2024年6月2日日曜日

2024 TOP 20 PROSPECTS:Index By Organization

2024 TOP 20 PROSPECTS

Index By Organization

James Wood
 

MLB30球団のプロスペクトランキングトップ20を公開しています。以下の球団名リンクから閲覧することができます。傘下注目のプロスペクト上位20名をスカウティングレポートと共に紹介しています。

アメリカン・リーグ


Baltimore Orioles /ボルティモア・オリオールズ
Boston Red Sox /ボストン・レッドソックス
New York Yankees /ニューヨーク・ヤンキース
Tampa Bay Rays /タンパベイ・レイズ
Toronto Blue Jays /トロント・ブルージェイズ

Chicago White Sox /シカゴ・ホワイトソックス
Cleveland Gurdians /クリーブランド・ガーディアンズ
Detroit Tigers /デトロイト・タイガース
Kansas City Royals /カンザスシティ・ロイヤルズ
Minnesota Twins /ミネソタ・ツインズ

Houston Astros /ヒューストン・アストロズ
Los Angeles Angels /ロサンゼルス・エンゼルス
Oakland Athletics /オークランド・アスレチックス
Seattle Mariners /シアトル・マリナーズ
Texas Rangers /テキサス・レンジャース

ナショナル・リーグ


Atlanta Braves /アトランタ・ブレーブス
Miami Marlins /マイアミ・マーリンズ
New York Mets /ニューヨーク・メッツ
Philadelphia Phillies /フィラデルフィア・フィリーズ
Washington Nationals /ワシントン・ナショナルズ

Chicago Cubs /シカゴ・カブス
Cincinnati Reds /シンシナティ・レッズ
Milwaukee Brewers /ミルウォーキー・ブルワーズ
Pittsburgh Pirates /ピッツバーグ・パイレーツ
St. Louis Cardinals /セントルイス・カージナルス

Arizona Diamondbacks /アリゾナ・ダイアモンドバックス
Colorado Rockies /コロラド・ロッキーズ
Los Angeles Dodgers /ロサンゼルス・ドジャース
San Diego Padres /サンディエゴ・パドレス
San Francisco Giants /サンフランシスコ・ジャイアンツ

2024年6月1日土曜日

2024 TEXAS RANGERS TOP 20 PROSPECTS

2024 TEXAS RANGERS 

TOP 20 PROSPECTS

Evan Carter

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV60

1.エバン・カーター(OF)/Evan Carter:21歳
Baseball Americaのドラフトトップ500にも入っていなかったが、20年ドラフト2巡目でTEXが指名。スムーズなスイングで打撃の才能が抜きん出ており、攻守のポテンシャルをブランドン・ニモ(NYM)と比較される。23年は2Aで97試合/wRC+133、MLB昇格後も23試合/wRC+180と勢い止まらず。打球速度は平均的で、パワーをどれだけ伸ばせるか。24年は新人王候補に挙げられていたが、5月30日時点でwRC+79と平凡なパフォーマンスにとどまっている。
Evan Carter


23年ドラフト全体4位指名。大学屈指の強打者として入団すると、プロ入り44試合で打率.360・10本塁打・OPS1.157と打ちまくった。パワーとアベレージを両立した球界を代表するスラッガーへの成長が期待される。守備は要改善で、LFが適任との評価。24年は春季トレーニングでも打ちまくり開幕ロースター入りを果たしたが、5月30日現在でwRC+67と苦戦している。

FV50

3.
セバスチャン・ウォルコット(SS)/Sebastian Walcott:18歳
23年に契約金300万ドルで入団したバハマ出身の原石。パワーポテンシャル。23年はプロ初年度、17歳のシーズンにしてMLB平均を上回る打球速度112マイルを計測。一気にA+まで昇格を果たした。三振率29.7%とコンタクト難。オニール・クルーズ(PIT)やエリー・デラクルーズ(CIN)のようなスケールの大きい選手への成長に期待(2人ほどの爆発的なアスリート性はなさそうだが)。
24年は5月30日現在、A+で8先発して防御率1.69・奪三振率33.3%と好投中の右腕。95-96マイルの4シーム、スライダー、チェンジアップのコンビネーション。速球を高めに、変化球を低めに投げ分けるコマンドも素晴らしい。2A昇格後も成績を維持できれば大きく評価を上げるだろう。

FV45

5.クマー・ロッカー(RHP)/Kumar Rocker:24歳
バンダービルト大では7位のジャック・ライターと共にWエースで活躍。21年に全体10位でメッツに指名されたが、身体検査の結果を巡って破綻。不運にもその後、肩を手術。それでも翌22年にTEXから全体3位指名を受けた。23年は開幕からA+で6先発し防御率3.86・奪三振率37.8%と好投していたが、TJ手術でシーズン終了。今季も全休が見込まれている。健康であればMAX99マイルの速球と80マイル中盤のスライダーがプラスピッチ候補。

20年ドラフト1巡目指名。22年からコンタクト重視のアプローチに切り替え、三振率が大幅に改善。昨季は3Aでゾーン内コンタクト率93.2%と優秀な数字を記録した。一方で平均87.3マイルという平均的な打球速度、GB%=55%というゴロの多さからwRC+113と打撃貢献は伸び悩んだ。また守備力もシーガー&セミエン&ヤンを追いやるほどでなく、1B/DHのレギュラーorバックアップ内野手で生きる道を探ることになるか。

21年ドラフト全体2位指名。凄まじいノビを誇るMAX99マイルの速球が武器のパワーピッチャーで変化球も切れる。しかしプロではコマンド難に苦しみ、期待外れのパフォーマンスが続ている。また先発投手としてはアンダーサイズであり、与四球の多さも含めて耐久面を証明していく必要がある。それでも24年は5月30日現在、3Aで6先発して防御率3.94と結果を出し、MLBデビューも経験した。
Jack Leiter


22年のMLBドラフトリストでは投手トップの11位にランクインしていた大器。進学の可能性からスリップしたが、4巡目としては史上最高額となる契約金370万ドルでプロ入りした。90マイル中盤の速球とブレーキの利いたチェンジアップのコンビネーション。とはいえ全体的に磨かれる必要があり、完成には時間がかかるだろう。制球難を改善したい。


