2025 ATHLETICS
TOP 15 PROSPECTS
2025年 アスレチックス プロスペクトランキング
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Jacob Wilson |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。
FV55
1.ニック・カーツ(1B)/Nick Kurtz:22歳24年ドラフト全体4位指名。大学球界屈指の強打者として知られ、大学通算164試合で61本塁打/OPS1.235と圧倒的な成績を残している。6フィート5の長身に恵まれたパワーを有し、選球眼&コンタクト能力も優秀。プロでも12試合という小サンプルながらOPS1.283と圧倒した。スピードは平均以下だが、ハンドリングが上手く、プラスの1Bディフェンダーになれる可能性あり。
Nick Kurtz
元MLB選手ジャック・ウィルソンの息子で、23年ドラフト全体6位でプロ入りした。卓越したコンタクト能力とSSに留まれるとされる守備力を兼ね備えるハイフロアーな人材。24年はR/2A/3Aでの53試合で打率.433/本塁打/wRC+200とブレイク。statcast搭載の3Aではゾーン内コンタクト率98.4%という異次元のコンタクト能力を披露した。パワーレスと四球の少なさがネック。またSSの守備でも、MLBでの28試合でDRS-4/OAA-2と不安を露呈した。
23年1月に300万ドルで契約したキューバ出身の大型右腕。速球はMAX100マイル、変化球は3種いずれも決め球に使えるなどローテーション上位クラスのポテンシャルの持ち主。投手としては荒削りで、コマンドなど改善点は多い。24年はA+で22先発をこなすなど実戦経験を積んだが、防御率4.22/奪三振率24.9%/与四球率10.7%/FIP4.06とポテンシャルの割に投球結果はまだ付いてきていない。
FV45
22年ドラフト5巡目。平均96マイルのライジングファストと大きくスウィープする高回転のスライダーで空振りを量産する。24年は広背筋の負傷で出遅れたが、2Aでの15先発(17登板)で防御率2.96/奪三振率31.7%/与四球率11.1%/FIP2.74とブレイク。ラスト9登板は全て5イニング以上消化、うち4試合は7イニング消化とスタミナ面もアピールした。平均以下のコントロールと第3球種以降の開発が先発残留の鍵を握る。 Jack Perkins
22年ドラフト3巡目。プラスのパワーと平均以上の走守を両立したダイナミックなアスリート。24年は2A/3Aで31本塁打/wRC+131と大ブレイク。3Aで上位10%打球速度106.5マイル/引っ張りフライ率10.7%とホームランバッターの資質を有するが、チェイス率32%/三振率30.3%とアプローチに荒さがある。守備は走力に加えて強肩も備えるが、ルート取りに難があり、CFよりも両翼が適任との評価。
22年ドラフト2巡目の高卒選手。6-3/195と恵まれたフィジカルに5ツールを備えたハイリスクハイリターン型。20歳シーズンにしてA+でwRC+159、2Aでも107と健闘。上位10%打球速度は傘下トップの108マイルを計測するなど、凄まじいパワーを見せつけた(15本塁打、HR/FB25%)。一方で三振率34.7%/ゴロ率54%とヒットツールが致命的。46盗塁を決めるなど俊足の持ち主だが、Baseball Prospectusの出す守備指標DRPは23年=-5.7、24年=-6.4とルート取りは発展途上。ハリソン・ベイダーやタイラー・オニールのような選手が完成型か。
コンタクト能力が武器のハイフロアー打者で、23年は2A/3AでwRC+117、24年は3Aで116をマークしている。MLBでは48試合でwRC+50と適応に苦しんでいるが、22歳のシーズンだったことを考慮すればそう悲観する必要はないと見ている。守備では長くSSでプレーできるかは微妙との評価。3Bや2Bとしてはややパワー不足か。
21年ドラフト4巡目。6-5/220と素晴らしいフィジカルを備えた5ツールタイプ。スイングに穴は多いがパワー&スピードはプラス評価。さらに身体能力を生かした外野守備もプラス~ダブルプラス級。24年は2年目となる2AでwRC+120をマーク。しかし三振率29.9%/ゴロ率50%とヒットツールは依然として要改善だろう。Baseball Prospectusの出す守備指標DRPでは+16.0を記録。打撃が開花すればラモン・ロレアーノ、現実的な将来像は元CINのアリスティデス・アキーノか。
21年ドラフト1巡目の高卒SS。LADに所属する同名のメジャーリーガーとは全くの無関係。20ホーマー相当の打撃ポテンシャル&SSに残り得る守備力から、将来像をダンズビー・スワンソン(CHC)と比較するスカウトも。24年は死球の影響で欠場があったが、3Aで50試合/wRC+117と健闘。三振の多さが課題。
