2025年3月1日土曜日

2025 HOUSTON ASTROS TOP 15 PROSPECTS

2025 HOUSTON ASTROS

TOP 15 PROSPECTS

Cam Smith


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV50

1.キャム・スミス(3B)/Cam Smith:22歳
24年ドラフト全体14位指名。カイル・タッカーの見返りの1人としてCHCから加入した。パワーと身体能力を兼ね備えた右の大砲。コンタクト難を克服してドラフトイヤーにOPS1.142とブレイク。プロでも32試合でOPS1.004と打ちまくった。大柄ながら運動能力が高く、肩の強さもプラス水準だが、フットワークの鈍さから3B守備は平均以下の評価。外野の方が活躍できるとの見方もある。
Cam Smith


22年ドラフト2巡目。パワーとスピードを兼ね備えたダイナミックなCF候補。一方で動きの多い打撃フォームと荒っぽいアプローチから上位レベルへの対応力に疑問を持たれている。24年は2AでwRC+108、3Aで78と今一つ浮上できなかったが、上位10%打球速度106マイルはプラス水準で、ゾーン内コンタクト率82.8%も平均的で悪くない。またホームとアウェイでの成績差も大きかった(ホームOPS.629/アウェイOPS.834)。守備はCFを中心に外野3ポジションどこでもフィットするとの見立てだ。


FV45

23年ドラフト1巡目指名。大学のシーズンではカンファレンス史上2人目となる「20-20」を達成するなどパワー&スピードが魅力なダイナミックなアスリート。コンタクト能力が弱点。24年はR/A+/2Aでの67試合で出塁率.405/15本塁打/wRC+163とブレイク。3Aまで昇格した。コンタクト率67%/三振率30%と空振りの多さは相変わらずだが、慎重アプローチで四球を稼げ、またコンタクトの質は良い(バレル性のハードヒットが多く、wOBAcon等が優秀)ため、低打率であってもMLBで活躍できる要素あり。SS/3Bの守備では、守備範囲は十分だが送球に難があるとされており、2BやCFにコンバートされる可能性もあるだろう。
Brice Matthews


4.
ザック・デゼンゾ(3B)/Zach Dezenzo:25歳
フィジカルモンスター。上位10%の打球速度は23年=108マイル、手首の故障で出遅れた24年=106マイルというプラス~ダブルプラス級のパワーポテンシャルを秘めている。チェイスの少なさ、平均的なコンタクト率、上質なバレル能力も併せ持つ。あとは昨季65打席で三振率33.8%と苦戦したMLBに適応できるか。3B守備は平均以下で、1B転向のリスクを指摘されている。

強肩強打の司令塔候補。大学では打っては17本塁打/OPS1.185、守っては大学No.1捕手に送られるバスター・ポージー賞を受賞。24年ドラフト全体28位指名でHOUに入団した。15HR程度のパワーを備える一方で、積極アプローチで見極めが甘く、プロではOPS.502/三振率29%と苦戦した。守備力は申し分ないだけに、あとは打てるかどうかが未来を左右するだろう。

6.ミゲル・ユローラ(RHP)/Miguel Ullola:23歳
MAX98マイルのライジングファストが強烈で、大きく伸び上がる軌道で打者の空振りを量産する。平均以下のリリース高5フィート6という低リリースからホップ変化量20インチ超えの4シームを投げ込む。奪三振率の高さは強みだが、マイナーで4年でBB/9=6.1と制球難が課題。制球を改善できればHOU傘下出身のクリスチャン・ハビアーのようになれる可能性はあるが、現時点ではリリーフ転向が現実的だろう。

FV40

7.
シェイ・ウィットコム(SS)/Shay Whitcomb:26歳
23年にマイナートップタイの35本塁打を放った長打力とSS中心に内外野6ポジションをこなす守備力からスーパーユーティリティーになり得る。24年は三振率を前年の30.2%から19.8%に改善させるなどコンタクト&スイング判断が大きく改善され、3AでwRC+123をマークした。4年連続20盗塁以上と走塁でも貢献できる。
24年ドラフト3巡目。ドラフトイヤーに5先発で防御率2.13、K/9=13.3と好投し、1巡目候補だったが、TJ手術によりスリップ。25年シーズンの大半を欠場する見込み。MAX97マイルで平均ホップ変化量19-20インチに届くライジングファストボールを有し、スライダー&チェンジアップも平均以上のクオリティ。コントロールも良い。スペックはローテーション中軸クラス。

23年11月に契約金わずか1万ドルで契約すると、24年シーズンに急成長。DSL/R/Aで計53.2回を投げて防御率1.51/奪三振率38.9%と衝撃的なプロデビューを飾った。契約後に5マイル球速を伸ばし、速球はMAX99マイルに到達。変化球やコントロールは改善が必要であり、まだ5フィート10というアンダーサイズな体格も不安視されている。

10.イーサン・ペッコ(RHP)/Ethan Pecko:22歳
23年ドラフト6巡目。24年はフルシーズン1年目にして、A/A+/2Aで96回を投げて防御率3.47/奪三振率30.9%/与四球率9.2%/FIP3.50をマーク。速球は平均92-93マイル程度だが、低リリースからのフラットアプローチで空振りを量産する。スライダー&チェンジアップも横に大きく曲がり、空振りが取れる。A+、2Aでは被弾が増えており、上位打者にどう対応するか。

11.ライアン・ガスト(RHP)/Ryan Gusto :26歳
25年のブレイクに期待の苦労人。高校の野球チームのメンバーに入れず。大学からの誘いもなかったため、短大の野球部にトライアウトを受けて入部。そこからカンファレンスの最優秀投手に成長し、19年ドラフト11巡目でプロ入り。20年をコロナ休止、21年をTJ手術で棒に振るも、24年は3Aで148回を投げて防御率3.70/FIP4.37と好投。MAX98マイルの4シームにプロ入り後に覚えたスウィーパー&カッター、平均以上のチェンジアップ、平均以下のカーブをコントロールよく織り交ぜる。
Ryan Gusto


12.ジョセフ・サリバン(OF)/Joseph Sullivan:22歳
24年ドラフト7巡目ながらプロ入り後に評価を上げ、オフには他球団からトレード依頼が殺到した。小柄ながらCF相応の運動能力と高い打撃スキルを有し、Aでの20試合で上位10%打球速度105マイルを計測するなどパンチ力も秘める。低弾道を改善すれば長打スタッツも増えるだろう。

22年に契約金130万ドルで入団したドミニカ共和国出身の原石。30ホーマー級のパワーを秘めたコーナーOFで、ホルヘ・ソレアーやマーセル・オズーナが理想の完成型だろう。24年はA+で20本塁打/wRC+117をマークし、20歳シーズンにして2Aに到達。フリースインガーなアプローチとコンタクト能力の改善が課題。

14.A.J.ブルボー(RHP)/A.J. Blubaugh:24歳
大学ではリリーフ中心、22年ドラフト7巡目でプロ入りとアマチュア時代の評価は高くなかったが、マイナーでは先発として育成され、順調に成長している。平均92.5マイルとパワーレスで、絶対的な変化球も持たないが、5球種をバランスよく投げ分けるバックエンドSPタイプ。24年は超打高の3Aで124回を投げて防御率3.71/FIP4.47と健闘した。