FV40

9.
アレハンドロ・ロザリオ(RHP)/Alejandro Rosario:22歳
23年ドラフト5巡目。大学3年間で防御率6.47・与四球率9.8%とパッとしなかったが、5月30日現在、Aで6先発して防御率1.78・奪三振率36.5%・与四球率4.8%と支配的なパフォーマンスを見せている。平均97マイル/最速100マイルの4シーム&シンカーを軸に、2600rpm前後のスライダー、フェード軌道の良いチェンジアップでゾーンを幅広く扱う。

10.ホゼ・コルニエル(RHP)/Jose Corniell:21歳
20年にラファエル・モンテロとのトレードでSEAから獲得。23年はコントロールが改善され、A/A+で101.2回を投げて防御率2.92・奪三振率29.8%・与四球率7.8%と好投を見せた。92-95マイルの速球とプラス候補のスラーブを軸に、左打者にはカッターやチェンジアップを効果的に織り交ぜる。24年は肘の痛みにより、5月30日現在登板なし。

11.エミリアノ・テオドー(RHP)/Emiliano Teodo:23歳
ヨーダノ・ベンチュラ(元KC)と比較される小さな剛腕投手。常時90マイル後半の速球と3000rpmにも達するパワーカーブのコンビネーションは強烈。先発に残るには与四球率12.3%のコントロールの改善と耐久面の証明が求められる。最も輝けるのはクローザーか?

12.
ジョセフ・モンタルボ(RHP)/Joseph Montalvo:22歳
90マイル前半のライズ系4シーム、スイーパー系のスライダー、シュー方向にフェードするチェンジアップのコンビネーション。昨季はAで95.1回を投げて防御率2.83・奪三振率27%をマークした。24年は5月30日現在、奪三振率・与四球率ともに改善しており、今後が楽しみである。

13.ミッチ・ブラット(LHP)/Mitch Bratt:20歳
21年ドラフト5巡目。速球は90マイル前後と球威は突出していないが、18歳のシーズンにAでFIP3.26、19歳にしてA+でFIP3.50と好投した点は評価したい。速球、カーブ、チェンジアップをコマンド良く織り交ぜることができる完成度が強み。エースというよりはローテーション下位向きのポテンシャル。

14.キャメロン・カーリー(SS)/Cameron Cauley:21歳
ダブルプラスのスピードを有するアスリート。肩も強く、プラスのSSディフェンダーに成長するポテンシャルを秘めている。問題は昨季A/A+で三振率31.6%を喫した打撃能力。コンタクト能力の改善が求められる。

15.イェイソン・モロブル(OF)/Yeison Morrobel:20歳
21年1月に契約金180万ドルで入団した原石。成熟したアプローチでコンタクトを量産する打撃ポテンシャルが高評価。昨季は肩の故障により37試合の出場にとどまった。出塁率.384の一方で1本塁打・ISO.039とパワー向上が課題。守備面では、プロ入り時はCFも、すでに両翼での出場が増えており、今後体格が成熟してくればコーナーに落ち着くことになるだろう。
22年に契約金197万ドルで入団した原石。荒削りながらプラスのパワーポテンシャル&CFに残りうる走力を兼ね備える5ツール候補。Aではフリースインガーがネックとなり、2本塁打・wRC+93とパワーポテンシャルを発揮できず。完成には多くの時間を要するタイプであり、長い目で見守っていきたい。

17.エイダン・カリー(RHP)/Aidan Curry:24歳
90マイル前半ながら縦変化&スピン量が優秀な4シームと高空振り率のスライダーの2球種で打者を圧倒する右腕。23年はAで82回を投げて防御率2.03・FIP3.06と好投。6-5/205の体格から、速球がもう数マイル伸びれば面白い。24年は5月30日現在、防御率9.62・与四球率13.7%とコマンドに苦しんでいる。

23年にA+で62.1回を投げて防御率2.17・6.08K/BBと抜群のコマンドを見せた右腕。サイド気味のスリークォーターから93マイル前後のシンカー&80マイル中盤のスライダーのコンビネーション。先発としては球威不足で、ローテーション下位~ミドルリリーフ向きか。


FV40-

19.
オーウェン・ホワイト(RHP)/Owen White:24歳
18年ドラ2。22年にようやくブレイクしたが、23年は球威&コマンドを失い再びパフォーマンス低下。健康時は90マイル中盤のライジングファストボールを主体に4球種を交える。ローテーション相当の実力を秘めているが、現時点ではマイナーのデプス要員だろう。

20.アーロン・ザバラ(OF)/Aaron Zavala:24歳
21年ドラフト2巡目。コンパクトなスイングでラインドライブを量産する中距離打者で、辛抱強いアプローチで四球も稼げる。しかし昨季は2AでwRC+79・三振率37.3%と大スランプ。守備もRF/LFの両翼メインであり、走守で大きなプラスを出せる選手でもない。24歳を迎える今季が正念場となるだろう。

2024年5月13日月曜日

2024 SEATTLE MARINERS TOP 20 PROSPECTS

2024 SEATTLE MARINERS

TOP 20 PROSPECTS

Cole Young

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV50

1.コール・ヤング(SS)/Cole Young:20歳
22年ドラフト全体21位指名の高卒内野手。洗練された打撃能力が魅力で、打者としての完成像はダニエル・マーフィー(元WSH他)と比較されている。23年はAでwRC+128、A+で142と素晴らしい内容。現段階ではライナー中心だが、パワーも20本塁打レベルまで伸びる可能性あり。守備面の評価も堅実で高いが、長い目で見るとSSよりも2Bの方がフィットするとの見立てだ。SSでやっていけるぐらいに守備が成長すればJ.P.クロフォードやブライソン・ストットのような3-4WARプレーヤーに飛躍する可能性も。

2.
ハリー・フォード(C)/Harry Ford:21歳
21年ドラフト全体12位指名。傑出した運動能力の持ち主で、捕手ながら走力はプラス評価。他ポジションへの適性も見せており、ドラフト時は元名選手クレイグ・ビジオと比較する声もあった。打者としてもビジオのように優れたハンドアイコーディネーションと辛抱強いアプローチで広角にライナーを量産できる。23年はA+でwRC+135・四球率18.3%をマーク。捕手としての守備力は全体的に磨かれる必要があり、ドールトン・バーショー(TOR)のように外野手でブレイクするルートもあるだろう。
Harry Ford