昨夏ルーカス・エルセグとのトレードでKCから加入の右腕。ガッシリ体型で安定して6-7回を消化できるイニングイーター候補。最速99マイルのフラット軌道の4シームに右打者には80マイル中盤のスウィーパー&カーブ、左打者にはフェード軌道のチェンジアップを決め球に扱う。23年はA+/2Aで114.2回/FIP3.23、24年は2Aで133回/FIP3.55と2年続けて安定したパフォーマンス。
2022年にクリス・バシットとの交換で得たプロスペクト。20年にTJ手術、その後も負傷続きだったが、24年はマイナー/MLBで計136.2回を投げるなど完全復活。特にMLBでは8登板(34回)で防御率4.24/FIP3.96と安定した投球を見せた。ドロップ量の多い平均93マイルのシンカーとプラスのスライダー中心のグラウンドボーラー。被OPS.880の左打者をどう封じるか。
FV40
23年ドラフト3巡目。強豪フロリダ大への進学が内定していたが、300万ドルという1巡目相当の契約金を積んで口説き落とした大器。6-1/180と体格は傑出していないが、球威と制球力、さらに投球技術を兼ね備えたトータルパッケージタイプ。速球はMAX98マイルで、スライダー&チェンジアップも上質。24年はAで与四球率12.8%/FIP5.08と制球に苦戦したが、滑らかでアスレチックな投球フォームから改善されるとの見方が多い。
24年ドラフト3巡目。卓越したコンタクト能力の持ち主で、大学3年シーズンでは全米1部リーグでチャーリー・コンドン(全体2位指名)に次ぐ打率.428をマークした。本塁打は大学3シーズンで5本、6本、5本とパワーの評価は平均以下となっている。SS守備も評価されており、チーム内部ではマーカス・セミエンと比較する声もある。
24年ドラフト全体73位(戦力均衡ラウンドB)指名。出所の見にくい独特リリースから93マイル前後のライジングファストボールを投げ込むテニクカル左腕。今永昇太と比較する声もある。変化球はスライダー&カーブを主に使い、チェンジアップの開発がプロでの課題となりそうだ。
台湾出身。絶対的な球種は無いが、ピンポイントに投げ分けるコマンドで成功している。低リリースから繰り出す92-96マイルの4シームを高めに集めて空振りを誘う。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップを扱う。24年はA/A+/2Aで計86回を投げて防御率2.09/奪三振率25.2%/与四球率3.6%/FIP2.96と好投。フライボーラーでありながら、HR/9=0.52、HR/FB=4.7%と被弾を避ける能力に長ける。故障体質がネック。
Notable Prospects
22年ドラフト1巡目。SFでプレーしたアンドリュー・スーサックの弟。荒削りながら6フィート4の恵まれたフィジカルに支えられたパワーが武器。24年は2Aで12本塁打/ISO.178と長打を量産したが、四球率4.3%のフリースインガーがネックとなり、wRC+は103にとどまった。守備では高校時代にクオーターバックとしても鳴らした運動能力とプラスの強肩を武器にダイナミックな捕手守備を見せる。捕球面の向上と大柄な体格ゆえに長く捕手に残れるかがポイントになるだろう。
24年ドラフト2巡目。大学3年間で75本塁打を放ったスラッガーで、三振率14%とコンタクト能力も悪くない。フリースインガーでチェイスが多く、Aでは25試合でwRC+67と打てなかった。フルシーズンでどう修正するか。6-0/242の巨体で俊敏性が不足しており、3B守備は平均以下の評価。
森井 翔太郎(SS/RHP)/Shotaro Morii:18歳
桐朋高校から契約金150万ドルで米球界入り。二刀流としてキャリアを始める予定で、現時点では野手としての方が高く評価されている。バランスの取れた左スイングはパワーポテンシャルを秘めており、SSに定着できるだけの肩力を備える。投手としては荒削りながらMAX95マイル。
21年ドラフト1巡目。ドラフト年にTJ手術をし、22年にマット・チャップマンの見返りの1人としてTORから加入した。平均91-92マイルの速球、スライダー、カーブ、チェンジアップをバランス良く織り交ぜてトンネルを通す。24年は2A/3Aで計130.2回を投げるなど耐久力を証明。パワーレスは明らかだが、安定したコントロールを武器にイニングイーターに定着できるか。
24年ドラフト4巡目。プラスのパワーとスピードを両立したダイナミックな人材。大学3年間で三振率30.1%とコンタクト難が致命的。上手く適応できれば「CFで20-20」が狙える。
24年7月に契約した台湾出身左腕。台湾出身のメジャーリーガー左腕であるワン・ウェイジョン(MIL他)と比較される大器。WBC予選のスペイン戦ではリリーフ登板するとMAX94.7マイル、ホップ変化量はMLBトップクラスの21インチを記録するなどポテンシャルの片鱗を見せつけた。