2023年2月11日土曜日

2023 TEXAS RANGERS TOP 20 PROSPECTS

2023 TEXAS RANGERS 

TOP 20 PROSPECTS

Evan Carter

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.エバン・カーター(OF)/Evan Carter:20歳
(A+/2A)106G 12HR 64BB 81K .295/.885
◎打撃 / 〇走力 CF守備 / △素材型
Baseball Americaのドラフトトップ500にも入っていなかったが、20年ドラフト2巡目でTEXが指名。スムーズなスイングで打撃の才能が抜きん出ており、攻守のポテンシャルをブランドン・ニモ(NYM)と比較される。22年はA+でwRC+136とブレーク。BB/KやLD%&FB%も優秀であり、あとはパワーをどれだけ伸ばせるか。守備ではCFに残れるだけの走力&守備能力を有する。
Evan Carter


FV50

2.
ジョシュ・ヤング(3B)/Josh Jung:25歳
(3A)23G 6HR 4BB 30K .273/.846
(MLB)26G 5HR 4BB 39K .204/.654
〇パワー 対左投手 / △3B守備 アプローチ
19年ドラフト1巡目。完成度の高いヒットマシーンとの見立てだったが、22年は突如として一発屋タイプに変貌。3Aで四球率3.8%、MLBでも3.9%とアプローチを崩してしまった。それでも限られた試合数で本塁打を量産し、特に対左投手に限れば3A/MLBで平均打球速度90マイル、95マイル以上の打球割合42.9%を計測するなどパワーを発揮していた。アプローチの修正と平均以下の三塁守備の向上がMLB定着に向けた課題となるだろう。
Josh Jung

(A+/2A)3.59ERA 80.1IP BB/9=2.6 K/9=11.7
◯速球 コマンド 4球種 運動能力 / △耐久面
18年ドラ2。19年はTJ手術、20年はコロナ休止、21年は手の骨折と度重なる不運に阻まれていたが、22年はようやくブレーク。90マイル中盤のライジングファストボールを主体に4球種をコマンド良く扱う完成度の高い投球を見せた。投球能力はローテーション3-4番手相当だが、プロ5年で通算115.2イニングと耐久面が心配
(A+/2A)91G 11HR 51BB 96K .277/.795
◯パワー 走力 / △アプローチ 肩
ロナルド・アクーニャ(ATL)の弟。体は大きくないが、ゆったりとした一本足打法から素早く力強いスイングでライナーを量産する姿は兄と重なるものがある。兄のような傑出したポテンシャルはないが、20歳にしてA+でwRC+149を記録するなど好成績を残している。一方でアプローチの荒さからゴロ率が高く、2AではwRC+68と苦戦した。40盗塁(9失敗)を決めるなど走者としては平均以上だが、守備面はMLBでは2B向きとの見立て。それでも2A昇格後は失策を大幅に減らし、Baseball prospectusの出す守備指標RDAも-1.5から+1.4に改善するなど進歩が見られた。
Luisangel Acuna


(2A)101G 15HR 45BB 66K .288/.850
◯打撃 / △走力 守備
20年ドラフト1巡目指名。パワーとアベレージを両立した攻撃型二塁手。22年はホームランよりもラインドライブ中心のアプローチに切り替え、三振率を前年の27.0%から14.3%にまで改善させるなど、打撃の安定感が増した。一方で平均以下の守備力から将来はLF転向の可能性もある。

6.ブロック・ポーター(RHP)/Brock Porter:20歳
◯速球 チェンジアップ / △素材型
22年のMLBドラフトリストでは投手トップの11位にランクインしていた大器。進学の可能性からスリップしたが、4巡目としては史上最高額となる契約金370万ドルでプロ入りした。90マイル中盤の速球とブレーキの利いたチェンジアップのコンビネーション。とはいえ全体的に磨かれる必要があり、完成には時間がかかるだろう。

FV45

(2A)5.54ERA 92.2IP BB/9=5.4 K/9=10.6
〇速球 / △耐久面 フライボーラー / ✖コントロール
21年ドラフト全体2位指名。凄まじいノビを誇るMAX99マイルの速球が武器のパワーピッチャーで変化球も切れる。しかしプロではコマンド難に苦しみ、期待外れのパフォーマンス。また先発投手としてはアンダーサイズであり、与四球の多さも含めて耐久面を証明していく必要がある。それでもいきなり2Aでデビューさせられた点、ライターがプレーした2Aは打高の環境であり、BABIP.320と被安打が多かった点からバウンスバックの望みはまだある。
Jack Leiter