23年ドラフト1巡目。ヒットツールが磨かれた攻撃型SS。ドラフト時17歳という若さにもかかわらず、R/AでOPS1.045・MLB平均以上となる上位10%の打球速度105マイルを記録するなど圧巻。守備は堅実だが、元々から平均以下の走力に加え、オフに20ポンド増量するなどすでに肥大化傾向にあり、将来的には3Bに回る可能性もあるだろう。24年の飛躍に期待。

4.ラザロ・モンテス(OF)/Lazaro Montes:19歳
キューバ出身。ヨーダン・アルバレス(HOU)を彷彿とさせる左のパワーヒッター候補。22年にDSLでOPS1.007の一方で三振率33%とコンタクト能力を疑問視されていたが、23年はR/Aで三振率を25.1%と大幅に改善させ、OPS1.001と周りを黙らせた。しかし依然としてコンタクト率は平均以下の水準で、また守備もアルバレス同様にDH専門になる可能性が高く、打ちまくるしかない。

フリオ・ロドリゲスの新人王獲得による指名権により、23年ドラフト全体29位で指名され、オーバースロットとなる契約金320万ドルでプロ入りとなった。「20-20」が狙える5ツールアスリートタイプであり、中でもスピードは70評価。辛抱強いアプローチを身に着けている一方で、スイングは荒く、打者として磨かれる必要があるとの評価。
23年度のMLB公式国際アマチュアリストで2位にランクインしていた大器で、契約金470万ドルでSEA入りを決めた。プラスのパワー&スピードを兼ね備えた大型スイッチヒッターで、守備も平均以上のSSディフェンダーになれる資質を有している。身体的な伸びしろも期待でき、今後の成長に注目だ。


FV45

大学4年間で防御率6.78、23年ドラフト12巡目でプロ入りとアマチュア時代の評価は高くなかったが、SEA加入後に覚醒の兆し。プロではR/Aで15回/1失点/15K/2BBと好投。24年は5月11日現在、いきなり2Aに配属されて6先発/防御率1.57と好投している。大学時代に93-94マイル程度だった速球は今季96マイル前後にパワーアップ。鋭いスライダーで空振りを量産し、カーブ&カッターも有効に交える。

22年ドラフト2巡目。コンタクト能力は要改善も、パワーと選球眼を兼ね備えた生粋のスラッガータイプ。23年はA+で61試合/wRC+162、2Aで22試合/wRC+114をマーク。元々3Bだったが昨季より1Bに転向。走守で貢献を稼げるタイプではないため、打ち続けることが求められる。

9.マイケル・アロイヨ(2B)/Michael Arroyo:19歳
コンタクト能力の高さと2B向きの守備力からハウィ・ケンドリック(元WSH他)と比較されている。変化球に対して一拍の間を取って柔軟に対応できたり、ゾーン理解に長けていたりと打撃技術は10代離れしている。23年は18歳ながらAでwRC+118をマークした。まだ若く、これからの成長を見守りたい。

10.タイ・ピート(SS)/Tai Peete:18歳 
23年ドラフト全体30位指名。高校では二刀流で鳴らしていたが、ドラフト年に肘を故障。野手として才能が開花し、そのまま指名された。パワーとスピードを兼ね備えたアスリートタイプで、ヒットツール向上に課題がある。将来的な守備位置も不透明で、最終的には外野に回ると見るスカウトも。


FV40

20年ドラフト全体6位指名。プロ入り後にリリース位置を下げ、92-96マイルのライジングファストボールを高めに、ツーシームやスライダー、チェンジアップを低めに落とす投球スタイルに転身。実力はローテーション4-5番手クラスだが、耐久面が懸念されている。それでも昨季は自身初の100イニング超え(2Aで98回、MLBで12回)を達成した。完成度の高さ、一桁ピック、耐久面が心配というプロフィールはカル・クアントリル(CLE)と重なる。

ブレイクに期待の18歳メキシコ出身右腕。6-4/180の伸びしろ溢れる体格からMAX97マイルの4シームにスライダー、チェンジアップ、シンカーを織り交ぜる。昨季はDSLで防御率1.72・奪三振率30.7%と素晴らしいプロデビューを飾った。

13.
エイデン・スミス(OF)/Aidan Smith:19歳
23年ドラフト4巡目の高卒選手。オーバースロットとなる契約金で合意したハイシーリングな5ツール候補。6-3/190とフィジカルに恵まれており、プラスのパワーポテンシャルを秘める。選球眼&スイングの改善がこれからの課題。守備面は発達しており、ダブルプラスディフェンダーになり得るとの評価。肩も強く、体格の成熟次第ではRF転向の未来もあるだろう。

14.ジョナタン・クラセ(OF)/Jonatan Clase:22歳
5-8/150と小柄ながら20-80スケールで70評価の走力が武器。A+をwRC+203の猛打でわずか21試合で卒業。2AではwRC+94だったが、シーズン通して20本塁打・79盗塁を記録した。四球率13.8%と選べるが、ホームランバッターでもないのに三振率27.7%とコンタクト難な点が不安材料。上位打線に据えるには打撃貢献不足か。下位打線or第4の外野手が適任との評価。

15.ウォルター・フォード(RHP)/Walter Ford:19
22年ドラフト全体74位指名の高卒右腕。野手としても注目されていたアスリートで、抜群の運動能力を生かしたエクステンション大のメカニクスからホップ変化の大きいライジングファストを投げ込む。23年は故障続きで22.2回のプレーにとどまり、アマチュア時代にMAXで96-97マイルを計測していた速球も80マイル後半に落ちてしまった。それでも今春のブルペンセッションでは94マイルを計測するなど復活の兆しがあり、今季の飛躍に期待したい。

16.ベン・ウィリアムズ(3B)/Ben Williamson:23歳
23年ドラフト2巡目。アンダースロットとなる契約金60万ドルで入団した。プラスの3B守備と成熟したアプローチで左右へ打ち分けるミドルヒッティングが強み。大学通算156試合で19本塁打というパワーの平凡さがコーナープレーヤーとしてはネック。
身長5フィート6の小柄な体格と走力を生かしたユーティリティー性からトニー・ケンプ(元OAK他)と比較される。昨季は2A/3Aで23本塁打・55盗塁・OPS.902をマークした。打球速度は平均以下の水準で、MLBでは良くても10-15本塁打程度だろう。守備は2BとSSをほぼ半々で守ったが、フルで起用するなら2Bが適任との評価。

