2023年1月7日土曜日

2023 MINNESOTA TWINS TOP 20 PROSPECTS

2023 MINNESOTA TWINS

TOP 20 PROSPECTS

Royce Lewis

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。

FV55

1.ロイス・ルイス(SS)/Royce Lewis:24歳
(3A)34G 5HR 18BB 32K .313/.940
(MLB)12G 2HR 1BB 5K .300/.867
◯パワー 走力 メークアップ 守備 / △健康面
21年を右ひざの前十字靭帯断裂で全休したが、22年は復帰してMLBでもOPS.867と良く打ったが、再び前十字靭帯を断裂してシーズン終了となった。MLBでは限られたサンプルながら平均打球速度90.7マイル、MLB上位6%となるMAX打球速度114マイルを計測するなどパワーポテンシャルを披露。3AでもMLBでも3割以上の打率を記録するなどヒットツールへの不安も払拭した。守備もSSとして及第点であり、2BやCFに回ればプラスのディフェンダーになり得る。あとは健康に復帰できるか。
Royce Lewis
(A)47G 9HR 57BB 52K .272/1.044
◯打撃 パワー 肩 / △素材型 健康面 
19年に契約金250万ドルで入団した大器。パワーとゾーン理解に富んでおり、22年はAでwRC+196とズバ抜けたパフォーマンス。四球率28.6%と出塁マシーンぶりを発揮し、平均打球速度も90マイルを上回った。守備のセンスもよく、スピードも平均的でCF適性あり。しかし、体の成熟によって将来的にはコーナーがフィットするか。
Emmanuel Rodriguez

FV50

3.
ブルックス・リー(SS)/Brooks Lee:22歳
(R/A+/2A)31G 4HR 16BB 20K .303/.839
◎打撃 / △走力 3B向き?
22年ドラフト全体8位指名。卓越したヒットツールを示すスイッチヒッターで、大学3年間で打率.351・OPS1.073、BB>Kと素晴らしいパフォーマンスを見せている。6-3/205とすでにSSとしてはガッシリしており、今後打撃を生かすためにさらにビルドアップすることを考慮すると、3B転向は既定路線だろう。
Brooks Lee


4.マルコ・ライヤ(RHP)/Marco Raya:20歳
(A)3.05ERA 65.0IP BB/9=3.2 K/9=10.5
◯速球 スライダー カーブ / △素材型 スタミナ
20年ドラフト4巡目。肩の故障により21年は全休したが、22年は素晴らしいプロデビューを飾った。平均で93-95マイルの4シームに平均以上のスライダー&カーブと3球種がプラスピッチ候補。課題のチェンジアップもシーズンを通して向上の兆し。コントロールも平均的で、細身の体格からもアップサイド大。19試合投げて65球以上投げたのは6試合だけとスタミナ面が不透明。

(2A)113G 17HR 98BB 125K .300/.931
◎アプローチ / 〇打撃 / ✖守備
辛抱強いアプローチでラインドライブを量産する中距離バッター。22年は2AでwRC+144・四球率19.3%と傑出したパフォーマンスを披露するなど打撃面は申し分ない。一方で平均を大きく下回る守備力から、将来的な守備位置が不透明。1BやLFに回ることになるかもしれない。

FV45

6.
デービッド・フェスタ(RHP)/David Festa:23歳
(A/A+)2.43ERA 103.2IP BB/9=3.0 K/9=9.4
◯速球 チェンジアップ 体格 / △緩急
21年ドラフト13巡目。大学で86-88マイル程度だった速球が、プロでは平均95マイル/MAX99マイルにまで上昇。スピンレートも2400rpm超と球質も良い。この4シームを軸に87マイルのカッターと83マイルのチェンジアップという高速系の2球種を織り交ぜる。6-6/185と細身でビルドアップの余地を残しており、さらなる球速増も狙える。

7.ホセ・サラス(SS)/Jose Salas:20歳
(A/A+)109G 9HR 43BB 95K .250/.723
◯コンタクト 走力 / △素材型
ルイス・アラエスとのトレードで加入した1人。19年に契約金280万ドルで入団したベネズエラン。祖父、父、おじがベネズエラのプロ野球でプレーというサラブレッド。「20-20」を狙えるスイッチヒッターSSで、19歳のシーズンながらAでwRC+123と平均以上の打撃成績を残した。ビルドアップしてさらにパワーをつけたいところ。

8.コナー・プリーリップ(LHP)/Connor Prielipp:22歳
◎スライダー / ◯速球 / △TJ手術明け 実績
ドラフト一桁ピック候補にも挙がっていた大器だが、TJ手術により大学通算7登板・28イニングのプレーにとどまっているなど健康面に不安があり、2巡目にスリップした。健康であればMAX96マイルの4シームにダブルプラスのスライダーのコンビネーション。

