2023年1月14日土曜日

2023 OAKLAND ATHLETICS TOP 20 PROSPECTS

2023 OAKLAND ATHLETICS

TOP 20 PROSPECTS

Tyler Soderstrom

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は23年6月30日見込みのもの。


FV55

1.タイラー・ソダーストロム(C/1B)/Tyler Soderstrom:21歳
(A+/2A/3A)134G 29HR 40BB 145K .267/.825
◎打撃 / 〇パワー / △守備
20年ドラフト1巡目指名。パワーとアベレージを両立した打撃のポテンシャルが高く評価されており、22年はOAK傘下トップの29本塁打を記録した。打撃能力に疑問は少ないが、課題を挙げるとすれば四球率7.2%/三振率26.1%のアプローチ面か。
発達した打撃面と対照的に、捕手としての守備力はかなり怪しく、外野や一塁転向が濃厚との見立て。ウィル・マイヤーズ(CIN)のような将来を辿るか。22年は捕手で52試合、一塁で59試合の出場だった。
Tyler Soderstrom

(2A/3A)2.84ERA 95.0IP BB/9=3.4 K/9=13.0
(MLB)4.93ERA 34.2IP BB/9=2.6 K/9=8.6
◯即戦力 速球 スライダー / △コマンド
フランキー・モンタスとのトレードで昨夏NYYから加入すると、MLBでの7先発でK/BB=3.30 とまずまずのデビューを飾った。低めのスリークォーターからエクステンションに富んだライジングファストボールが威力抜群。一方で頼れる変化球が無い点を指摘されていたが、スライダーがMLB全体11位の横変化量+6.5%を記録するなど第2球種として確立しそうだ。あとはマイナー通算BB/9=3.6と平均的なコマンドを伸ばせるか。
Ken Waldichuk


3.カイル・マラー(LHP)/Kyle Muller:25歳
(3A)3.41ERA 134.2IP BB/9=2.7 K/9=10.6
(MLB)8.03ERA 12.1IP BB/9=5.8 K/9=8.8
◯球威 即戦力 / △コマンド
ショーン・マーフィーを放出した三角トレードのメインパッケージ。平均94.2マイルで高スピンの4シーム、被打率.143/空振り率45.5%のスライダー、被打率.200/空振り率38.9%のカーブと平均以上の球種を3つ持っている。球威は十分だがコマンドに課題があり、MLB通算49イニングでBB/9=5.1、マイナー通算では3.6となっている。スペックでは2位のウォルディチャックより上だろうが、MLBでのパフォーマンスと不安定なコマンドを考慮して3位とした。

4.メイソン・ミラー(RHP)/Mason Miller:24歳
(R/A+/3A)3.86ERA 14.0IP BB/9=1.9 K/9=16.1
◎球威 / 〇体格 / △実績 耐久面
肩の故障により前半戦を棒に振ったが、8月に復帰すると圧倒的なパフォーマンスを見せた。常時90マイル後半でシュート方向に大きく伸び上がる4シームとプラスのスライダーの2球種で打者を制圧する。体格・制球ともに先発投手としてふさわしい水準にあり、シーリングは3番手クラス以上だが、1年間ローテーションを回して先発投手としての力を証明していく必要がある。
Mason Miller


(2A/3A)96G 18HR 50BB 121K .270/.815
◯パワー / △送球 守備
21年ドラフト2巡目。平均以上のパワーが武器のスラッガーで、確率良くハードコンタクトを量産することができる。コンタクト能力は問題ないが、アプローチ面に課題があり、三振率は27.5%と高め。選球眼や変化球への対応を改善していきたい。大学では3Bだったが、送球難から22年は2Bを中心にプレーした。またCFでも1試合に出場している。