18.
テディ・マグロウ(RHP)/Teddy McGraw:22歳
23年ドラフト3巡目。高校時代にTJ手術、そして昨年3月に自身2度目のTJ手術を受けるなど健康面に不安を抱えるパワーピッチャー。故障前の大学2年時には1巡目候補にも挙がっていた。MAX98マイルのシンカーとプラスのスライダーのコンビネーション。健康面に加えて、大学2シーズンで与四球率13.9%とコマンドも不安定。

19.テイラー・ドラード(RHP)/Taylor Dollard:24歳
プラスピッチは無く球威は平凡だが、4球種をゾーンに集めるストライクスロワー。22年は2Aで144イニングを投げてマイナー7位の防御率2.25とブレークを飾った。しかし23年は肩の故障で3試合にとどまった。万全ならばローテーション5番手~ロングリリーフ向きのポテンシャルと見られている。コリン・マクヒュー(ATL)と比較される。

FV40-

20.ルイス・スイスベル(1B/3B)/Luis Suisbel:21歳 
パワーが武器のスイッチヒッター。昨季R/Aで12本塁打・OPS.951をマーク。A昇格後もwRC+132と上手く適応した。一方で三振率29.9%と三振数の多さが問題であり、また守備も不得意で1B専門になるリスクがある。1Bに見合うだけの打撃貢献を維持していく必要がある。

2024年5月8日水曜日

2024 OAKLAND ATHLETICS TOP 20 PROSPECTS

2024 OAKLAND ATHLETICS

TOP 20 PROSPECTS

Mason Miller

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。


FV50

1.メイソン・ミラー(RHP)/Mason Miller:25歳
故障体質だがエースポテンシャルの持ち主。MLBでの33イニングで平均98.3/MAX102マイルを記録した4シームとプラスのスライダーの2球種で打者を圧倒する。第3球種のチェンジアップも平均レベル。今季はリリーフで起用されているが、5月6日現在で防御率1.26・奪三振率53.7%と圧倒的なパフォーマンス。
Mason Miller


元MLB選手ジャック・ウィルソンの息子で、23年ドラフト全体6位でプロ入りした。大学のシーズンで打率.412・三振率8.9%をマークしたコンタクト能力が最大の武器で、長くSSでプレーできる守備力も兼備しているなど攻守にハイフロアーな人材。パワーの平凡さが唯一の心配事項であり、プルヒッティングを活用してパワーナンバーを増やせるか。

3.ダレル・ヘルナイズ(SS)/Darell Hernaiz:22歳
コンタクト能力が武器のハイフロアー打者で、23年は2A&3Aでいずれも打率.300超え、特に2AではwRC+133と素晴らしいパフォーマンスを披露した。マイナー上位でもSSでプレー&22年に33盗塁を決めるなど守備走塁でも貢献できるが、長くSSとしてプレーできるかは微妙との評価。それでも24年は5月7日現在、SSでDRS+1、OAA+2と健闘している。

4.ルイス・モラレス(RHP)/Luis Morales:21歳
23年1月に300万ドルで契約したキューバ出身の大型右腕。速球はMAX100マイル、変化球は3種いずれも決め球に使えるなどローテーション上位クラスのポテンシャルの持ち主。コマンドを改善していくことがブレイクへの道。昨季はマイナー4階級で計44回を投げて防御率2.86・奪三振率29.4%・与四球率8.3%と上々の内容。24年は飛躍に期待。

FV45

21年ドラフト1巡目の高卒SS。LADに所属する同名のメジャーリーガーとは全くの無関係。20ホーマー相当の打撃ポテンシャル&SSに残り得る守備力から、将来像をダンズビー・スワンソン(CHC)と比較するスカウトも。23年は20歳のシーズンながら2A昇格後に51試合でwRC+124と健闘。三振の多さと2B/3Bに回る可能性のある守備力の向上が課題か。

6.デンゼル・クラーク(OF)/Denzel Clarke:24歳
21年ドラフト4巡目。6-5/220と素晴らしいフィジカルを備えた5ツールタイプ。スイングに穴は多いがパワー&スピードはプラス評価。さらに身体能力を生かした外野守備もプラス~ダブルプラス級。23年は2AでwRC+130をマーク。課題のコンタクトは向上を辿ったが、それでも三振率29.7%は赤信号レベル。打撃が開花すればラモン・ロレアーノ、現実的な将来像は元CINのアリスティデス・アキーノか。
Denzel Clarke


23年ドラフト3巡目。強豪フロリダ大への進学が内定していたが、300万ドルという1巡目相当の契約金を積んで口説き落とした大器。6-1/180と体格は傑出していないが、球威と制球力、さらに投球技術を兼ね備えたトータルパッケージタイプ。MAX98マイルの速球を主体に4球種どれもストライクが取れる。

パワーとスピードを両立したダイナミックなプロスペクト。
23年は三振率を前年の31.5%から18.9%に改善させるなどコンタクト面で成長。2A/3Aで打率.284/OPS.825をマークしMLBデビューを果たした。昨季はマイナー/MLBで計19本塁打を放ったが、上位10%の打球速度106マイルはプラス~ダブルプラス水準であり、アプローチを磨けばもっと本塁打数を伸ばせる。守備もCF中心に外野3ポジション+1Bをプレー可能。
22年ドラフト1巡目。攻守に荒さを抱えるがハイポテンシャルな司令塔候補。打撃では6フィート4の恵まれたフィジカルに支えられたパワーが武器で、ハードコンタクトを量産できる。A+/2Aでは112試合で打率.301をマークした一方で、8本塁打とパワーを発揮しきれておらず、アプローチの改善が必要だろう。備では高校時代にクオーターバックとしても鳴らした運動能力とプラスの強肩を武器にダイナミックな捕手守備を見せる。捕球面の向上と大柄な体格ゆえに長く捕手に残れるかがポイントになるだろう。