15.ジャクソン・ネズー(RHP)/Jackson Nezuh:23歳
23年ドラフト14巡目。下位指名の出身ながら、24年はA/A+で計120回を投げて防御率3.89/奪三振率30.1%/与四球率9.6%/FIP3.46と好投。93-95マイルで伸びのある4シームと質の高いチェンジアップのコンビネーション。ブレーキングボール系の開発が今後の課題か。

Notable Prospects

21年ドラフト8巡目。24年は3Aで24先発して防御率3.94/FIP4.31をマーク。速球平均は90マイルながら、低リリースを生かしたライジング軌道で空振りを奪え、変化球3種でタイミングも外せる。優秀なコントロールと2年連続120イニング以上の耐久力からローテーション5番手のイニングイーター候補。

24年は太ももの負傷で2か月の欠場があったが、2Aで68.1回を投げて防御率3.82/FIP4.23とまずまずの内容。速球のレンジは89-91マイル止まりだがホップ変化が大きく、傘下ベストとも評されるチェンジアップと組み合わせて打者を翻ろうする。とはいえ先発としては球速不足であり、またブレーキングボールの精度も良くないため、最終的にはブルペンに回るとの見立て。

ダイナミックなアスリートで、シーリングはHOU傘下No.1とも。走力・肩・守備はいずれも20-80スケールで60-70評価を受ける。パワーもプラスポテンシャルだが、24年は2Aでの70試合で三振率38%とコンタクト能力が壊滅的。最低限打てればホセ・シリやジェーク・マリスニックのような下位打線CF~控え外野手になれるだろう。
パワーとスピードを両立し、「20-20」が狙えるCF。24年はA/A+で計107試合に出場して7本塁打/wRC+116/20盗塁をマーク。ゴロ率37.5%とバレル感覚は良く、荒っぽいアプローチを改善できれば長打も増えるはず。


2025年2月23日日曜日

2025 ATHLETICS TOP 15 PROSPECTS

2025 ATHLETICS

TOP 15 PROSPECTS

2025年 アスレチックス プロスペクトランキング
Jacob Wilson

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。


FV55

1.ニック・カーツ(1B)/Nick Kurtz:22歳
24年ドラフト全体4位指名。大学球界屈指の強打者として知られ、大学通算164試合で61本塁打/OPS1.235と圧倒的な成績を残している。6フィート5の長身に恵まれたパワーを有し、選球眼&コンタクト能力も優秀。プロでも12試合という小サンプルながらOPS1.283と圧倒した。スピードは平均以下だが、ハンドリングが上手く、プラスの1Bディフェンダーになれる可能性あり。
Nick Kurtz


FV50

元MLB選手ジャック・ウィルソンの息子で、23年ドラフト全体6位でプロ入りした。卓越したコンタクト能力とSSに留まれるとされる守備力を兼ね備えるハイフロアーな人材。24年はR/2A/3Aでの53試合で打率.433/本塁打/wRC+200とブレイク。statcast搭載の3Aではゾーン内コンタクト率98.4%という異次元のコンタクト能力を披露した。パワーレスと四球の少なさがネック。またSSの守備でも、MLBでの28試合でDRS-4/OAA-2と不安を露呈した。
Jacob Wilson

3.ルイス・モラレス(RHP)/Luis Morales:22歳
23年1月に300万ドルで契約したキューバ出身の大型右腕。速球はMAX100マイル、変化球は3種いずれも決め球に使えるなどローテーション上位クラスのポテンシャルの持ち主。投手としては荒削りで、コマンドなど改善点は多い。24年はA+で22先発をこなすなど実戦経験を積んだが、防御率4.22/奪三振率24.9%/与四球率10.7%/FIP4.06とポテンシャルの割に投球結果はまだ付いてきていない。


FV45

22年ドラフト5巡目。平均96マイルのライジングファストと大きくスウィープする高回転のスライダーで空振りを量産する。24年は広背筋の負傷で出遅れたが、2Aでの15先発(17登板)で防御率2.96/奪三振率31.7%/与四球率11.1%/FIP2.74とブレイク。ラスト9登板は全て5イニング以上消化、うち4試合は7イニング消化とスタミナ面もアピールした。平均以下のコントロールと第3球種以降の開発が先発残留の鍵を握る。
Jack Perkins


22年ドラフト3巡目。プラスのパワーと平均以上の走守を両立したダイナミックなアスリート。24年は2A/3Aで31本塁打/wRC+131と大ブレイク。3Aで上位10%打球速度106.5マイル/引っ張りフライ率10.7%とホームランバッターの資質を有するが、チェイス率32%/三振率30.3%とアプローチに荒さがある。守備は走力に加えて強肩も備えるが、ルート取りに難があり、CFよりも両翼が適任との評価。

22年ドラフト2巡目の高卒選手。6-3/195と恵まれたフィジカルに5ツールを備えたハイリスクハイリターン型。20歳シーズンにしてA+でwRC+159、2Aでも107と健闘。上位10%打球速度は傘下トップの108マイルを計測するなど、凄まじいパワーを見せつけた(15本塁打、HR/FB25%)。一方で三振率34.7%/ゴロ率54%とヒットツールが致命的。46盗塁を決めるなど俊足の持ち主だが、Baseball Prospectusの出す守備指標DRPは23年=-5.7、24年=-6.4とルート取りは発展途上。ハリソン・ベイダーやタイラー・オニールのような選手が完成型か。

7.ダレル・ヘルナイズ(SS)/Darell Hernaiz:23歳
コンタクト能力が武器のハイフロアー打者で、23年は2A/3AでwRC+117、24年は3Aで116をマークしている。MLBでは48試合でwRC+50と適応に苦しんでいるが、22歳のシーズンだったことを考慮すればそう悲観する必要はないと見ている。守備では長くSSでプレーできるかは微妙との評価。3Bや2Bとしてはややパワー不足か。

8.デンゼル・クラーク(OF)/Denzel Clarke:25歳
21年ドラフト4巡目。6-5/220と素晴らしいフィジカルを備えた5ツールタイプ。スイングに穴は多いがパワー&スピードはプラス評価。さらに身体能力を生かした外野守備もプラス~ダブルプラス級。24年は2年目となる2AでwRC+120をマーク。しかし三振率29.9%/ゴロ率50%とヒットツールは依然として要改善だろう。Baseball Prospectusの出す守備指標DRPでは+16.0を記録。打撃が開花すればラモン・ロレアーノ、現実的な将来像は元CINのアリスティデス・アキーノか。
21年ドラフト1巡目の高卒SS。LADに所属する同名のメジャーリーガーとは全くの無関係。20ホーマー相当の打撃ポテンシャル&SSに残り得る守備力から、将来像をダンズビー・スワンソン(CHC)と比較するスカウトも。24年は死球の影響で欠場があったが、3Aで50試合/wRC+117と健闘。三振の多さが課題。

昨夏ルーカス・エルセグとのトレードでKCから加入の右腕。ガッシリ体型で安定して6-7回を消化できるイニングイーター候補。最速99マイルのフラット軌道の4シームに右打者には80マイル中盤のスウィーパー&カーブ、左打者にはフェード軌道のチェンジアップを決め球に扱う。23年はA+/2Aで114.2回/FIP3.23、24年は2Aで133回/FIP3.55と2年続けて安定したパフォーマンス。