9.
ルイ・バーランド(RHP)/Louie Varland:25歳
(2A/3A)3.06ERA 126.1IP BB/9=3.0 K/9=10.4
(MLB)3.81ERA 26.0IP BB/9=2.1 K/9=7.3
◯速球 即戦力 コントロール / 
MLB平均より15㎝低いリリース高を生かした平均94マイルのライジングファストを高めに、スライダー&チェンジアップを低めのコーナーに投げ分けるストライクスロワー。22年は課題であったスライダーが向上。MLBデビューを果たし、5先発で防御率3.81とまずまずの内容だった。

10.
マット・ウォルナー(OF)/Matt Wallner:25歳
(2A/3A)128G 27HR 97BB 170K .277/.953
(MLB)18G 2HR 6BB 25K .228/.709
◎パワー 肩 / ✖コンタクト
2A/3Aで三振率29.8%とコンタクト能力には乏しいが、メジャー/マイナーで計29本塁打を放ったパワーヒッター候補。MLBでは限られたサンプルながらMLB上位7%に入るMAX打球速度113.8マイルを計測。ハードヒット率53.1%はもし規定に乗っていればメジャー6位の高数値だった。「打率.230・35本塁打」が完成型か。
(A+/2A)83G 19HR 39BB 91K .278/.907
◯パワー / △走力 アプローチ
21年にAで平均打球速度91.5マイルを記録したパワーポテンシャルを発揮し、22年は打率、本塁打、OPSでいずれもキャリアハイ。しかし2A昇格後は三振率30.0%&グラウンドボール率57.5%といずれも悪化。アプローチ面を磨いていく必要があるだろう。
Yunior Severino


(2A)90G 2HR 47BB 54K .241/.683
〇コンタクト / △SS守備 パワー
20年ドラフト全体5位指名。ドラフトクラスではNo.1のピュアヒッターと評されていたが、22年は打撃不振で評価を落とした。守備面ではSSとしてドラフト指名を受けたが、大学では3BからCFにコンバートされるなど将来的なポジションが不透明。SSよりも外野向きと見るスカウトが多い。

FV40

(2A/3A)2.77ERA 107.1IP BB/9=3.0 K/9=9.6
(MLB)3.60ERA 5.0IP BB/9=3.6 K/9=5.4
◯球種 / △球威
20歳にして東京五輪の米国代表にも選ばれていた実力者だが、21年は球威ダウンに苦しんで防御率5.91とスランプ。22年は復活してMLBデビューも果たしたが、依然として球速のバラツキがあるのが不安材料。アングルの高いオーバースローから4シームを高めに、変化球を低めに投げ分けて的を絞らせない。

14.マット・カンテリーノ(RHP)/Matt Canterino:25歳
(R/2A)1.95ERA 37.0IP BB/9=5.6 K/9=13.1
◯4球種 奪三振 / △フォーム リリーフ向き? 耐久性
94-97マイルのライジングファストボールを軸に、右打者には縦にカクッと落ちるスライダー&カーブ、左打者には外角低めにチェンジアップを落として空振りを誘う。スペックはローテーション半ばクラスも、
目いっぱい力んで投げるフォームと肘の故障歴、プロ4年で通算85イニング、昨季の37イニングが最多という点からリリーフ転向を余儀なくされるだろう。
(3A)7.39ERA 70.2IP BB/9=4.5 K/9=9.7
◯速球 スライダー / △フォーム 球威低下 コマンド
「ベースボールアメリカ」のトップ100プロスペクト入り2回の有望株も、昨季は大スランプ。球威が低下し、ローテーション半ばクラスと評されていた実力を発揮できなかった。本来ならば6フィート5の長身を生かしたオーバースローから、95マイル前後の4シーム&キレのあるスラーブ&チェンジアップのコンビネーション。

16.
ヤッサー・メルセデス(OF)/Yasser Mercedes:18歳
(DSL)41G 4HR 18BB 35K .355/.975
◯5ツール / △素材型
22年1月に契約金170万ドルで入団の原石。パワーとスピードを兼ね備えたCF候補。現段階でのパワーはそこまでではないが、長身細身の体格から向上の余地を残す。DSLでの成績は圧倒的だったが、全体的に磨かれる必要があり、ハイリスクハイリターンな選手。

17.コール・サンズ(RHP)/Cole Sands:25歳
(3A)5.55ERA 61.2IP BB/9=3.5 K/9=10.5
(MLB)5.87ERA 30.2IP BB/9=3.8 K/9=8.2
◯コマンド カーブ / △球速
サイドに近い低めのスリークォーターからライジングファストを高めに、変化量の大きいカーブ&チェンジアップを低めに投げ分ける投球スタイルで空振りを奪う。21年に平均93マイル/MAX97マイルを計測した速球は、22年はMLBで平均91.6マイル止まりだった。球質は良いだけに、球威の回復が浮上の鍵となる。