22年ドラフト2巡目の高卒選手。6-3/195と恵まれたフィジカルに5ツールを備えたハイリスクハイリターン型。プロ1年目はAでwRC+113・14本塁打・32盗塁と持ち前のツールを披露。三振率33.4%と懸念されていたヒットツールは予想通りの荒さで、また守備もRF中心の起用で5失策/Baseball Prospectusの出す総合守備指標DRPで-9.5と攻守に磨かれる必要がある。


FV40

11.ジョー・ボイル(RHP)/Joe Boyle:24歳
昨夏サム・モールとのトレードでCINから獲得した大型剛腕。6フィート7の長身から平均で96-97マイルを叩き出す速球とプラスのスライダーのコンボは威力抜群も、マイナー3年で与四球率18.7%と制球難が致命的。完全にリリーフ向きのプロフィールだがチームは先発として育成方針。24年もMLBのローテーションで起用されている。

12.マイルズ・ネイラー(SS)/Myles Naylor:19歳
CLEに所属するネイラー兄弟の弟で、兄弟3人でドラフト1巡指名を達成(マイルズは戦力均衡ラウンドAの全体39位だが)。兄譲りのパワーが武器で、R/Aでは早速6本塁打を放った。一方でAでの32試合で52三振(三振率39.4%)とヒットツールは危険な水準。守備も体格の成熟によって3B転向が目される。

13.ロイバー・サリナス(RHP)/Royber Salinas:23歳
ショーン・マーフィーのトレードでATLから獲得した1人。コントロールが悪くリリーフ転向のリスクが高いが、支配力はローテーション半ば級。最速98マイルで高スピンのライジングファストとキレの良いプラスのスライダー&カーブのコンビネーションで奪三振を量産する。23年は2Aで防御率5.48と足踏み。登録上は6-3/205となっているが、明らかに腹が出ており250ポンド(113㎏)近い可能性あり。与四球多めのローテーション下位orリリーフの一角が現実的なラインだろう。

14.コルビー・トーマス(OF)/Colby Thomas:23歳
22年ドラフト3巡目。プラスのパワー&スピードを武器に昨季A/A+で18本塁打・25盗塁・OPS.844をマーク。A+昇格後54試合で四球率4.6%/三振率29.5%という荒っぽいアプローチの改善が課題。守備は走力に加えて強肩も備えるが、ルート取りに難があり、CFよりもRFが適任との評価。

15.ブレット・ハリス(3B/2B)/Brett Harris:26歳
派手なパワーは無いが、コンタクト能力が高く、確率よくライナーを量産できる。23年は2A/3AでOPS.807、四球率10.8%/三振率15.0%とソリッドな内容。また勤勉なハードワーカーであり、守備面も高い評価を受けている。レギュラー三塁手としてはパワー不足であり、また今季26歳という年齢面もネック。不動のレギュラー三塁手というよりはユーティリティー向きとの見立て。

マット・オルソンを放出したトレードでATLから獲得したプロスペクトの1人。低いリリースポイントから高めに93-96マイルのライジングファストボールを投げ込む。昨季は2A/3Aで137回を投げ防御率3.74をマークし、MLBデビューも経験。しかし、3AでHR/9=2.8、MLBでも10回で4被弾(HR/9=3.6)と一発病が顕著であり、変化球の向上と被弾を避けるために投げミスを減らしていくことが求められる。防御率3点台のローテーション中軸というよりも、防御率4~5点台のタフネスイニングイーターが成功例だろう。

22年ドラフト5巡目。大学通算与四球率14%とコントロールの悪さがネックだったが、23年はA+/2Aで計107.2回を消化して防御率4.10・奪三振率20.1%・与四球率10.2%とまずまずの内容だった。90マイル中盤のホップ軌道の速球がベストピッチ。球威の割に奪三振は少なく、変化球&コマンドの改善が先発残留を左右すると見ている。

マット・オルソンのトレードのメインパッケージだったが、OAK加入後は不調で伸び悩んでいる。大学時代に100マイルを計測していた速球は昨季93マイル程度に落ち込んでしまったが、今季は小サンプルながら再び95-98マイルを出すなど復調の兆し。24歳というプロスペクトとして正念場のシーズンで復活なるか。

19.コール・ミラー(RHP)/Cole Miller:19歳
名門UCLAへの進学が内定していたが、オーバースロットとなる契約金100万ドルで入団した高卒右腕。父マイクはNFL選手というアスリート家系で、6-6/225の恵まれた体格から95-96マイルの速球を投げ込むポテンシャルに期待。しかし、今春にTJ手術を受けたため、今季は全休の見込み。

20.ライアン・ラスコ(OF)/Ryan Lasko:22歳
23年ドラフト2巡目。コンタクト能力に欠点があるが、それ以外の4ツールは平均から平均以上というアスリートタイプ。特に俊足と強肩に支えられたCF守備はプラス評価を受ける。スイングを改善してプロの投手に対応できるか。打撃が平均程度に育てば下位打線CFの枠を狙える。

2024年5月5日日曜日

2024 LOS ANGELES ANGELS TOP 20 PROSPECTS

2024 LOS ANGELES ANGELS

TOP 20 PROSPECTS

Caden Dana

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。


FV45

1.ケイデン・デナ(RHP)/Caden Dana:20歳
22年ドラフト11巡目指名の高卒投手。ケンタッキー大への進学が内定していたためスリップしたが、2巡目相当となる契約金150万ドルで入団した。6-4/215の恵まれた体格と強靭な肩力からノア・シンダーガード(元NYM他)と比較される。腕の振りに頼ったフォームでコマンドに課題。A/A+では14先発して防御率3.56・奪三振率31.7%とパワフルな内容。

2.ネルソン・ラダ(OF)/Nelson Rada:18歳
22年1月に契約金185万ドルで入団した原石。リードオフCFになり得るポテンシャルを秘めており、23年はAで115試合に出場してwRC+113・55盗塁をマーク。24年は18歳にして2Aで開幕を迎えるなどかなり積極的な昇進となっているが、5月4日現在でwRC+65と苦戦を強いられている。パワー向上がバリューアップへの課題。