11.J.T.ギン(RHP)/J.T. Ginn:26歳
2022年にクリス・バシットとの交換で得たプロスペクト。20年にTJ手術、その後も負傷続きだったが、24年はマイナー/MLBで計136.2回を投げるなど完全復活。特にMLBでは8登板(34回)で防御率4.24/FIP3.96と安定した投球を見せた。ドロップ量の多い平均93マイルのシンカーとプラスのスライダー中心のグラウンドボーラー。被OPS.880の左打者をどう封じるか。


FV40

23年ドラフト3巡目。強豪フロリダ大への進学が内定していたが、300万ドルという1巡目相当の契約金を積んで口説き落とした大器。6-1/180と体格は傑出していないが、球威と制球力、さらに投球技術を兼ね備えたトータルパッケージタイプ。速球はMAX98マイルで、スライダー&チェンジアップも上質。24年はAで与四球率12.8%/FIP5.08と制球に苦戦したが、滑らかでアスレチックな投球フォームから改善されるとの見方が多い。

24年ドラフト3巡目。卓越したコンタクト能力の持ち主で、大学3年シーズンでは全米1部リーグでチャーリー・コンドン(全体2位指名)に次ぐ打率.428をマークした。本塁打は大学3シーズンで5本、6本、5本とパワーの評価は平均以下となっている。SS守備も評価されており、チーム内部ではマーカス・セミエンと比較する声もある。

24年ドラフト全体73位(戦力均衡ラウンドB)指名。出所の見にくい独特リリースから93マイル前後のライジングファストボールを投げ込むテニクカル左腕。今永昇太と比較する声もある。変化球はスライダー&カーブを主に使い、チェンジアップの開発がプロでの課題となりそうだ。

15.莊 陳仲敖(RHP)/Chen Zhong-Ao Zhuang:24歳
台湾出身。絶対的な球種は無いが、ピンポイントに投げ分けるコマンドで成功している。低リリースから繰り出す92-96マイルの4シームを高めに集めて空振りを誘う。変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップを扱う。24年はA/A+/2Aで計86回を投げて防御率2.09/奪三振率25.2%/与四球率3.6%/FIP2.96と好投。フライボーラーでありながら、HR/9=0.52、HR/FB=4.7%と被弾を避ける能力に長ける。故障体質がネック。

Notable Prospects

22年ドラフト1巡目。SFでプレーしたアンドリュー・スーサックの弟。荒削りながら6フィート4の恵まれたフィジカルに支えられたパワーが武器。24年は2Aで12本塁打/ISO.178と長打を量産したが、四球率4.3%のフリースインガーがネックとなり、wRC+は103にとどまった。備では高校時代にクオーターバックとしても鳴らした運動能力とプラスの強肩を武器にダイナミックな捕手守備を見せる。捕球面の向上と大柄な体格ゆえに長く捕手に残れるかがポイントになるだろう。

24年ドラフト2巡目。大学3年間で75本塁打を放ったスラッガーで、三振率14%とコンタクト能力も悪くない。フリースインガーでチェイスが多く、Aでは25試合でwRC+67と打てなかった。フルシーズンでどう修正するか。6-0/242の巨体で俊敏性が不足しており、3B守備は平均以下の評価。

森井 翔太郎(SS/RHP)/Shotaro Morii:18歳
桐朋高校から契約金150万ドルで米球界入り。二刀流としてキャリアを始める予定で、現時点では野手としての方が高く評価されている。バランスの取れた左スイングはパワーポテンシャルを秘めており、SSに定着できるだけの肩力を備える。投手としては荒削りながらMAX95マイル。

21年ドラフト1巡目。ドラフト年にTJ手術をし、22年にマット・チャップマンの見返りの1人としてTORから加入した。平均91-92マイルの速球、スライダー、カーブ、チェンジアップをバランス良く織り交ぜてトンネルを通す。24年は2A/3Aで計130.2回を投げるなど耐久力を証明。パワーレスは明らかだが、安定したコントロールを武器にイニングイーターに定着できるか。

24年ドラフト4巡目。プラスのパワーとスピードを両立したダイナミックな人材。大学3年間で三振率30.1%とコンタクト難が致命的。上手く適応できれば「CFで20-20」が狙える。

林 維恩(LHP)/Wei En Lin:19歳
24年7月に契約した台湾出身左腕。台湾出身のメジャーリーガー左腕であるワン・ウェイジョン(MIL他)と比較される大器。WBC予選のスペイン戦ではリリーフ登板するとMAX94.7マイル、ホップ変化量はMLBトップクラスの21インチを記録するなどポテンシャルの片鱗を見せつけた。

2025年2月22日土曜日

2025 MINNESOTA TWINS TOP 15 PROSPECTS

2025 MINNESOTA TWINS

TOP 15 PROSPECTS

2025年 ミネソタ・ツインズ プロスペクトランキング
Walker Jenkins

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV60

1.ウォーカー・ジェンキンス(OF)/Walker Jenkins:20歳
23年ドラフト全体5位指名の高卒外野手で、攻守の完成型をカイル・タッカー(CHC)とも比較されている。若き日のジョー・マウアーを連想させるコンパクトな左スイングでラインドライブを量産し、辛抱強いアプローチで四球も稼げる。24年はハムストリングの負傷で欠場もあったが、A/A+で打率.293/wRC+148/四球率15.6%/三振率12.6%をマークし、高卒1年目にして2Aに到達。6-3/210と体格は申し分ないが、82試合で6本塁打、Aでの33試合で上位10%打球速度101.7マイルとパワーを伸ばしていく必要がある。守備は現在CFをこなしているが、将来的には肥大化してRFがフィットするか。
Walker Jenkins


FV55

2.
エマニュエル・ロドリゲス(OF)/Emmanuel Rodriguez:22歳
マイナートップクラスの打球速度と四球率を誇り、走守の能力も平均以上。故障体質と昨季三振率29.5%と三振の多さが懸念事項だが、ある球団の分析モデルによると、球界3,4位にも選ばれている賛否両論のプロスペクト。24年は47試合の出場にとどまったが、2Aでの37試合で打率.298/8本塁打/wRC+203/四球率25.1%をマーク。マイナーではほとんどCFとして出場しBaseball Prospectusの出す守備範囲指標DRPはここ2年で+5.3を記録するなど走守でも貢献できる。才能を発揮できればとんでもない選手になれ、仮に低打率で伸び悩んでもトレント・グリシャムのように2WAR前後は見込めるだろう。
Emmanuel Rodriguez


FV50

23年ドラフト2巡目。走攻守に貢献できるスーパーユーティリティー候補。打撃はコンタクト&出塁能力に優れ、20盗塁レベルの走塁力を備える。守備は2Bを中心にCFや3Bもプレー可能。24年はA+/2Aで打率.303/15本塁打/23盗塁/wRC+158と大ブレイク。辛抱強いアプローチで四球率13.4%/三振率17.2%とゾーン管理も優秀。TJ手術を受けたため、25年はDHで開幕予定。