8.アーロン・ザバラ(OF)/Aaron Zavala:23歳
(A+/2A)111G 16HR 89BB 108K .277/.873
◯打撃 / △パワー 対左投手 
21年ドラフト2巡目。コンパクトなスイングでラインドライブを量産する中距離打者で、ヒットツールがプラス評価。現段階でのパワー評は平均以下だが、打球速度の優秀さから覚醒の可能性あり。対右投手に対してはOPS.968、71BB/61Kを記録している一方で、対左投手に対しては126打席でOPS.587、18BB/41Kと別人のような内容。両翼タイプとしてはパワーが平均以下な点と左投手を苦手にしている点からレギュラーよりもプラトーンが適性か。
(A+/2A)103G 15HR 30BB 97K .312/.868
◯打撃 / △守備
20年ドラフト5巡目の高卒SS。素手でバットを構え、無駄のないスムーズなスイングで左右にラインドライブを量産する。22年はA+/2AでwRC+131と印象的なパフォーマンス。特に7月1日以降は150とさらに素晴らしい内容だった。四球率6.8%とフリースインガー気味な点と守備位置が不透明な点がネック。不動のレギュラーよりも攻撃型のユーティリティー向きか。
Thomas Saggese


(2A)85G 17HR 42BB 74K .257/.817
〇打撃 走力 / △守備 肩
コンパクトかつ力強いスイングでバレル性の打球を量産する打撃が売り。
21年はマイナーで本塁打、二塁打、盗塁の「20-20-20」を達成している。22年は打高な環境だったため、リーグ平均との傑出度を示すwRC+は107と平均をやや上回る程度にとどまった。守備では昨季からLFメインに転向。走力は十分も全体的な守備評価は平均以下となっている。

11.イェイソン・モロブル(OF)/Yeison Morrobel:19歳
(R/A)49G 3HR 20BB 40K .315/.846
◯打撃 肩 / △素材型 両翼向き
21年1月に契約金180万ドルで入団した原石。成熟したアプローチでコンタクトを量産する打撃ポテンシャルが高評価で、昨季はRでwRC+140を記録した。ISO.140のパワー面をどれだけ伸ばせるかが鍵。プロ入り時はCFも、すでに両翼での出場が増えており、今後体格が成熟してくればコーナーに落ち着くことになるだろう。

12.
クマー・ロッカー(RHP)/Kumar Rocker:23歳
◯速球 スライダー / △コマンド コンディション面
バンダービルト大では7位のジャック・ライターと共にWエースで活躍。21年に全体10位でメッツに指名されたが、身体検査の結果を巡って破綻。不運にもその後、肩の手術を受けて22年は独立リーグで20イニングのプレーにとどまった。MAX99マイルの速球と80マイル中盤のスライダーがプラスピッチ候補。平均的なコマンドからクローザー向きとの見方も。大学時代のコンディションを取り戻せるか。

(DSL/R)45G 4HR 11BB 34K .308/.835
◯パワー 肩 / △素材型 コンタクト
22年1月に契約金197万ドルで入団した原石。荒削りながらプラスのパワーポテンシャル&CFに残りうる走力を兼ね備える5ツール候補。完成には多くの時間を要するタイプであり、長い目で見守っていきたい。

14.テコア・ロビー(RHP)/Tekoah Roby:21歳
(A+)4.64ERA 104.2IP BB/9=3.0 K/9=10.8
◯速球 カーブ / △素材型 体格
20年ドラフト3巡目の高卒右腕。身長6フィート1と体格はそこまでではないが、高スピンの4シーム&カーブを武器にマイナー2年でK/9=11.4と奪三振を稼いでいる。チェンジアップは発展途上だが左打者の外角低めに逃げていく軌道で、経験を積んで安定感が磨かれば、良い第3球種になるだろう。22年はHR/9=1.6と一発病に泣き、防御率4.64と今一つな結果だったが、リーグ平均よりも3歳若かった点を考慮すれば、悲観する必要もないだろう。