3.バレット・ケント(RHP)/Barrett Kent:19歳
23年ドラフト8巡目の高卒右腕。オーバースロットとなる契約金で入団を決めた。6-4/215の恵まれた体格とMAX98マイルの馬力から1位のデナと似たプロフィール。変化球3種もまずまずで、中でもスライダーはプラスピッチ候補。多くの高卒投手がそうだが、フォームの再現性やコントロールを改善できればローテーション半ばポテンシャルだ。
23年ドラフト全体11位指名。コンタクト&ゾーン管理に優れた打撃能力が武器の一塁手。一塁手としてはパワーが平凡で、ヨンダー・アロンソ(元SD他)のような選手に留まる可能性あり。一塁手に見合うパワーナンバーを供給できるか。ドラフト後22試合でマイナーを卒業し、MLBでも29試合で出塁率.402と長所を発揮した。


FV40

19年ドラフト2巡目の高卒選手。将来像は攻撃型二塁手と目され、天性のヒットツールでギャップを破る。23年は2AでwRC+123・44盗塁とパワー&スピードを披露。四球率17.1%の一方で三振率29.4%とコンタクトに課題あり。守備面では、Baseball Prospectusの出す総合守備指標DRPを22年の-6.5から+5.9に劇的に改善させた。2B転向が既定路線と見られていたが、SS残留の可能性を示した。
Kyren Paris


6.
ベン・ジョイス(RHP)/Ben Joyce:23歳
22年ドラフト3巡目。MAX105マイルを計測し、日本メディアでも話題になった剛腕。昨季はMLBデビューも経験したが、マイナー/MLB通じて27.2回で与四球率18.4%とコントロールに苦しんだ。それでもMLBで記録した平均球速100.8マイルは異次元であり、セットアップ以上で防御率2点台の活躍ができればWAR2.0程度(FV50相当)が見込めるため、この順位とした。
19年ドラフト3巡目。スロット額の倍額で入団するなど天井の高さを期待されていたが、マイナーでは苦戦。23年は速球をツーシームに変更し、グラウンドボーラーとして開花の兆し。平均95マイルのシンカーでゴロを打たせ、与四球率6.1%とコントロールも安定している。ローテーション下位orリリーフ相当のポテンシャル。

8.サム・バックマン(RHP)/Sam Bachman:24歳
21年ドラフト全体9位指名。MAX101マイルの沈む速球と80マイル後半の縦スライダーはいずれもプラスピッチ。しかし、2球種に頼った投球スタイルと平均以下のコントロール、健康面への不安からリリーフ転向のリスクが高い。23年はリリーフとしてMLBデビューし17イニングで防御率3.18をマークした。

強肩が武器の守備型捕手。ポップタイム1.8秒を切るプレーも見せ、23年はDSLで盗塁阻止率53%を記録。打撃は荒さがあるもパンチ力があり、DSLでの46試合で6本塁打をマーク。24年はRをすっ飛ばしてAで開幕。打撃の成長次第では一気に評価を上げるだろう。

10.ダリオ・ラベルデ(C)/Dario Laverde:19歳
22年に35万ドルで入団した原石。スムーズなスイングでコンタクト&アプローチに優れる攻撃型捕手。23年はRでwRC+123と好成績を残した。アマチュア時代は外野手で、捕手経験に乏しく発展途上だが、捕手にふさわしい強肩と運動能力を兼ね備えている。

11.
デンザー・グズマン(SS)/Denzer Guzman:20歳
21年に契約金200万ドルで入団の原石。同年の国際アマチュアFAでは屈指のピュアヒッターと評判だったが、昨季はAでwRC+86と苦戦。リーグ平均より2.2歳も年下ではあったが、選球眼や変化球の対応は要改善。守備ではSSに残れるだけの資質を持っているが、平均以下の走力から3B向きか。3Bに回るなら打者としてランクアップは必須。


FV40-

12.ビクター・メデロス(RHP)/Victor Mederos:23歳
ガッシリとした体格から平均94マイルのシンカーと80マイル中盤の高強度のスライダーで空振りを奪うパワーピッチャー。しかし昨季2Aでの20先発でHR/9=2.1・与四球率10.4%とコマンドに課題がある。イニングイーター適性はあるが、長く輝けるのはリリーフか?

アンダーサイズながらMAX102マイルを投げ込む剛腕。昨季後半からシンカーをレパートリーに加え、成績が良化した。しかし与四球率13.5%とコントロールが壊滅的であり、サイズ面も含めてリリーフ転向が既定路線か。

23年1月に契約金90万ドルで入団したドミニカ共和国出身の原石。現時点ではパワーレスだが、コンタクト&守備力が武器のソリッドプレーヤータイプ。DSLでは42試合に出場してwRC+79も打率.286・三振率7.6%を持ち味は出せていた。パワー向上が課題。

15.
ホルヘ・マーチェコ(RHP)/Jorge Marcheco:21歳
17年にはキューバのU-15でもプレーした実力者。速球のレンジは80マイル後半だが、抜群のコマンドと出所の見にくいリリースで打者の的を絞らせない。23年はA/A+で121.2回を投げて防御率3.55・奪三振率25.6%・与四球率5.4%をマーク。先発投手として大成するには、さすがにもう少し球威を伸ばしたい。

16.ジョエル・ウルタド(RHP)/Joel Hurtado:23歳
21歳でプロ入りと国際アマチュア選手としては遅咲きだったが、MAX99マイルのシンカーを投じるなどポテンシャルは非凡。昨季はAで4月こそ苦しんだが、5月以降は72回で防御率3.50・奪三振率27.4%・与四球率7.4%と適応。第3球種やコマンドの平凡さ、年齢面などを考慮するとリリーフ転向が現実的だろう。

17.ケルビン・カセラス(RHP)/Kelvin Caceres:24歳
リリーフプロスペクト。MAX99マイルの速球がプラスピッチ。4シームは空振りが取れ、2シームはゴロアウトが取れる。高スピンのカーブに、リリーフ投手ながらチェンジアップもフィール良し。マイナー5年で与四球率15.0%のコントロールを改善できればハイレバレッジリリーバーになり得る。

18.カムデン・ミナシ(RHP)/Camden Minacci:22歳
リリーフプロスペクト。23年ドラフト6巡目。MAX99マイルの速球と90マイルに届く縦スライダーが武器で、大学のシーズンで与四球率7.5%、プロでも10回/1BBとコントロールも破綻していない。順調に育てばセットアップ以上も狙える素材だ。