FV45

コントロールの良いイニングイータータイプ。24年は2A/3Aで計133回を投げて防御率2.37/FIP2.86/奪三振率24.5%/与四球率5.9%をマーク。独特なオーバースローから繰り出される平均93.9マイルでホップ成分の強い4シームがベストピッチ。カッター、スライダー、カーブ、チェンジアップと変化球が平均的であり、これらの質を磨いていくことが先発残留の鍵となるだろう。

ロマン砲。26-6/210の恵まれた体格を有し、パワー、スピード、肩の3ツールがプラス候補というフィジカルモンスター。フリースインガーで三振率28%と依然としてコンタクト能力は弱いが、24年はAでwRC+116と健闘。ゴロ率を38.7%に抑え、14本塁打/ISO.185と長打を稼いだ。上位10%打球速度は19歳にしてMLB平均を超える104.5マイルを計測した。守備はSS中心にCF/3Bでもプレー。サイズ的にSSに残るのは厳しそうだが、オニール・クルーズやエリー・デラクルーズのような開花を期待したい。

6.コナー・プリーリップ(LHP)/Connor Prielipp:24歳
22年ドラフト2巡目。エース級のポテンシャルだが、肘の靭帯手術を2度経験しており、健康面に不安がある。24年は手術から復帰し、9登板(29.1回)で防御率2.70/奪三振率45.1%と順調な回復ぶりを見せた。97-98マイルに届く速球に高スピンのスライダー、平均的なチェンジアップのコンビネーション。制球も安定しており、あとは先発としての耐久性を証明していくだけだ。
Connor Prielipp


7.ダサン・ヒル(LHP)/Dasan Hill:19歳
24年ドラフト全体69位指名の高卒左腕。オーバースロットとなる200万ドルで契約した。6-5/165の長身細身の体格から伸びしろを期待されている。MAX96マイルの4シームに高スピンスライダー、70マイル台で落差の大きいカーブのコンビネーション。コントロールも破綻しておらず、数年後の開花に期待したい。

8.マルコ・ライヤ(RHP)/Marco Raya:22歳
ポテンシャルはローテーション上位クラスも耐久面が不透明。平均で94-95マイルの4シームにスライダー&カーブ&カッターと4球種がプラスピッチ候補。課題のチェンジアップも向上の兆し。コントロールも平均的で、細身の体格からもアップサイド大。しかしマイナーでは3~4イニング程度の起用で慎重に育成されており、先発として稼働できるかが争点となりそうだ。

9.チャーリー・ソト(RHP)/Charlee Soto:19歳
23年ドラフト1巡目の高卒右腕。6-5/210の恵まれた体格から平均95マイル超の速球、変化量大のチェンジアップ&スライダーを投じる。6月終了時点で防御率6.58と苦戦していたが、ラスト7先発で防御率3.67/FIP3.15奪三振率27.3%/与四球率9.8%と覚醒の兆し。4シームはホップ変化量13.7インチと伸びが弱く、4シームからシンカー主体に切り替えたことが功を奏したと見られている。春季トレーニングでは100マイルを連発していた。

24年ドラフト全体21位指名。辛抱強いアプローチでフィールド全体にライナーを打ち分けるコンタクトヒッターで、大学ではここ2年いずれも打率.325超え。昨季3BからSSに転向したが、プロでは3B向きとの評価。3Bとしてはパワーレスなプロフィールだが、近年コンタクト系の打者の改造に成功しているMIN傘下でどうなるか。


FV40

24年シーズン、PHI傘下で最もブレイクした投手プロスペクトの1人。オフのルール5ドラフトでMINに移ってきた。A+で12先発/xFIP3.04、2Aでも8先発/ⅹFIP3.08と好投。計103.2回を投げて奪三振率31.3%/与四球率6.7%と素晴らしい支配力を披露した。MAX97マイルでエクステンション抜群の4シームと80マイル前半のスラーブを主軸に、80マイル中盤で外にフェードするチェンジアップも交える。

12.C.J.カルペッパー(RHP)/C.J. Culpepper:23歳
プラスピッチは持たないが、豊富な球種レパートリーで打者の的を絞らせない。速球、スライダー、カーブ、カッター、チェンジアップをバランスよく織り交ぜる。速球は平均94マイルほど。24年は前腕の張りで欠場があったが、15先発で58.1回を投げて防御率3.55/FIP3.09をマークした。

24年ドラフト2巡目。豪快なパワーが武器のスラッガー候補。ヒットツールに荒さはあるが、MLBでも20-25本塁打が狙えるとの評価。2年生まで1B/DHだったが、3年シーズンに3B転向。しかし、プロ基準で見ると3B守備は平均以下であり、長期的には1Bに回ることになるか。

24年1月に契約金150万ドル弱で入団したトップアマチュア。素晴らしいパワーを有しており、DSLではリーグ2位の11本塁打と順調なデビュー。wRC+は177にのぼった。三振率23.8%/コンタクト率50%とコンタクト能力は要改善。スピード&肩力もプラス評価で、CF中心に外野3ポジションで出場。最終的には肥大化してRFにスライドするとの評価。
大学で5年間プレーもドラフトされず、米独立でプレーしていたが、昨年契約金わずか500ドルでMINと契約すると、すぐさまブレイク。A/A+でwRC+169と打ちまくり、3Aに昇格。3Aでも64試合でwRC+144と打ち続けた。身長5フィート5と小柄でパワーレスだがコンタクト能力と俊足が武器のハッスルプレーヤー。二遊間中心に内外野こなせる。



Notable Prospects

アプローチとコンタクト能力に優れた中距離ヒッターで、24年はA+で81試合/wRC+150とよく打った。辛抱強いアプローチで四球率14.9%と四球を稼ぎ、11本塁打/ISO.185とパンチ力もある。一方で捕手としての守備力は平均以下の評価で、LFでも18試合に出場した。Baseball Prospectusの出すフレーミング指標は+4.2と捕球能力は良好も、盗塁阻止率13%と送球能力に問題あり。

ユニークなイニングイーター候補。速球は平均90マイルとパワーレスだが、平均より3.2インチもホップ変化が大きい(23年のデータ)ため空振りが取れる。またナックルボールの使い手であり、80マイル台の高速ナックル、70マイル台のカーブ、80マイル前半の縦スライダーと変化球も多彩。6-5/220の体格からスタミナも豊富だ。

並外れたコンタクト能力を有し、左右の違いはあるがMIN傘下出身でもあるルイス・アラエスと比較される原石。Rでは36試合で驚異の三振率6.4%をマーク。3本塁打/ISO.128とパワーは未発達だが、出塁率.382/wRC+120と平均以上の打撃成績を収めた。アラエスと同様に2B守備は平均以下で、1Bにスライドする可能性あり。

24年ドラフト3巡目。ドラフトイヤーは負傷で20試合の出場にとどまったが、OPS1.216覚醒のと兆しを見せていた。CFでも活躍できるほどの運動能力を有し、大学ではRF中心に捕手でもプレー。捕手としてドラフトされた。打撃は積極アプローチの二塁打マシーンで、パワーをどれだけ伸ばせるか。

