2024 OAKLAND ATHLETICS
TOP 20 PROSPECTS
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Mason Miller |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。
FV50
1.メイソン・ミラー(RHP)/Mason Miller:25歳故障体質だがエースポテンシャルの持ち主。MLBでの33イニングで平均98.3/MAX102マイルを記録した4シームとプラスのスライダーの2球種で打者を圧倒する。第3球種のチェンジアップも平均レベル。今季はリリーフで起用されているが、5月6日現在で防御率1.26・奪三振率53.7%と圧倒的なパフォーマンス。
元MLB選手ジャック・ウィルソンの息子で、23年ドラフト全体6位でプロ入りした。大学のシーズンで打率.412・三振率8.9%をマークしたコンタクト能力が最大の武器で、長くSSでプレーできる守備力も兼備しているなど攻守にハイフロアーな人材。パワーの平凡さが唯一の心配事項であり、プルヒッティングを活用してパワーナンバーを増やせるか。
コンタクト能力が武器のハイフロアー打者で、23年は2A&3Aでいずれも打率.300超え、特に2AではwRC+133と素晴らしいパフォーマンスを披露した。マイナー上位でもSSでプレー&22年に33盗塁を決めるなど守備走塁でも貢献できるが、長くSSとしてプレーできるかは微妙との評価。それでも24年は5月7日現在、SSでDRS+1、OAA+2と健闘している。
23年1月に300万ドルで契約したキューバ出身の大型右腕。速球はMAX100マイル、変化球は3種いずれも決め球に使えるなどローテーション上位クラスのポテンシャルの持ち主。コマンドを改善していくことがブレイクへの道。昨季はマイナー4階級で計44回を投げて防御率2.86・奪三振率29.4%・与四球率8.3%と上々の内容。24年は飛躍に期待。
FV45
21年ドラフト1巡目の高卒SS。LADに所属する同名のメジャーリーガーとは全くの無関係。20ホーマー相当の打撃ポテンシャル&SSに残り得る守備力から、将来像をダンズビー・スワンソン(CHC)と比較するスカウトも。23年は20歳のシーズンながら2A昇格後に51試合でwRC+124と健闘。三振の多さと2B/3Bに回る可能性のある守備力の向上が課題か。
21年ドラフト4巡目。6-5/220と素晴らしいフィジカルを備えた5ツールタイプ。スイングに穴は多いがパワー&スピードはプラス評価。さらに身体能力を生かした外野守備もプラス~ダブルプラス級。23年は2AでwRC+130をマーク。課題のコンタクトは向上を辿ったが、それでも三振率29.7%は赤信号レベル。打撃が開花すればラモン・ロレアーノ、現実的な将来像は元CINのアリスティデス・アキーノか。
23年ドラフト3巡目。強豪フロリダ大への進学が内定していたが、300万ドルという1巡目相当の契約金を積んで口説き落とした大器。6-1/180と体格は傑出していないが、球威と制球力、さらに投球技術を兼ね備えたトータルパッケージタイプ。MAX98マイルの速球を主体に4球種どれもストライクが取れる。
パワーとスピードを両立したダイナミックなプロスペクト。23年は三振率を前年の31.5%から18.9%に改善させるなどコンタクト面で成長。2A/3Aで打率.284/OPS.825をマークしMLBデビューを果たした。昨季はマイナー/MLBで計19本塁打を放ったが、上位10%の打球速度106マイルはプラス~ダブルプラス水準であり、アプローチを磨けばもっと本塁打数を伸ばせる。守備もCF中心に外野3ポジション+1Bをプレー可能。 22年ドラフト1巡目。攻守に荒さを抱えるがハイポテンシャルな司令塔候補。打撃では6フィート4の恵まれたフィジカルに支えられたパワーが武器で、ハードコンタクトを量産できる。A+/2Aでは112試合で打率.301をマークした一方で、8本塁打とパワーを発揮しきれておらず、アプローチの改善が必要だろう。守備では高校時代にクオーターバックとしても鳴らした運動能力とプラスの強肩を武器にダイナミックな捕手守備を見せる。捕球面の向上と大柄な体格ゆえに長く捕手に残れるかがポイントになるだろう。
