盗塁/4失敗とダブルプラス評価の走力も生かせなかった。現状では良くて内野のユーティリティーという印象。

FV40-

16.マルコ・バルガス(3B)/Marco Vargas:18歳
(DSL)53G 2HR 35BB 32K .319/.877
◯コンタクト / △素材型
DSLではwRC+139、四球率15.8%/三振率14.5%と印象的なパフォーマンス。スムーズなスイングでコンタクト能力とアプローチに優れる。守備は3Bを中心に2B/SSでもプレー。長い目で見ていきたい。
(2A)5.65ERA 94.0IP BB/9=5.0 K/9=9.7
◯カーブ 奪三振 / △チェンジアップ コマンド
20年ドラフト3巡目。20年ドラフティーNo.1と評されたカーブが武器で、90-94マイルの高スピンの4シームとのコンビネーションで三振を量産する。しかし2Aでは通算134イニングでBB/9=4.8と制球難が深刻。チェンジアップの平凡さ、マックスで投げるフォームも含めてリリーフ転向が濃厚だろう。

18.ジョージ・ソリアーノ(RHP)/George Soriano:24歳
(2A/3A)2.72ERA 76.0IP BB/9=4.7 K/9=10.1
◯速球 スライダー / △リリーフ転向 / ✖コントロール
ルイス・カスティーヨ(SEA)風のサイド気味のスリークォーターから平均97マイルのツーシーム&変化量大のスライダーで空振りを量産する豪腕。2Aでは6先発/防御率3.10と好投もBB/9=5.3と制球難が克服されず、3Aではリリーフ起用となった。セットアップ以上が狙える素質だ。

19.
ナシム・ヌネス(SS)/Nasim Nuñez:22歳
(A+/2A)123G 2HR 95BB 139K .251/.701
◯守備 走力 / △打撃 / ✖パワー
打撃力には乏しいが、SS守備はゴールドグラブ級と絶賛されている。それでも昨季はGB%を60%から48%に、FB%を9.9%から23.7%に改善させるなどフライ性の打球を打てるようになり、長打を増やすことに成功した。昨季までMIAでプレーしたミゲル・ロハスのような守備型レギュラーもしくはユーティリティーが適任だろう。

(2A/3A)3.97ERA 68.0IP BB/9=4.5 K/9=14.8
◯スライダー 対左打者 / △コントロール リリーフ専門
リリーフプロスペクト。大きく横に曲がるスライダーが最大の武器で、対左被OPS.557と左キラーぶりが光る。速球のレンジも92-96マイルとMLB基準でも及第点。コントロールをもう少し改善できればブルペンで起用できるだろう。

Sleeper Prospects

ルイス・パラシオス(LHP)/Luis Palaciosz:22歳
(A/A+/2A)4.17ERA 131.2IP BB/9=1.1 K/9=8.5
◯チェンジアップ コマンド / ✖球速
速球は平均89マイルだが、抜群のコマンド能力と投球の半数以上を占めるチェンジアップをを武器に打者を翻ろうする。理想像はタイプの似ているネスター・コルテス(NYY)だが、コルテスのようにパワーレスを脱却できるか。

ジャレッド・ポーランド(RHP)/Jared Poland:23歳
(R/A)1.42ERA 12.2IP BB/9=3.6 K/9=7.8
◯変化球 回転数 / △速球
大学2年までは二塁手との二刀流でプレーしていたアスリート。大学4年にして15先発で防御率3.46と結果を出して6巡目でドラフト指名を受けた。速球は平均91.7マイルだが、スピンレート2358rpm、縦変化&横変化ともに平均以上と特徴のあるボール。また横に大きく滑るスイーパー系のブレーキングボール、シュート方向に逃げるチェンジアップはいずれも平均以上のボールになる可能性あり。掘り出し物になるか。

(R)13G 3HR 5BB 8K .256/.822
◯コンタクト / △守備位置
22年ドラフト16巡目。コンタクト能力を最も評価されているが、筋肉質な体型でパンチ力あり。プロでは13試合で3本塁打とパワーを見せつけた。また走者としての能力も買われており、隙があれば盗塁を狙える。大学では2B/3Bを守ったが、プロでは1B中心の起用だった。外野向きと見るスカウトもおり、来季はどこを守るか。

(R/A)35G 4HR 11BB 36K .266/.773
◯パワー / ✖守備走塁
22年ドラフト14巡目。パワーの評価が高く、R/AではwRC+121と平均を上回るパフォーマンスをみせた。また少ないサンプルではあるが、全打球のうち上位90%の打球速度は104マイルとMLBでも上位レベルの優秀な数値だった。打ちまくって評価を上げるしかない。

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