2025年2月16日日曜日

2025 KANSAS CITY ROYALS TOP 15 PROSPECTS

2025 KANSAS CITY ROYALS

TOP 15 PROSPECTS

2025年 カンザスシティ・ロイヤルズ プロスペクトランキング
Jac Caglianone

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV50

1.ジャック・カグリオン(1B)/Jac Caglianone:22歳
大学では投打の二刀流で活躍したが、プロでは打者としてのプレーが主になる見込み。アプローチが荒く(大学でチェイス率39%、プロでも40%)リスクはあるが、パワーはMLBトップクラス。オフのAFLでは打球速度117.3マイル(昨季のMLBで117.3マイルを越したのは7人のみ)を計測した。A+では29試合でwRC+96と不発だったが、通年でどうか?投手としてはMAX100マイル&変化球も切れるが、大学2年間で防御率4.55/与四球率15.4%と制球難で、大谷翔平のような先発兼任は厳しそうだ。リリーフとレギュラー1Bを天秤にかけたら間違いなく後者の方が優先度が高く、まずは打者としての成功を目指す。
Jac Caglianone


2.
ブレーク・ミッチェル(C)/Blake Mitchell:20歳
23年ドラフト全体8位指名の高卒攻撃型捕手。プラスのパワーと優秀な判断力(平均以上のゾーンスイング率と平均以下のボール球スイング率を両立)を有し、高卒1年目ながらAで18本塁打/wRC+141/四球率17%と結果を出した。打率.238/三振率30.5%とコンタクト能力は要改善。走塁面では、スピードは平均以下だがマイナー捕手3位の25盗塁をマーク。守備では高校時に投手としてMAX97マイルのダブルプラスの強肩が武器で、捕球面の評価も平均以上。Baseball Prospectusの出すフレーミング指標では+8.0をマークした。63試合で113許盗塁/阻止率14%と送球精度は要改善だ。
Blake Mitchell


21年ドラフト3巡目指名。パワーと選球眼に強みがあり、高卒3年目にしてA+/2Aで18本塁打/wRC+129とブレイク。2Aでの41試合/wRC+112をマーク。MLB成功ルートに乗ることができた(20歳シーズンで2AでwRC+100程度できるとおおかたMLBに定着できる)。捕手としての守備力は平均的という評価。平均以上の肩力を武器に盗塁阻止率26%をマークした。Baseball Prospectusの出すフレーミング&ブロッキング指標はややマイナスだった。
Carter Jensen


FV45

4.
ブレーク・ウォルタース(RHP)/Blake Wolters:20歳
23年ドラフト2巡目の高卒投手。オーバースロットとなる契約金280万ドルで入団した。6-4/215という立派な体格の持ち主で、高卒1年目にして速球はMAX99.4マイルに到達。スライダーも2700rpmに達するなどポテンシャルは高い。Aでは14先発を経験したが、ラスト4登板は速球の平均が96→94マイルに落ちていたので体力強化は今後の課題か。数年後のブレイクに期待。

5.ラモン・ラミレス(C)/Ramon Ramirez:20歳
23年1月にわずか契約金5.75万ドルで契約するとそこからマイナーで好成績を出し評価を上げている。パワーが武器の攻撃型捕手で、24年はRで7本塁打/wRC+115をマーク。スイング率を前年の61%から48%にトーンダウンさせるなどより選択的なアプローチをとることができるようになった。すでに上位10%打球速度105マイルはMLB平均を超している。捕手守備は発展途上で体型も一般的な捕手よりもガッシリしているため、捕手に留まれるように特訓が必要だろう。

6.ノア・キャメロン(LHP)/Noah Cameron:25歳
速球とチェンジアップをコマンド良く投げ分けるイニングイータータイプ。24年は2A/3Aで計25先発して防御率3.08/FIP3.25/奪三振率27.8%/与四球率6.7%と好投。statcastデータが得られる3Aでの成績に着目すると、チェンジアップは空振り率46.7%/得点価値8.5をマーク。カーブ&カッターも得点価値プラスと効果的だった。

22年ドラフト全体9位指名。大学屈指の強打者として入団したが、1年目の23年はwRC+98と不発。24年は2Aで15本塁打/30盗塁/wRC+115と復活のシーズンを送った。「20-20」が狙えるパワー&スピードを兼ね備え、RF/CFにふさわしい守備力を有する。大振りで速球への弱さが指摘されており、上位レベルの投手に対応できるか。

FV40

8.ベン・クドルナ(RHP)/Ben Kudrna:22歳
21年ドラフト2巡目。スロット額の倍近い契約金300万ドルで入団した。92-95マイルの速球にスライダー、チェンジアップのコンビネーション。24年はA+/2Aで22先発して防御率4.21/奪三振率24.2%/与四球率10.8%/FIP4.50と年齢を考慮すれば健闘した。4シームは質に問題があり、将来的にはツーシームを軸とした投球に適性があるとの評価。現時点ではガッシリ体型&2年連続108.2イニング以上の耐久力を売りとしたローテーション下位のイニングイーター向きだろう。

22年ドラフト4巡目。90マイル中盤で変化量大の4シームと80マイル中盤から後半に届くハードスライダーがプラスピッチ候補。プロ2年で与四球率5.9%とコントロールも安定している。大学ではリリーフ中心のキャリアも、24年はA+/2Aで計126回を投げて防御率3.64/FIP3.03/奪三振率23.8%/与四球率5.6%と2年続けて先発として結果を出した。チェンジアップの開発が先発残留の鍵。

10.
デービッド・シールズ(LHP)/David Shields:18歳
24年ドラフト2巡目の高卒左腕。アメフトのクォーターバックとしても鳴らしたアスリートで、 伸びしろを高く買われている。現時点では速球の球速は89-92マイルだが、野球に専念した環境でどれだけ伸びるか。スムーズな投球フォームも高評価。ドラフト時点で17歳と一般的な高校生選手よりも1歳若いのもポイント。

24年ドラフト3巡目。テネシー大では1年時から先発として活躍。USA代表でもプレーした実力者だが、ドラフトイヤーに成績を落とした。プラスピッチは無いが、4球種を効果的に織り交ぜるストライクスロワー。大学3年間で通算与四球率6.5%とコントロールに強みあり。

12.
ハビアー・バス(2B/OF)/Javier Vaz :24歳
小柄でパワーレス(平均打球速度85マイル)だが、卓越したバットコントロールとプラスのスピードが武器のスーパーユーティリティ候補。24年は2AでwRC+118をマークしたが、四球率14.0%/三振率11.5%、コンタクト率87%とヒットセンスはマイナーでも指折りだ。また、パワーレスではあるが、ゴロ率35%/フライ率41%とバレルゾーンに打球を集めるのが上手く、ギャップを破ることができる。

13.ヤンデル・リカルド(SS)/Yandel Ricardo:18歳
24年1月に240万ドルで契約したキューバ出身の大器。長身細身のスイッチヒッターで、20HR相当のパワーポテンシャルとSSにふさわしいツールを兼ね備える。DSLではスイング率60%という何でも振りに行くアプローチがネックとなり、打率.213/wRC+91と期待外れのパフォーマンス。しかし、8月は11試合でwRC+152と打っていたので、来季の飛躍に期待したい。

