2023年1月21日土曜日

2023 HOUSTON ASTROS TOP 20 PROSPECTS

2023 HOUSTON ASTROS

TOP 20 PROSPECTS

Hunter Brown

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.ハンター・ブラウン(RHP)/Hunter Brown:24歳
(3A)2.55ERA 106.0IP BB/9=3.8 K/9=11.4
(MLB)0.89ERA 20.1IP BB/9=3.1 K/9=9.7
◎速球 / 〇カーブ 即戦力 / △コマンド 
ホップ型のMAX100マイルの4シームとプラスの縦カーブのコンビネーションで打者を制圧する豪腕。第3球種として平均93マイルの高速スライダー、第4球種にはほとんど投げないがスプリットチェンジも交える。22年は課題のコマンドに改善が見られ(21年のBB/9は4.5だった)、MLBでも防御率0.89と好デビュー。あとはMLBで先発としての力を証明するだけだ。
Hunter Brown

FV50

2.ヤイナー・ディアズ(C/1B)/Yainer Diaz:24歳
(2A/3A)105G 25HR 34BB 79K .306/.898
◯打撃 パワー / △守備 / ✖走力
プラスのパワーとマイナー5年で打率.321のコンタクト力を兼ね備えた攻撃型捕手。フリースインガーで高出塁率が見込めない点と捕手としての守備力に疑問符が付く点が不安材料。1Bで36試合、DHで10試合に出場するなどすでに捕手以外の出番が増えており、捕手としてどれだけプレーできるかが争点となるだろう。

FV45

3.ドリュー・ギルバート(OF)/Drew Gilbert:22歳
(R/A)10G 2HR 4BB 2K .313/.937
◯オールラウンド / △体格 パワー
22年ドラフト1巡目。走攻守揃ったオールラウンダーであり、レギュラーCFになり得るポテンシャルを有する。打撃ではアプローチ良くバレル性の打球を量産できるが、5-9/185と小柄ですでに完成された体格から将来的なパワーには懐疑的な声も多い。
Drew Gilbert


4.
コリン・バーバー(OF)/Colin Barber:22歳
(A+)63G 7HR 30BB 57K .298/.857
◯打撃 走力 メークアップ / △素材型 両翼向き 故障がち
19年ドラフト4巡目の高卒選手。プラスヒッターになり得るポテンシャルに加えて、
ある球団オフィシャルがアレックス・ブレグマンと比較するほどの勤勉なメークアップを備える。一方でプロ4年で110試合の出場にとどまるなど故障がちである点が懸念事項。まずはシーズンを通してプレーできることを証明する必要がある。

(R/A)23G 4HR 11BB 26K .261/.819
◯パワー 走力 / △コンタクト
22年ドラフト2巡目。パワーとスピードを兼ね備えたダイナミックなCF候補。一方で動きの多い打撃フォームと荒っぽいアプローチからプロレベルへの対応力に疑問を持たれている。守備はCFを中心に、外野3ポジションどこでもフィットするとの見立てだ。
(3A)104G 10HR 80BB 103K .298/.898
(MLB)16G 1HR 5BB 6K .345/1.027
◯打撃 アプローチ / △年齢 2B向き?
18年ドラフト26巡目の無名選手だったが、22年は3AでwRC+130とブレークを果たし、MLBでも16試合でwRC+194と打ちまくった。コンタクト&選球眼に優れた中距離タイプだが、優秀な打球速度からパワーも覚醒の可能性あり。守備は飛び抜けてはいないが、内野全ポジションをプレー可能であり、ユーティリティーに適任だ。
(2A/3A)124G 24HR 51BB 134K .302/.942
◯パワー 肩 / △両翼向き? コンタクト
20年にドラフト外で入団の無名選手だったが、レギュラーポテンシャルにまで評価が上昇。広角に長打を打てるパワー&フライボールを量産できる打撃技術を兼備しており、走力&肩も平均以上でCF適性あり。2AではOPS1.027・wRC+157と打ちまくったが、3Aでは四球率7.3%/三振率28.2%とアプローチを乱してOPS.703・wRC+73と成績ダウン。選球眼や打席での辛抱強さを磨いていきたい。
Justin Dirden