FV45

(R/A)27G 1HR 7BB 25K .298/.758
◯パワー 肩 / △走力 捕手としては大柄
22年ドラフト1巡目。荒さはあるが攻守にハイポテンシャルな大学生捕手。打撃では6フィート4の恵まれたフィジカルに支えられたパワーが武器で、ハードコンタクトを量産できる。守
備では高校時代にクオーターバックとしても鳴らした運動能力とプラスの強肩を武器にダイナミックな捕手守備を見せる。捕球面の向上と大柄な体格ゆえに長く捕手に残れるかがポイントになるだろう。

(A/A+)123G 19HR 69BB 169K .229/.757
◯パワー / △素材型 / ✖コンタクト
21年ドラフト1巡目の高卒SS。LADに所属する同名のメジャーリーガーとは全くの無関係。
20ホーマー相当の打撃ポテンシャル&SSに残り得る守備力から、将来像をダンズビー・スワンソン(CHC)と比較するスカウトも。22年は19本塁打、傘下2位の69四球を記録した一方で、傘下ワーストの169三振(三振率30.5%)を喫するなどヒットツールに黄色信号が灯っている。守備力も現時点では傑出しているわけではなく、体格の成長次第では2Bや3Bに回るかもしれない。

(2A/3A)114G 16HR 66BB 94K .332/.974
(MLB)17G 0HR 1BB 7K .171/.452
◎走力 / △パワー
課題だった打撃の荒さが取り除かれてブレーク。四球率が前年の7.1%から12.2%に良化するなど辛抱強いアプローチを身に着け、打率、本塁打、OPSでキャリアハイを大きく更新した。また自慢の俊足を生かしてマイナートップの85盗塁を決めた。CFを守れる守備面から最低でも第4の外野手にはなれるだろう。MLBでもマイナーで見せた打撃ができるかどうかがレギュラー獲得を左右する。
(2A/3A)120G 19HR 28BB 76K .326/.882
(MLB)15G 0HR 2BB 7K .265/.621
◯打撃 / △守備走塁
天性のコンタクト能力でハードコンタクトを量産するヒッティングプロスペクト。21年、22年ともにリーグ平均よりも若い中で結果を出してきた点は高く評価したい。22年は2Aでも3Aでも打率3割・wRC+120以上を記録するなど高い適応力を見せた。1B/DHタイプの選手としては、ややパワー不足な点がどう響くか。MLBでは2Bを中心に守った。

(A+)81G 11HR 40BB 105K .270/.825
◯パワー 走力 / △コンタクト 素材型
パワーとスピードを両立したダイナミックなプロスペクト。
特にベストツールであるパワーは20-80スケールで70評価を得ている。四球率12%とセレクティブなのは良いが、スイングが大振りで三振率31.5%とコンタクト能力が欠点。守備はCFでも13試合に出場するなど悪くないが、長期的に見れば外野両翼が適任だろう。

11.藤浪 晋太郎(RHP)/Shintaro Fujinami:29歳
(NPB)3.38ERA 66.2IP BB/9=2.8 K/9=8.8
◯球威 即戦力 / △コマンド 
ポスティング制度により1年契約でOAK入り。最速100マイルに届く速球を軸にMLB平均を上回る球速帯のスライダー&スプリットのコンビネーション。昨季記録した速球平均球速96.3マイルは、昨季MLBで100イニング以上投げた投手の中では12位と球威はMLBでもトップクラスだが、NPB通算BB/9=4.1のコントロールが最大の懸念事項。MLBの過去10シーズンにおいて、BB/9が4.0を超えている投手でfWAR3.0(先発ローテーション3番手の目安)を超えたのは21年のランス・マカラースのみであり、制球難が改善されなければローテーション4-5番手程度に落ち着くorリリーフ転向になる可能性が高いだろう。昨季のBB/9=2.8が真の実力かどうか。