22年ドラフト20巡目。進学の可能性が高いためスリップしたが、3-4巡目相当の契約金でプロ入りした。6フィート4の長身アスリートで、現時点ではロマン枠だが、エリー・デラクルーズ(CIN)やオニール・クルーズ(PIT)のような大器になれる可能性も。24年は2年目のAでwRC+121と成長を見せたが、フリースインガーでコンタクト率66%/三振率25.8%とヒットツールは依然として荒いままだ。
平均93.5マイルの4シームとスピンレート950rpmという低回転スプリットのコンボ。長身細身の体格から速球はもう数マイル向上が見込めそうだ。24年はAで110.1回を投げて防御率2.94/奪三振率23.5%/与四球率7.3%/FIP3.89をマーク。先発として大成するには、ブレーキングボールの質を改善したい。


Notable Prospects

韓国出身。コンタクト率65%と空振りは多いが、プルサイドへのパワーと平均以上になり得る守備力が強み。18歳で渡米し、すでに通訳なしで英語のインタビューに答えられるほど英語が堪能で、投手とのコミュニケーションをより活発に行うためにスペイン語のレッスンも受けている。オフに参加したオーストラリアリーグでは38試合で10本塁打/OPS.912と大活躍だった。

プラスのスピードが武器のセンターフィールダー。打撃は現時点ではパワーレスでコンタクト重視だが、長身細身の体型からパワー向上の余地を残す。24年はRでの41試合でwRC+110をマーク。プロ通算88試合で1本塁打止まり。

24年ドラフト4巡目。大学ではリリーフとしてプレーし奪三振率39.1%をマークしたKマシーン。4シームの球速は92-95マイルと平均的だが、低リリースから浮き上がる軌道のため空振りを量産できるダブルプラスピッチ。変化球やコントロールの精度を磨いていきたい。

2025年2月15日土曜日

2025 DETROIT TIGERS TOP 15 PROSPECTS

2025 DETROIT TIGERS

TOP 15 PROSPECTS

2025年 デトロイト・タイガース プロスペクトランキング
Jackson Jobe


本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。

FV60

1.ジャクソン・ジョーブ(RHP)/Jackson Jobe:22歳
21年ドラフト全体3位指名の高卒投手。マイナーNo.1の投手プロスペクトで、ほぼ完ぺきなスペックを有する。MAX101.8マイルで平均以上のホップ変化量を誇る4シームと平均2900rpm超えのスライダーがダブルプラスピッチ。シュート方向に15インチ以上フェードするチェンジアップ&プロ入り後に習得したカッターもプラスピッチ候補。まだプロでシーズン100イニングを投げたことが無く、耐久面はこれから証明していく必要がある。
Jackson Jobe


FV55

2.ケビン・マゴニグル(SS)/Kevin McGonigle:20歳
23年ドラフト全体37位指名。コンタクト&アプローチが洗練されたラインドライブヒッター。24年はAでwRC+150と期待以上の活躍を見せた。辛抱強いアプローチと高いコンタクト率のおかげで四球率12.9%/三振率8.9%をマーク。上位10%打球速度102.7マイルは19歳の平均を上回っており、引っ張りフライ率も10%(MLB平均7%)と高いため、将来的には本塁打増も期待できる。守備面では、ドラフト時は肩の弱さから2B向きとの評価だったが、SSに定着できるとの評価を得た。
Kevin McGonigle


23年ドラフト全体3位指名の高卒外野手。70評価のスピード&強肩を有する5ツールポテンシャルであり、ラインドライブを量産するプラスのヒットツールと合わせて、昨季新人王を獲得したコービン・キャロル(ARI)が完成型だろう。パワー向上が今後の課題。Aで記録した上位10%打球速度102マイルは19歳の平均を上回っているが、ゴロが多いため長打につながっていない。バレル率3.4%/引っ張りフライ率5.9%はいずれも球界平均を下回る。


FV50

4.タイロン・リランゾ(C)/Thayron Liranzo:21歳
ジャック・フラハティの見返りの1人として昨夏LADから獲得。プラスのパワーが武器のスイッチヒッター捕手で、捕手にとどまれるだけの守備能力も兼ね備える希少な存在。24年はA+で打率は.244にとどまったが、12本塁打/四球率17.5%と長打力と出塁能力を発揮。wRC+は130をマークした。守備ではプラスの肩力を有し、課題である捕球能力も改善のためにハードワークを積んでいる。
Thayron Liranzo


5.ブライス・レイナー(SS)/Bryce Rainer:19歳
24年ドラフト全体11位指名。パワーと強肩が自慢の左打ち巨体SSで、コリー・シーガー(TEX)と比較される。走力は平均以下だが、機敏なフットワークと滑らかな守備動作、ダブルプラスの強肩からSSにとどまれるだろうとの評価を得ている。ヒットツールを不安視されており、プロの投手に対応できるか。

20年ドラフト2巡目。アスレチックな守備型捕手で、低打率ながら15~20本塁打程度の一発が望める。24年は打撃力の改善に成功。3Aで打率.308/17本塁打/wRC+139をマークした。チェイス率は悪いが、平均以上のコンタクト率&打球速度&引っ張りフライ率を記録している。守備では、プロ入りからマイナーで4年連続盗塁阻止率30%超え&Baseball Prospectsの出すフレーミング指標プラスと守備力は申し分なく、ジェーク・ロジャースのバックアップ捕手には適任だろう。


FV45

7.トレイ・スウィーニー(SS)/Trey Sweeney:25歳 
堅守が武器のショートストップ。24年はフラハティのトレードでLADから加入すると、MLBでは36試合でwRC+81と打撃貢献は平均以下ながら、DRS+3/OAA+2と守備で活躍。ハビアー・バイエズからレギュラーを奪い、ポストシーズンでは7試合全試合フルイニング出場を果たした。ドラフト時に肩力不足から2B向きとされた守備が大きく成長。下位打線レギュラーもしくはユーティリティーとしてMLBに定着できるか。

22年ドラフト全体12位指名で、ジョシュ・ヤン(TEX)の弟。バットを捕手方向に大きく傾けた独特の構えからフライボールを量産し、辛抱強いアプローチで四球も稼げる。24年は3Aで出塁率.380/15本塁打/wRC+122をマークした。しかしレギュラーに定着するには、平均以下の守備力を改善していく必要がある。MLBではわずか27試合でDRS-6/OAA-3を叩き出してしまった。

高アングルのオーバースローから平均93マイルのライジングファストと縦カーブのコンボで打者を制圧する。(23年にAでプレーした際、4シームのIVB(ホップ変化量)はMLBトップクラスの20.3インチを記録している。)24年はA+で23先発して防御率2.64/奪三振率30.6%/与四球率7.8%/FIP3.09と好投。91球以上投げた試合は無く、スタミナ面は不透明。

10.
ブラント・ハーター(LHP)/Brant Hurter:25歳 
球威不足だが、平均92マイルのシンカーと高回転のスウィーパーを抜群のコマンドで投げ分ける技巧派左腕。24年はMLBに昇格すると、右打者との対戦を減らせるように第2先発として5イニング前後を投げる起用法で成功。10登板で計45.1回を投げて防御率2.58/FIP3.03をマークした。決して右打者に弱いわけではなく、右打者と対戦時にはスウィーパーを外角に出し入れし、内角高めの4シームや外角低めのチェンジアップを交えて的を絞らせない。ローテーション5番手もしくはミドルリリーフとして貢献できるだろう。