19.
ランディ・デヘズス(OF)/Randy De Jesus:19歳
22年に契約金120万ドルでプロ入りした原石。22年はDSLではwRC+127と好デビューを飾り、DSLのオールスターゲームではMVPも獲得した。しかし昨季はRでwRC+64と苦戦。アプローチを磨いてパワーポテンシャルを開花できるか。

20.コール・ファンテネル(3B)/Cole Fontenelle:22歳
23年ドラフト7巡目。攻守ソリッドな両打ち三塁手。打撃ではパワーと成熟したアプローチを兼ね備えており、24年は5月5日現在、2AでwRC+162をマークしている。守備では三塁手にふさわしい強肩を有している。

2024年5月4日土曜日

2024 HOUSTON ASTROS TOP 20 PROSPECTS

2024 HOUSTON ASTROS

TOP 20 PROSPECTS

Jacob Melton

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV50

22年ドラフト2巡目。パワーとスピードを兼ね備えたダイナミックなCF候補。一方で動きの多い打撃フォームと荒っぽいアプローチからプロレベルへの対応力に疑問を持たれている。23年は上位10%の打球速度106マイル&コンタクト率76%と打球指標は優秀だった一方で、A+において打率.244/OPS.792とスキル面の向上は依然として課題だろう。守備はCFを中心に外野3ポジションどこでもフィットするとの見立てだ。

22年に契約金130万ドルで入団したドミニカ共和国出身の原石。30ホーマー級のパワーを秘めており、ホルヘ・ソレアー(MIA)やマーセル・オズーナ(ATL)が理想の完成型だろう。アプローチとコンタクト能力の改善がブレイクの鍵を握るだろう。ソレアーやオズーナ同様に守備は両翼向き。


FV45

3.スペンサー・アリゲッティ(RHP)/Spencer Arrighetti :24歳
バーチカルアプローチを活用して高い奪三振能力を見せる右腕。低く打者寄りのリリースポイントから放たれる93マイル前後のライジングファストで空振りを量産する。スライダーもプラスピッチ候補の決め球で、第3、第4球種としてカーブ、チェンジアップも扱う。コマンドの悪さから長く輝けるのはリリーフか?
ズバ抜けたプラスツールは持たないが、パワーとスピードを兼ね備えたソリッドプレーヤーとして期待。23年はマイナー3階級で25本塁打・28盗塁・OPS.880とブレイク。24年も5月2日現在、3Aで25試合に出場して13本塁打と爆発している。守備でもCFを中心に外野3ポジション+1B,2Bと5ポジションをこなすなどユーティリティー性を披露。マーク・キャナやジャック・スウィンスキーあたりが比較対象と見ている。

5.ザック・デゼンゾ(3B)/Zach Dezenzo:24歳
フィジカルモンスター。上位10%の打球速度108マイルというダブルプラス級のパワーポテンシャルを秘めており、23年はA+/2Aで打率.305・18本塁打・OPS.914とブレイク。三振率25.9%のヒットツールを改善できるか。6-5/220の巨体に比して動け、22盗塁(2失敗)と走塁センスも良い。3B守備は平均以下で、1B転向のリスクを指摘されている。


FV40

6.A.J.ブルボー(RHP)/A.J. Blubaugh:23歳
大学ではリリーフ中心、22年ドラフト7巡目でプロ入りとアマチュア時代の評価は高くなかったが、マイナーでは先発として育成され、順調に成長している。平均93-94マイルの速球、高スピンのスライダー、フェードするチェンジアップとMLBレベルの3球種揃っている。一方でBB/9=4.1のコマンドや26登板で5回を投げ切ったのは2回だけというスタミナ面の向上が課題だ。

7.
ザック・コール(OF)/Zach Cole:23歳
ダイナミックなアスリートで、シーリングはHOU傘下No.1とも。走力・肩・守備はいずれも20-80スケールで60-70評価を受ける。打撃は三振率31%とコンタクト能力が壊滅的だが、AでwRC+150、A+で124をマーク。平均打球速度91マイル/上位10%107マイルとパワーポテンシャルはプラス水準。成功すればジョシュ・ロウのようなオールスター級の選手、最低限打てればホセ・シリやジェーク・マリスニックのような下位打線CFになれるだろう。
23年ドラフト1巡目指名。大学のシーズンではカンファレンス史上2人目となる「20-20」を達成するなどパワー&スピードが魅力なダイナミックなアスリート。一方でコンタクト能力に弱点を抱え、プロデビューでは35試合で打率.208・三振率26.3%と苦戦。SSの守備では、守備範囲は十分だが送球に難があるとされており、2BやCFにコンバートされる可能性もあるだろう。レギュラーとして長く活躍するには、まずは低打率を脱却したい。

大学では故障がちで実績不足だが、大学2年でドラフト対象になるため、ドラフト2巡目指名&オーバースロットとなる契約金でプロ入りした右腕。速球のレンジは91-93マイルほどでエースポテンシャルではないが、6-8/230の巨体と大学2年間でBB/9=1.8のコントロールの良さからイニングイーター適性あり。健康にシーズンを過ごせるかがポイント。

10.ジェーク・ブロス(RHP)/Jake Bloss:23歳
23年ドラフト3巡目右腕。低リリースから常時90マイル前半/MAX97マイルでキャリー成分の高い4シームを高めに集めて空振りを量産する。第2球種のカーブも落差大で速球との相性が良い。6-3/223の体格もイニングイーターに向いており、コマンドや第3球種の改善に成功できればローテーション4-5番手クラスへの成長が期待できるだろう。

11.ケネディ・コロナ(OF)/Kenedy Corona:24歳
昨季マイナーのゴールドグラブを獲得したダブルプラスディフェンダー。Baseball Prospectusの出す総合守備指標DRPでは、ここ3年で7.8→7.1→8.6と大きくプラスを叩き出している。打撃はコンタクトに弱点もここ2シーズンで22本塁打/60盗塁を記録するなどパワー&スピードを兼備。7位のコールほどのシーリングは無いだろうが、マリスニックやシリ程度になれる可能性は秘めている。

元MLB選手ビリー・ワグナーの息子。ゾーン理解が深く、打者として洗練されている。コンタクト&アプローチに優れ、23年はR/2A/3AでOPS.938・四球率12.2%をマーク。昨季7本塁打と二桁打てるかどうかレベルのパワー&MLBでは1B/DHが適任ともされる守備力から攻守でバリューを生み出せるかは未知数。3B/2Bにとどまれるなら、マーティン・プラド(元ATL他)のような”いぶし銀プレーヤー”になれる可能性あり。