8.
コリー・リー(C)/Korey Lee:24歳
(3A)104G 25HR 36BB 127K .238/.790
(MLB)12G 0HR 1BB 9K .160/.432
◎肩 / 〇パワー / △捕球 / ✖コンタクト
19年ドラフト1巡目。攻守に荒さは残るが、プルサイドへのパワーと20-80スケールで70評価のキャノンアームが自慢。22年は3Aで25本塁打を放ちMLBデビューを果たしたが、低打率な打撃スタイルから守備面の成長がレギュラー定着の鍵を握るだろう。フレーミング&レシービングいずれも課題があり、ここ2シーズンで128試合マスクをかぶってパスボール25個。マイク・ズニーノ(CLE)が比較対象か。

FV40

9.スペンサー・アリゲッティ(RHP)/Spencer Arrighetti :22歳
(A+/2A)4.73ERA 106.2IP BB/9=4.6 K/9=12.8
◯速球 カーブ / △コマンド
バーチカルアプローチを活用して高い奪三振能力を見せる右腕。低く打者寄りのリリースポイントから放たれる93マイル前後のライジングファストで空振りを量産する。スライダーもプラスピッチ候補の決め球で、第3、第4球種としてカーブ、チェンジアップも扱う。コマンドの悪さから長く輝けるのはリリーフか?

10.コルトン・ゴードン(LHP)/Colton Gordon:24歳
(R/A/A+)2.35ERA 53.2IP BB/9=1.3 K/9=13.1
◯速球 コマンド / △耐久面 球速
21年ドラフト8巡目。ドラフト前にTJ手術を受けてスリップしたが、22年は復帰すると、53.2イニングという限られたサンプルではあるが、防御率2.35・K/BB=9.75と素晴らしいコマンド能力を披露した。速球の球速は89-92マイル程度ながら、低リリースを生かしたライジング軌道で空振りを奪え、変化球3種でタイミングも外せる。実力は十分なだけに、1年間ローテーションを守れる耐久面を証明していきたい。

(2A)5.01ERA 73.2IP BB/9=6.2 K/9=13.0
◯速球 / △体格 / ✖コントロール
同じメキシコ出身であるホセ・ウルキディ(昨季HOUで13勝の先発投手)と比較される右腕。5フィート8の低身長を利用した低いリリースポイントから91-93マイルのライジングファストボールを高めに集めて空振りを量産する。投球能力は高いだけに、与四球の多さと耐久面の問題を克服できるかが先発に残るためのポイントだろう。22年の成績は良いものではないが、リーグ平均より4.5歳若い点を加味した。
Jaime Melendez


(R/A)25G 2HR 22BB 31K .247/.815
〇打撃 / △守備 走力 素材型
22年ドラフト11巡目の高卒選手。名門バンダービルト大への進学が内定していたためスリップしたが、2巡目後半相当となる契約金113万ドルで入団を決めた。高校屈指の好打者として知られ、華麗なスイングでパワーとアベレージを両立した打者になり得る。走守の評価は平均以下で守備はコーナー向きなため、打撃で実績を残してから評価したい。

13.ミゲル・ユローラ(RHP)/Miguel Ullola:21歳
(A)3.25ERA 72.0IP BB/9=6.9 K/9=15.0
◎速球 / ✖コントロール
MAX98マイルのライジングファストが強烈で、大きく伸び上がる軌道で打者の空振りを量産する。被打率.155・三振率38%と抜群の支配力を示す一方でコントロールの悪さが課題である点からHOU傘下出身のクリスチャン・ハビアーと比較されている。先発に残るにはコントロールを改善する必要があり、制球がもう少し改善されてから評価したい。
(A/A+)117G 10HR 67BB 98K .261/.767
◯打撃 / △パワー 守備
元MLB選手ビリー・ワグナーの息子。ゾーン理解が深く、打者として洗練されている。四球率13.5%/三振率19.7%とアプローチ面は申し分なく、ISO.133と平均的なパワー面を伸ばせれば一気に評価を上げられるだろう。完成された打撃面とは対照的に、守備面は不透明。2Bで53試合、3Bで37試合、1Bで20試合に出場しており、将来的な守備位置が定まっていない。

15.ミサエル・タマレス(RHP)/Misael Tamarez:23歳
(2A/3A)4.30ERA 121.1IP BB/9=5.2 K/9=10.5
◯速球 / ✖コントロール
19歳でプロ入りと一般的な国際アマチュアFA選手としては遅咲きで、契約金も1万5千ドルと格安だったが、22歳のシーズンで3Aまで到達するなど急成長を遂げている。MAX99マイルのライジングファストで空振りを量産し、スライダー&チェンジアップも平均的。平均以下のコントロールを改善できるかが先発に残れるかを左右するだろう。