パワーとヒットツールを両立した攻撃型捕手。24年はAで40試合に出場してwRC+123をマーク。ゴロが多いため、2本塁打/ISO.099にとどまったが、上位10%打球速度104.3マイルは19歳にしてすでにMLB平均レベルで、コンタクト率&チェイス率も平均以上と打撃ポテンシャルは捕手離れしている。オフのAFLでは長打狙いのアプローチが功を奏し、25試合で10本塁打を放つ活躍で三冠王を獲得した。来季通年で長打を量産できるか。守備面は膝の故障の影響で、1Bでの出場が主だったので、捕手に残れることを証明していく必要がある。

12.ハオユー・リン(2B)/Hao-Yu Lee:22歳
台湾出身。ヒットツールプラス、パワー平均以下の攻撃型二塁手。23年夏にマイケル・ロレンゼンとの1対1トレードでPHIから移ってきた。24年はプルヒッティングに磨きをかけ、2AでwRC+141、自己最多の12本塁打/ISO.190をマークした。守備は2B専門で決して上手くはないが堅実にこなせる。肩が弱いため3BやSSを守れる守備力はないとの評価で、ユーティリティー向きではない。打撃力を磨いて2Bレギュラーを目指したい。


FV40

プラスのスピード&強肩を有するアスリートで、SSに残れる可能性あり。Rでは48試合で打率.273/6本塁打/wRC+136をマーク。細身でパワーは未発達ながらゴロ率35.6%とボールを空中に集める技術が高く、二塁打を稼げる。コンタクト率が70%を割るなどやや空振りが多く、A昇格後は20試合で打率.095/三振率31%と適応に苦しんだ。

14.オーウェン・ホール(RHP)/Owen Hall:19歳
24年ドラフト2巡目の高卒右腕。MAX98マイルで伸びのある4シームと切れのあるスライダーがプラスピッチ候補。6-3/185の体格から速球はまだ工場の余地あり。球威は良いだけに、チェンジアップの開発とコントロールの改善がプロでの課題。

15.トロイ・メルトン(RHP)/Troy Melton:24歳
22年ドラフト4巡目。90マイル中盤を計測する球威とプラスのコントロールを両立した右腕で、23年にA/A+で防御率2.74/FIP3.13とブレイク。しかし、24年は2Aで23先発して防御率5.10/FIP4.42と苦戦。奪三振率27.7%/与四球率7.0%はいずれも優秀だったが、ゾーン中心にボールが集まる傾向があり、HR/9=1.70、HR/FB=20%と被弾の多さに泣いた。スイーパー&チェンジアップも平均以上で3球種扱え、6-4/210と体格も良いため、細かいコマンドを改善できれば、ランス・リンのようなイニングイーターになり得る。

Notable Prospects

ネクストブレイクに期待したい両打ち捕手。高い運動能力と盗塁阻止率35%を記録した強肩から捕手に定着できるだろうと見られている。打撃では判断力とパワーポテンシャルを兼ね備える。Rでは四球率15.3%と強みを発揮したが、打率.242/ゴロ率52%/コンタクト率67%とコンタクト能力は要改善。実戦でパワーを発揮していきたい。

クリス・ロドリゲス(OF)/Cris Rodriguez:19歳
25年度のMLB公式国際アマチュアFAランキングで4位に入っていた逸材。16歳ですでに6-4/200と年齢離れした体格を有しており、30ホーマー級のパワーポテンシャルを秘める。現在プラスのスピードは将来的に失われるとの見込みで、CFから両翼に移ることになるか。

ホゼ・ディクソン(SS)/Jose Dickson:23歳
24年1月に39万ドルで契約した原石。現時点では細身でパワーレスだが、高いコンタクト能力と二遊間に留まれるだけの運動能力を兼ね備えている。DSLでは44試合で打率.273/0本塁打/wRC+122をマーク。6-2/158の細身の体格にどれだけ筋力をつけられるか。

タイラー・マティソン(RHP)/Carson Rucker:24歳
パワーリリーバー。24年はTJ手術で全休、25年途中に復帰予定。23年にA+/2Aで59.2回を投げて防御率2.41/奪三振率37.9%/与四球率11.7%をマーク。95マイル前後の伸びのある4シームと80マイル台のパワーカーブのコンボ。

21年ドラフト全体32位指名。平均94マイル超でホップ成分の強い4シームを高めに、切れ味鋭いハードスライダーを低めに投げ分けて空振りを稼ぐパワーピッチャー。チェンジアップやカッターもレパートリーに扱う。24年は3Aで防御率7.97と撃沈。MLBでは23回で防御率4.30/FIP3.99とまずまずだったが、プラスピッチ不足&コマンドの平凡さを改善していきたい。


2025年2月11日火曜日

2025 CLEVELAND GUARDIANS TOP 15 PROSPECTS

2025 CLEVELAND GURADIANS

TOP 15 PROSPECTS

2025年 クリーブランド・ガーディアンズ プロスペクトランキング
Travis Bazzana

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は25年6月30日見込みのもの。


FV55

1.トラビス・バザーナ(2B)/Travis Bazzana:22歳
24年ドラフト全体1位指名。身長6フィート0と体は大きくないが、コンパクトなスイングと上質な選球眼で長短打を量産し、打者としての欠点がない。ドラフトイヤーはパワーも伸ばし、打率.407/28本塁打/OPS1.479/四球率25.8%ととんでもない成績を収めた。プラスのスピードを武器に盗塁も稼げる。守備はあまり上手くなく、平均的との評価。2Bがダメなら俊足を生かしてCF転向の可能性も。
Travis Bazzana


FV50
昨季新人王得票3位に食い込んだジャクソン・チョーリオ(MIL)の弟。現時点ではパワーレスだが、パワー以外の4ツールがプラス候補のオールラウンドCF。特にコンタクト&アプローチが成熟している。24年はAで四球率19.9%/三振率16.0%と素晴らしいゾーン管理を見せ、出塁率.414/wRC+144をマークした。たしかに低弾道とパワーレス(MAX打球速度111マイルを計測するなど年齢考えれば優秀)は欠点だが、19歳でこれほどのヒットツールを有するプロスペクトは希少であり、今後20代を通してパワーを伸ばせれば十分だろう。
Jaison Chourio


3.アンヘル・ヘナオ(SS)/Angel Genao:21歳
優れたバットコントロールでラインドライブ量産するスイッチヒッター。24年は20歳シーズンながらA/A+で打率.330/10本塁打/wRC+150とブレイク。積極アプローチで四球も三振も少ない。現時点ではライナー重視の打撃で、パワーをどれだけ伸ばせるか。走塁評価は平均的で、25盗塁(5失敗)をマーク。守備はSS中心に2B/3Bでもプレー。強肩でハンドリングやフットワークも軽やかなため、SSに留まれる可能性あり。
Angel Genao


22年ドラフト1巡目の大学生で、選手としての将来像はカイル・タッカー(CHC)。6-4/235の恵まれた体格からプラスのパワーと優れたゾーンコントロールを兼ね備え、走守の評価も平均以上。CFならこなせる程度、RFなら平均以上との評価。大学時代から故障続きで、24年も39試合の出場にとどまっており、健康に1年間プレーできるかが最大の懸念事項。また、ゴルフ風のアッパースイングで上位投手にも対応できるかを証明していく必要がある。