(A+)4.55ERA 91.0IP BB/9=3.0 K/9=9.1
◯速球 / △変化球 一発病 
マット・オルソンを放出したトレードでATLから獲得したプロスペクトの1人。低いリリースポイントから高めに93-96マイルのライジングファストボールを投げ込む。21年はAで20先発/防御率2.91も、22年はHR/9=1.7と一発病に泣き、数字を落とした。それでもリーグ平均より3歳若い点を考慮すれば十分健闘したと言える。先発に残るには、変化球の向上と被弾を避けるために投げミスを減らしていくことが求められる。

13.デンゼル・クラーク(OF)/Denzel Clarke:23歳
(A/A+)93G 15HR 56BB 135K .248/.834
◯5ツール / ✖コンタクト 
21年ドラフト4巡目。6-5/220と素晴らしいフィジカルを備えた5ツールタイプ。スイングに穴は多いがパワー&スピードはプラス評価。さらに身体能力を生かした外野守備も魅力。Aでは年下選手を相手にwRC+147と圧倒も、A+では8本塁打・四球率12.8%のおかげでwRC+は102だったが、打率.209・三振率36.2%は赤信号だろう。元CINのアリスティデス・アキーノが将来像か。
Denzel Clarke


14.ガンナー・ホグランド(RHP)/Gunnar Hoglund:22歳
(R/A)0.00ERA 8.0IP BB/9=1.1 K/9=9.0
◯コマンド 3球種 / △TJ手術明け
マット・チャップマンとのトレードでTORから獲得したプロスペクトの1人。21年ドラフト1巡目指名だが、ドラフト前にTJ手術を受けている。22年は実戦復帰して3試合に登板した。大学3年間でBB/9=2.0のコントロールと6-4/220のガッシリ体型からワークホース向きの人材。健康に1年投げられるかを判断してから評価したい。

15.ロイバー・サリナス(RHP)/Royber Salinas:22歳
(A/A+)3.55ERA 109.0IP BB/9=5.2 K/9=14.4
◯速球 スライダー / ✖コントロール
ショーン・マーフィーのトレードでATLから獲得した1人。コントロールが悪くリリーフ転向のリスクが高いが、支配力はローテーション半ば級。最速98マイルで高スピンのライジングファストとキレの良いプラスのスライダー&カーブのコンビネーションで奪三振を量産する。先発でK/9=14.4は稀有であり、簡単にリリーフに回すには惜しい存在。

(R)11G 0HR 5BB 19K .212/.545
◯5ツール / △素材型 コンタクト
22年ドラフト2巡目の高卒選手。6-3/195と恵まれたフィジカルに5ツールを備えたハイリスクハイリターン型。ヒットツールを懸念されているが、上手く育てばCFで「20-20」達成を狙える。アップサイドで見れば10位以内に入るレベルだが、プロでのパフォーマンスを見てから評価したい。

FV40

(2A/3A)4.05ERA 106.2IP BB/9=3.7 K/9=10.5
(MLB)0.00ERA 0.2IP BB/9=0.0 K/9=13.5
◯速球 体格 / △コントロール
ショーン・マーフィーのトレードで獲得した1人。恵まれた体躯から95マイル前後の速球を投げ込む剛腕。右打者にはスライダー、左打者にはチェンジアップを決め球として扱うことができる。球威で評価すれば先発ローテーション4番手相当だが、平均以下の制球面を考慮すると長く輝けるのはブルペンか?

18.ブレット・ハリス(3B/2B)/Brett Harris:25歳
(2A/3A)113G 17HR 50BB 83K .290/.849
◯コンタクト 守備 / △パワー 年齢
21年ドラフト7巡目ながらA+をwRC+172と圧倒すると、2Aでも107と健闘を見せた。派手なパワーは無いが、コンタクト能力が高く、確率よくライナーを量産できる。また勤勉なハードワーカーであり、守備面も高い評価を受けている。とはいえパワー不足と来季25歳の年齢面がネックであり、不動のレギュラー三塁手というよりはユーティリティー向きとの見立て。