16.
ペドロ・レオン(OF/SS)/Pedro Leon:25歳
(3A)115G 17HR 71BB 145K .228/.796
〇走力 肩 / ✖コンタクト
キューバ国内リーグでは、20歳のシーズンでOPS1.256をマークし球宴に選出。その後亡命して契約金400万ドルでアストロズに入団した。プラスの走力&強肩を備えた運動能力の高い選手で、ルート取りに難があるがCF適性あり。打撃ではパワーと選球眼が強みだが、マイナー通算三振率29.4%とコンタクト難で低打率がネック。30%近い三振率で大成したのは近年だとジョーイ・ギャロぐらいであり、不動のレギュラーというよりプラトーンor控え外野手向きだろう。

17.ケネディ・コロナ(OF)/Kenedy Corona:23歳
(A/A+)107G 19HR 49BB 106K .278/.857
〇5ツール / △コンタクト
パワーとスピードを兼ね備えた5ツール候補で、22年はスイング改善が功を奏して19本塁打・28盗塁とブレーク。年上選手の揃うA+昇格後もOPS.871・wRC+135と好成績を残した。守備評価も高く、Baseball Prospectusの出す守備指標FRAAでは+7.1を記録した。2Aの壁を越えられるか。

18.ジョーイ・ロパーフィード(OF/1B)/Joey Loperfido:24歳
(A/A+)108G 12HR 53BB 101K .316/.900
〇打撃 / △守備
打撃能力が高く、高打率&高出塁率が強み。打撃成績の傑出度を示すwRC+はAで142、A+で166を記録した。シンプルなスイングで広角にライナーを量産し、選球眼にも優れている。また走塁でも32盗塁を決めた。一方で守備評価は高くなく、MLBではLF/1B向きとも。

19.
アンドリュー・テイラー(RHP)/Andrew Taylor:21歳
〇速球 / △変化球
22年ドラフト2巡目の大学生右腕。球速は90-91マイルほどだが、高スピンのライジングファストボールを武器に空振りの山を築き、大学では21-22年の2シーズンでK/9=12.7を記録した。速球が投球の8割近くを占めており、変化球の向上が今後の課題。第2球種はチェンジアップで、スライダー&カーブは平均以下の評価。
(A)86G 15HR 47BB 110K .253/.832
◯5ツール / ✖コンタクト
ヒットツールに課題があるも「20-20」が狙える5ツールタイプ。肩力や守備力も平均以上の評価で、完成型はドリュー・スタッブス(元COL他)。22年はAでwRC+で129と順調なフルシーズンを送った一方で、リーグ平均よりも1.3歳年上だったこと、三振率29.6%とコンタクト難であることが不安材料。

Sleeper Prospects

◯コマンド / △球威
22年ドラフト4巡目の大学生。速球はMAXでも93マイル止まりだが、スポットへ投げ分けるコマンドが武器。速球とスライダーが全投球の約8割を占め、カーブ&チェンジアップを時折織り交ぜる。先発に残るにはもう数マイル球速を伸ばしたいところ。

(A/A+/2A)119G 17HR 76BB 100K .280/.857
◯コンタクト 走力 守備 / △パワー 年齢
21年ドラフト5巡目。打高な環境&年齢の高さから成績については差し引いて考える必要があるものの、コンタクト&アプローチ面に優れている。A/A+では年下選手を相手に圧倒したが、2AではOPS.661と苦しんだ。守備はCFを中心に外野3ポジションをこなせる。来季25歳とプロスペクトとしては高齢であり、2Aの壁を破れるか。

J.C. コレア(C/IF)/J.C. Correa:24歳
(A+)105G 8HR 37BB 36K .309/.810
◯コンタクト ユーティリティー性 / △体型 パワー 走力
カルロス・コレアの弟。20年にドラフト外で入団。大学時代から内野の様々なポジションで出場していたが、22年は捕手に挑戦。65試合マスクをかぶった。打撃はラインドライブを量産するタイプで、マイナー2年で打率.310を記録している。6-0/219とずんぐりな体型で、兄のようなアスリート性はないが、スリーパーとして注目したい。

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