5.クーパー・イングル(C)/Cooper Ingle:23歳
コンタクト&アプローチに優れる攻撃型捕手。24年はA+/2Aで打率.305/11本塁打/wRC+160とブレイク。慎重アプローチでボール球を振らず、四球率15.9%/三振率13.7%と三振数を上回る四球数を獲得した。捕手ながら平均レベルの走力を有し、運動能力は高い。捕手守備は要改善とされるも、24年は74試合で捕逸を1つに抑えるなど向上の兆し。次は78盗塁を許した送球能力を改善していきたい。

23年に契約金137.5万ドルで入団したトップアマチュア。ヒットツールに秀でたスイッチヒッターSSで、24年は18歳ながらR/Aで打率.326/7本塁打/wRC+140と素晴らしいパフォーマンス。身長5フィート11と小柄な体格でパワーをどれだけ伸ばせるか。守備ではSSに必要なハンドリングと守備範囲を有するが、肩力不足からMLBでは2B向きと見なす評価も。


FV45

23年ドラフト1巡目の高卒スラッガー。6-2/240という迫力ある体格に強靭なパワーを秘めており、コンパクトなすり足打法で対応力もOK。プロ1年目はAで10本塁打/wRC+131をマーク。やや空振りが多く、A+では19試合/wRC+54と苦戦した。アマチュアでは捕手だったが、プロでは完全に1Bへコンバート。LFでも7試合出場しているが、平均を大きく下回る走力から長期的にはやはり1Bが適任だろう。

コンタクト&アプローチに優れたスイッチヒッター。24年は3AでwRC+113をマーク。小柄で上位10%打球速度101.9マイルとパワーポテンシャルは平均以下だが、高い引っ張りフライ率のおかげで長打を稼げる。24年はマイナーで2人しかいない「20本塁打/40二塁打」を達成した。守備走塁の能力は際立っておらず、24年は主に2Bを守ったが、次に機会が多かったのは1Bだった。2B/3Bとしては守備力不足、1B/OFとしてはパワー不足で、ベンチプレーヤー向きと見なす評価もあるが、ヤンディ・ディアス(TB)のような巧打の1B/3Bとしてのブレイクもありえる。

速球は平均92マイルと球威不足だが、タイミングの取りにくいフォームからプラスのチェンジアップで打者を欺く技巧派左腕。落差の大きいカーブも効果的な球種。24年はMLBデビューすると8先発(9登板)で38.2回を投げてFIP4.07/奪三振率27%と健闘。マイナー7年で与四球率11.3%とコントロールに課題があるが、MLBでは9.2%(ラスト5登板は7.1%)と安定していた。耐久力とコントロールを改善できればローテーション4番手クラスの先発になれる。理想の完成像はタイラー・アンダーソン(LAA)か。

10.C.J. ケイファス(1B/OF)/C.J. Kayfus:23歳
洗練された左のスラッガー。パワーポテンシャルは平均的だが、高いバレル能力と成熟したゾーン理解で得点貢献を生み出す。24年はA+/2Aで打率.291/17本塁打/wRC+157をマーク。ゴロ率38%とライナー/フライを量産し、効率よく長打を稼いだ。1B守備の評価も平均以上。LFでも22試合に出場し起用の幅を広げた。

リリーフプロスペクト。大学3年間で防御率1.41/奪三振率43.6%と圧倒的な成績を残し、プロ1年目も2A/3Aで防御率2.32/奪三振率37.4%と好投。ドラフトから1年でMLBデビューを果たした。平均96マイルでホップ変化量の大きいダブルプラスのライジング4シームとプラスのスライダーで打者をねじ伏せる。


FV40

12.ジュナイカー・カセレス(OF)/Juneiker Caceres:17歳
シーズンの大半を16歳で過ごしながら、DSLで打率.340/出塁率.425をマークした左打者。5-10/168とアンダーサイズで身体能力は抜きん出ていないが、華麗なスイングで全方向に長短打を量産する打撃スキルが光る。40試合で0本塁打に終わったが、ゴロ率を33%に抑えるなどバレル感覚に優れ、ISOは.163と高水準だった。すでにMAX打球速度108マイルを計測するなどパワーもあり、本塁打増に期待したい。守備は両翼で、パワーの伸びが天井を左右するだろう。

270ポンドの迫力ある体格から「タグボード(大型船をけん引する船で、船体は小さいが馬力が大きい)」のニックネームを持つ巨漢左腕。速球の平均は90マイルを割っているが、低リリースから高めに集めるフラットアプローチにより高い空振り率を誇る。24年はA/A+で24先発して防御率1.90/奪三振率37.6%/与四球率8.0%と驚異的なパフォーマンスを見せた。プラスピッチがないため、マイナー上位の打者にどう対応するか。

14.ブレイロン・ドーティ(RHP)/Braylon Doughty:19歳
24年ドラフト全体36位指名の高卒右腕。6-1/196と体格は平均的だが、運動能力の高さが際立つアスリート。速球はすでに97マイルに達しており、カーブ&スライダーも高回転でプラスピッチ候補。特にカーブはMLBでもトップクラスとなるスピンレート3000rpmに届く。スムーズでバランスの取れた力感のないフォームからコントロールの成長も期待できる。

15.
ジョーイ・オーキー(RHP)/Joey Oakie:19歳
24年ドラフト3巡目の高卒右腕。6-3/195の恵まれた体格から力強いボールを投げ込むパワーピッチャー。サイド気味の低リリースからMAX97マイルでシュート方向に鋭く食い込むランニングファストと大きくスウィープする80マイル中盤のハードスライダーのコンボ。コントロールやチェンジアップは改善の必要があり、リリーフ転向のリスクも。

Notable Prospects

ガッシリとした体型で、耐久力に強みがあるイニングイーター候補。マイナーで2年続けて120イニング以上を消化しており、24年はA+/2Aで133.2回を投げて防御率2.83/奪三振率30.2%/与四球率8.0%をマークした。速球は平均92マイル、MAXで95-96マイルに届くなどこの手の投手の中では及第点レベルの馬力を備える。

24年ドラフト2巡目。24年ドラフトの捕手で4番目に指名された。平均以上の守備力と捕手ながら平均以上のパワーを有している点が強み。アッパースイングでヒットツールに課題があり、プロでは13試合という小サンプルながら打率.119/三振率36.7%と苦戦した。
傑出したツールは無いが、走攻守に完成度の高いオールラウンドCF。打撃はライナー重視のコンタクトヒッターで、2AでwRC+105をマーク。守備ではBaseball  Prospectusの出す守備指標DRPで4年連続+5.8以上(24年は6.3)を記録するなど鉄壁ぶりが光る。不動のレギュラーを張れるほどの打撃力はなさそうだが、下位打線レギュラーor第4、第5の外野手にフィットしそうだ。

パワーヒッター候補。R/Aでの77試合で打率.263/7本塁打/wRC+131をマーク。打球速度114マイルと18歳にしてすでにMLBトップクラスのパワーを示しており、ゴロ率34%/引っ張り率51%と引っ張りフライを量産するアプローチも身に着けている。空振りの多さが課題。