FV40

15.アレハンドロ・オスーナ(OF)/Alejandro Osuna:20歳
(A/A+)97G 9HR 42BB 68K .302/.805
◯コンタクト / △素材型 パワー 両翼向き
ロベルト・オスーナ(ソフトバンクホークス)の弟。打撃のポテンシャルは、同じくメキシコ出身のアレックス・バードゥーゴ(BOS)と比較されている。コンパクトなスイングでゾーンコントロール&高フライボール率を両立。LF向きの守備力と両翼選手としてはパワー不足な点がネック。コンタクト能力は良いだけに、パワーを開眼できるかがポイントとなりそうだ。

16.
コール・ウィン(RHP)/Cole Winn:23歳
(3A)6.51ERA 121.2IP BB/9=6.4 K/9=9.1
◯4球種 / △22年スランプ
18年ドラフト1巡目の高卒右腕。21年はフューチャーズゲームの先発マウンドを託されるなどブレークを飾ったが、22年は後退。足首に打球が直撃したことが原因でメカニクスを崩してしまった。本来であれば4球種をコマンドよく投げ分ける投球能力の高い右腕。21年のような投球ができればローテーション投手になれる可能性があるが、現状のままではデプス止まりだろう。

17.ミッチ・ブラット(LHP)/Mitch Bratt:18歳
(A)2.45ERA 80.2IP BB/9=3.1 K/9=11.0
◯3球種 / △素材型 球威
21年ドラフト5巡目。球威は突出していないが18歳にしてAで好投した点は評価したい。90マイル前半の速球&
カーブ&チェンジアップを効果的に織り交ぜることができる完成度の高さが売り。エースというよりはローテーション下位向きのポテンシャル。

18.グレイダー・フィグエロ(3B)/Gleider Figuereo:19歳
(R/A)41G 9HR 17BB 41K .269/.899
◯パワー 肩 / △素材型 エラー多い
21年に契約金8万ドルで入団の原石タイプ。ホットコーナーにふさわしいパワーと肩力を兼ね備えている。Rではフライ率41%とフライボールを量産し、35試合で9本塁打・wRC+152とよく打った。3B守備は30試合で11失策、守備率.853と安定感を磨いていく必要があるも、肩力やフットワークの評価は悪くない。
(A/A+)3.14ERA 103.1IP BB/9=2.7 K/9=10.0
◯スライダー / △第3球種
パンデミックにより5巡までに短縮された20年ドラフトからは漏れて、ドラフト外として入団したが、昨季はA/A+で防御率3.14・K/BB=3.71と好投を見せた。サイド気味のスリークォーターから93マイル前後のシンカー&80マイル中盤のスライダー。制球もまとまっており、ローテーション下位~ロングリリーフ向き。
(2A)5.01ERA 118.2IP BB/9=2.5 K/9=9.4
◯コマンド チェンジアップ / △球威
21年にA+/2Aで96.1回を投げてK/BB=6.10を記録したコマンドが持ち味のテクニカル左腕。クリーンなフォームから90マイル前半の速球とプラスのチェンジアップでピッチトンネルを通す。ハイフロアーではあるが、マイナー2年で防御率4.60止まりであり、ローテーション5番手のイニングイーターor6番手以降のデプス要員が適性か。

Sleeper Prospects

(A+/2A)3.64ERA 118.2IP BB/9=2.4 K/9=10.3
◯緩急 / △球速
ポール・セワルド(SEA)と比較される幻惑投球が持ち味の投手。90マイル前半のシンカーを軸に、緩い変化球や高めの4シームで打者の的を絞らせない。圧倒的な球威があるわけではないため、ローテーション5番手からロングリリーフが適性か。

(R/A)54G 9HR 28BB 82K .236/.831
〇運動能力 / △素材型 / ✖コンタクト
21年ドラフト11巡目。発展途上ながら傘下トップクラスのアスリートであり、「20-20」を狙えるパワー&スピードの持ち主。Rでは38試合でwRC+146と目立ったパフォーマンス。ポテンシャルを発揮するために、三振率38%のコンタクト面を改善していきたい。

エチェドリー・バルガス(SS)/Echedry Vargas:18歳
(DSL)54G 4HR 13BB 27K .301/.878
◯コンタクト / △素材型
契約金1万ドルで入団と決して評価の高い選手ではなかったが、コンタクト能力に優れており、DSLではwRC+131と結果を出した。フリースインガーな点を修正していきたいところ。守備ではSSが本職だが、3B/2Bでも出場。長い目で見ると2Bや3Bが適性と見られている。

0 件のコメント:

コメントを投稿