18.ノア・ミラー(SS)/Noah Miller:20歳
(A)108G 2HR 76BB 110K .212/.627
◯守備 / △素材型 打撃 パワー
21年ドラフト全体36位指名。守備力を最も評価されており、長くSSでプレーできると疑う声は少ない。一方で打撃力を心配する声が多く、1AではOPS.627・wRC+92と平均以下の成績に終わった。まだスイングを固めている段階であり、長い目で見ていきたい。四球率16.2%・グラウンドボール率39.5%と打席でのアプローチは悪くない。

19.タナー・ショーブル(SS)/Tanner Schobel:22歳
(R/A)32G 1HR 19BB 26K .237/.651
◯オールラウンド / △パワー ツール
22年ドラフト2巡目。プラスツールは無いが、走攻守にオールラウンドでユーティリティー適性あり。21年は7本塁打・OPS.800から22年は19本塁打・OPS1.134と長打力が開眼。とはいえ、小柄な体格&本塁打がほとんど引っ張り方向ではあることからパワー評は平均以下にとどまる。守備は堅実であり、ルーティンプレーをしっかりこなすタイプ。

20.ホゼ・ロドリゲス(OF)/Jose Rodriguez:18歳
(DSL)55G 13HR 21BB 52K .290/.966
◯パワー / △素材型
22年1月に契約金65万ドルで入団の原石。フィジカルに恵まれた典型的なスラッガータイプで、守備位置はRFが適任と見られている。DSLではリーグトップの13本塁打を放つなど早速パワーをアピール。打席での荒さを取り除いていきたい。

21.
アレハンドロ・ヒダルゴ(RHP)/Alejandro Hidalgo:20歳
(A)4.62ERA 39.0IP BB/9=4.4 K/9=13.4
〇チェンジアップ / △素材型
ジオ・アーシェラとのトレードで今オフにLAAから加入。再現性の高いフォームから90マイル前半の速球、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。中でもチェンジアップの質が抜群で、Aでは多くの空振りを奪った。6-1/160と細身であり、速球のパワーアップが今後の課題だろう。

FV40-

(DSL)51G 1HR 25BB 27K .344/.838
◯走力 コンタクト / △素材型 パワー
ルイス・アラエスとのトレードで獲得した1人。22年に契約すると早速DSLでwRC+134と好パフォーマンス。運動能力の高さを買われており、伸びしろが大きい。スムーズなスイングのスイッチヒッターで、守備でもCFに残れる可能性を示す。長い目で見ていきたい。

Sleeper Prospects

ブレント・ヘッドリック(LHP)/Brent Headrick:25歳
(A+/2A)3.32ERA 108.1IP BB/9=2.1 K/9=11.3
〇奪三振 体格 / △球速 年齢
マイナー3年でK/9=11.6をマークしている6-6/235の大型左腕。大学時代に80マイル後半だった速球はアベレージで91-92マイル、MAX94マイルにパワーアップ。高めの速球と低めのスライダーのコンビネーションで空振りを奪う。

コディ・ロイヤーソン(RHP)/Cody Laweryson:25歳
(A+/2A)1.62ERA 94.2IP BB/9=2.6 K/9=10.6
〇コントロール / △球速 
22年は先発で10試合、リリーフで25試合に登板して防御率1.62とブレーク。ギクシャクした癖の強いフォームから、89-91マイルのライジングファストと70マイル台のカーブをスポットに投げ分けて空振りを誘う。マイナーでのスタッツは申し分ないが、先発としてはさすがに球威不足か。

(A/A+)3.80ERA 71.0IP BB/9=4.6 K/9=14.1
〇スライダー / △コントロール チェンジアップ 
21年ドラフト19巡目と下位指名の出身だが、22年はK/9=14.1と空振りを量産する印象的なパフォーマンス。平均92-93マイルでスピンレート2500rpm超えのシンカーと平均スピンレート2600rpm前後のスライダーはいずれも高い空振り率を誇る。しかし、チェンジアップをほとんど投げず、コントロールも悪いので、将来はリリーフ転向か。

(A)109G 12HR 34BB 136K .239/.727
◯パワー / △走力 素材型 / ✖コンタクト
20年ドラフト5巡目ながらパワーツールは高校生屈指と評判だった。ダブルプラスのパワーポテンシャルを秘めているが、A
で三振率32.5%とヒットツールに課題があり、アプローチを磨いて打撃の才能を開花できるかがポイント。高校ではCFも、平均以下の走力&すでに成熟した体格からプロでは早くも両翼に回っている。

(DSL)43G 0HR 20BB 36K .310/.803
◯コンタクト 肩 / △パワー 素材型
ロナルド・アクーニャ(ATL)の弟で、22年に契約金65万ドルで入団した。兄似の滑らかなスイングでライナー性の打球を量産するコンタクト能力がベストツール。パワー&走力の評価は平均~平均以下で、肩の強さが平均以上のツール。
15位のメルセデス、19位のロドリゲスと並んで来季のブレークに期待したい10代選手だ。

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