19.ダレル・ヘルナイズ(SS)/Darell Hernaiz:21歳
(A/A+/2A)105G 12HR 35BB 81K .273/.779
◯コンタクト 走力 / △パワー 肩
20歳のシーズンながら、A+でOPS.832、wRC+で127を記録するなど年上選手を相手に健闘。持ち前のコンタクト能力に加えて、フィジカルの向上と共にパワーもついてきてブレークを飾った。守備も運動能力が高く、SSを中心に2B/3Bでもプレー。

20.ホーガン・ハリス(LHP)/Hogan Harris:26歳
(A+/2A/3A)3.42ERA 73.2IP BB/9=5.3 K/9=12.8
◯速球 チェンジアップ / △コントロール 年齢 耐久面 対左打者
遅咲きのドクターK。度重なる故障によりここ2シーズンの公式戦登板がなかったが、22年は3Aまで到達するなどブレークを果たした。平均93マイルの速球とブレーキの利いたチェンジアップのコンビネーションで三振を量産する。先発に残るには無駄な与四球を減らすことと、左打者を抑えるためにスライダーの質を磨くことが求められる。

21.
J.T. ギン(RHP)/J.T. Ginn:24歳
(2A)6.11ERA 35.1IP BB/9=3.6 K/9=10.4
◯グラウンドボーラー シンカー / △耐久面 22年不調
クリス・バシットのトレードでNYMから獲得したプロスペクト。21年はA/A+で
防御率3.03と好投も、22年は2Aの壁と相次ぐ故障に泣いた。それでもK/9=10.4、グラウンドボール率56.6%と持ち味を発揮できている点は救いか。ドラフト前にTJをしている上、22年も故障がちだった点を考慮すると耐久面への不安が非常に大きい。

(2A)5.24ERA 92.2IP BB/9=6.0 K/9=10.4
◎速球 / ◯変化球 / ✖コントロール
フランキー・モンタスの見返りの1人。最速103マイルの速球とダブルプラスのハンマーカーブのコンボは強烈。チェンジアップも良質だが、マイナー6年でBB/9=6.3とコントロールが壊滅的。すでに40人枠入りしていてオプションも1回しか残っていないため、今季中にコントロールが改善されなければリリーフ転向を余儀なくされるだろう。

Sleeper Prospects

ジャック・パーキンス(RHP)/Jack Perkins:23歳
(R/A)2.70ERA 10.0IP BB/9=1.8 K/9=12.6
◯スライダー / ✖コントロール
22年ドラフト5巡目。大学通算BB/9=6.0とコントロールの悪さがネックだが、MAX97マイルの速球と80マイル中盤のハードスライダーは強烈。また第3球種として90マイル前後のカッターも交える。プロでは少ないサンプルながら10イニングで2四球と制球改善の兆しがあり、来季に注目したい。

ホルヘ・フアン(RHP)/Jorge Juan:24歳
A+)4.86ERA 16.2IP BB/9=4.3 K/9=10.8
◯速球 カーブ 体格 / △コマンド チェンジアップ 耐久面
6フィート8の巨体から95-99マイルの速球と80マイル中盤のパワーカーブを投げ込む剛腕。スケールの大きい投手だが、マイナー5年で50イニング以上投げられたシーズンが1度も無く、耐久面の問題をクリアできていない。来季24歳とプロスペクトとしての山場を迎えるため、リリーフとして早期昇格を目指すことになるだろう。

シェーン・マグワイア(C)/Shane McGuire:24歳
(A/A+)83G 2HR 58BB 60K .269/.758
〇アプローチ / △守備 走力 パワー
元TORリース・マグワイアの弟。シンプルで無駄のないスイングからライナーを量産する中距離タイプ。本塁打を量産するタイプではいが、四球率16.2%/三振率16.7%とゾーン管理は申し分なし。捕手としての守備力は平均的であり、1Bでも27試合に出場している。パワーがつけば控え捕手としての道が見えてくるだろう。

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