22年ドラフト2巡目の高卒選手。6-3/195と恵まれたフィジカルに5ツールを備えたハイリスクハイリターン型。プロ1年目はAでwRC+113・14本塁打・32盗塁と持ち前のツールを披露。三振率33.4%と懸念されていたヒットツールは予想通りの荒さで、また守備もRF中心の起用で5失策/Baseball Prospectusの出す総合守備指標DRPで-9.5と攻守に磨かれる必要がある。
FV40
昨夏サム・モールとのトレードでCINから獲得した大型剛腕。6フィート7の長身から平均で96-97マイルを叩き出す速球とプラスのスライダーのコンボは威力抜群も、マイナー3年で与四球率18.7%と制球難が致命的。完全にリリーフ向きのプロフィールだがチームは先発として育成方針。24年もMLBのローテーションで起用されている。
CLEに所属するネイラー兄弟の弟で、兄弟3人でドラフト1巡指名を達成(マイルズは戦力均衡ラウンドAの全体39位だが)。兄譲りのパワーが武器で、R/Aでは早速6本塁打を放った。一方でAでの32試合で52三振(三振率39.4%)とヒットツールは危険な水準。守備も体格の成熟によって3B転向が目される。ショーン・マーフィーのトレードでATLから獲得した1人。コントロールが悪くリリーフ転向のリスクが高いが、支配力はローテーション半ば級。最速98マイルで高スピンのライジングファストとキレの良いプラスのスライダー&カーブのコンビネーションで奪三振を量産する。23年は2Aで防御率5.48と足踏み。登録上は6-3/205となっているが、明らかに腹が出ており250ポンド(113㎏)近い可能性あり。与四球多めのローテーション下位orリリーフの一角が現実的なラインだろう。
22年ドラフト3巡目。プラスのパワー&スピードを武器に昨季A/A+で18本塁打・25盗塁・OPS.844をマーク。A+昇格後54試合で四球率4.6%/三振率29.5%という荒っぽいアプローチの改善が課題。守備は走力に加えて強肩も備えるが、ルート取りに難があり、CFよりもRFが適任との評価。
派手なパワーは無いが、コンタクト能力が高く、確率よくライナーを量産できる。23年は2A/3AでOPS.807、四球率10.8%/三振率15.0%とソリッドな内容。また勤勉なハードワーカーであり、守備面も高い評価を受けている。レギュラー三塁手としてはパワー不足であり、また今季26歳という年齢面もネック。不動のレギュラー三塁手というよりはユーティリティー向きとの見立て。
マット・オルソンを放出したトレードでATLから獲得したプロスペクトの1人。低いリリースポイントから高めに93-96マイルのライジングファストボールを投げ込む。昨季は2A/3Aで137回を投げ防御率3.74をマークし、MLBデビューも経験。しかし、3AでHR/9=2.8、MLBでも10回で4被弾(HR/9=3.6)と一発病が顕著であり、変化球の向上と被弾を避けるために投げミスを減らしていくことが求められる。防御率3点台のローテーション中軸というよりも、防御率4~5点台のタフネスイニングイーターが成功例だろう。
22年ドラフト5巡目。大学通算与四球率14%とコントロールの悪さがネックだったが、23年はA+/2Aで計107.2回を消化して防御率4.10・奪三振率20.1%・与四球率10.2%とまずまずの内容だった。90マイル中盤のホップ軌道の速球がベストピッチ。球威の割に奪三振は少なく、変化球&コマンドの改善が先発残留を左右すると見ている。
マット・オルソンのトレードのメインパッケージだったが、OAK加入後は不調で伸び悩んでいる。大学時代に100マイルを計測していた速球は昨季93マイル程度に落ち込んでしまったが、今季は小サンプルながら再び95-98マイルを出すなど復調の兆し。24歳というプロスペクトとして正念場のシーズンで復活なるか。
19.コール・ミラー(RHP)/Cole Miller:19歳
名門UCLAへの進学が内定していたが、オーバースロットとなる契約金100万ドルで入団した高卒右腕。父マイクはNFL選手というアスリート家系で、6-6/225の恵まれた体格から95-96マイルの速球を投げ込むポテンシャルに期待。しかし、今春にTJ手術を受けたため、今季は全休の見込み。
23年ドラフト2巡目。コンタクト能力に欠点があるが、それ以外の4ツールは平均から平均以上というアスリートタイプ。特に俊足と強肩に支えられたCF守備はプラス評価を受ける。スイングを改善してプロの投手に対応できるか。打撃が平均程度に育てば下位打線CFの枠を狙える。