13.コルトン・ゴードン(LHP)/Colton Gordon:25歳
21年ドラフト8巡目。23年はTJ手術からの本格復帰のシーズンとなったが、2Aで防御率3.95・奪三振率30.7%と好投。3Aでは苦戦したが、計128イニングを消化するなど健康ぶりをアピールした。速球の球速は89-92マイル程度ながら、低リリースを生かしたライジング軌道で空振りを奪え、変化球3種でタイミングも外せる。ローテーション4-5番手のイニングイーター候補。
22年ドラフト2巡目の大学生右腕。球速は90-91マイルほどだが、高スピンのライジングファストボールを武器に空振りの山を築くユニーク右腕。23年はAで防御率4.61だったが、奪三振率33.8%と長所は発揮。変化球の精度向上とコマンドを安定させることが先発に残るための課題だろう。6-5/190の体格から球速向上の余地あり。

15.ホゼ・フルーリー(RHP)/Jose Fleury:22歳
23年はAで98.2回を投げて防御率3.65/xFIP3.09をマーク。リーグのオールスターチームに選出された。速球のレンジは89-91マイル止まりだがホップ変化が大きく、傘下ベストとも評されるチェンジアップと組み合わせて打者を翻ろうする。とはいえ先発としては球速不足であり、またブレーキングボールの精度も良くないため、最終的にはブルペンに回るとの見立て。

16.
マイケル・ノアー(RHP)/Michael Knorr:24歳
22年ドラフト3巡目。6-5/245の恵まれた体格から90マイル中盤の速球とジャイロスライダーで空振りを量産するパワフル右腕。左打者にはチェンジアップ&カーブも織り交ぜる。A/A+で奪三振率31.1%と球威は十分だが、ラスト2か月を肩の故障で離脱し、58.1回のプレーにとどまるなど耐久面を証明していく必要がある。

17.ミゲル・ユローラ(RHP)/Miguel Ullola:22歳
MAX98マイルのライジングファストが強烈で、大きく伸び上がる軌道で打者の空振りを量産する。奪三振率の高さは強みだが、マイナーで2年続けてBB/9が6.0超えと制球力が壊滅的。制球を改善できればHOU傘下出身のクリスチャン・ハビアーのようになれる可能性はあるが、現時点ではリリーフ転向が現実的だろう。


FV40-

18.レット・クーバ(RHP)/Rhett Kouba:24歳
昨季2Aで110回を投げて防御率3.27・5.13K/BBをマークし、リーグの最優秀投手にも選ばれた。速球は平均90マイル止まりだが、スポットへ投げ分けるコマンドと多彩な球種で打者を惑わす技巧派。とはいえ先発として球威不足は拭えず、ローテーション5番手タイプと見ている。

19.
トレイ・ドンブロースキー(LHP)/Trey Dombroski:23歳
22年ドラフト4巡目。ハイフロアーなローテーション5番手タイプで、80マイル後半の速球を主体に4球種を効果的に織り交ぜて打者を惑わす。プラスピッチは持たないがAで119回を投げて防御率3.71・奪三振率30.1%、リーグトップの148Kをマーク。球威不足を上の階級でどうカバーしていくか。

20.
ペドロ・レオン(OF/2B)/Pedro Leon:26歳
キューバ国内リーグでは、20歳のシーズンでOPS1.256をマークし球宴に選出。その後亡命して契約金400万ドルでアストロズに入団した。プラスの走力&強肩を備えた運動能力の高い選手で、ルート取りに難があるがCF適性あり。打撃ではパワーと選球眼が強みだが、コンタクト難がネック。30%近い三振率で大成したのは近年だとジョーイ・ギャロぐらいであり、不動のレギュラーというよりプラトーンor控え外野手向きだろう。

2024年4月23日火曜日

2024 MINNESOTA TWINS TOP 20 PROSPECTS

2024 MINNESOTA TWINS

TOP 20 PROSPECTS

Walker Jenkins

本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。FanGraphsのFV(Future Value)を参考に選手の将来的なスケール像を「20-80スケール」で表している。当ブログのスケーリングの基準についてはこちらを参照いただきたい。ランキングについてはMLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は24年6月30日見込みのもの。

FV60

1.ウォーカー・ジェンキンス(OF)/Walker Jenkins:19歳
23年ドラフト全体5位指名の高卒外野手。豊作な昨年ドラフトでなければ全体1位指名も狙えた大型5ツール候補であり、攻守の完成型をカイル・タッカー(HOU)とも比較されている。30ホーマーを狙えるパワーを秘め、R/Aで打率.362・コンタクト率82%とヒットツールも磨かれている。


FV50

2.
エマニュエル・ロドリゲス(OF)/Emmanuel Rodriguez:21歳
5ツールポテンシャル。打撃はA+で打率.240・三振率29.5%とコンタクトに不安を抱えるが、上位10%の打球速度108マイルはダブルプラス水準、MAX打球速度117マイルは昨季のMLBなら13位とパワーは屈指であり、また四球率20%とゾーン理解も深い。走力はズバ抜けているわけではないが、20盗塁を決めており、また全試合CFとして出場しBaseball Prospectusの出す守備範囲指標RDAで+4.1を記録するなど走守でも貢献できる。才能を発揮できればとんでもない選手になれ、仮に低打率で伸び悩んでもトレント・グリシャムのように2WAR前後は見込めるだろう。
Emmanuel Rodriguez


22年ドラフト全体8位指名。卓越したヒットツールを示すスイッチヒッターで、大学3年間で打率.351・OPS1.073、BB>Kと素晴らしいパフォーマンスを見せている。23年は2AでwRC+120をマーク。スターポテンシャルというよりもホルヘ・ポランコやアダム・フレイジャーのようなソリッドプレーヤーが完成型か。5-11/205とすでにSSとしてはガッシリしており、今後打撃を生かすためにさらにビルドアップすることを考慮すると、3B転向は既定路線だろう。
Brooks Lee


4.マルコ・ライヤ(RHP)/Marco Raya:21歳
ポテンシャルはローテーション上位クラスも耐久面が不透明。平均で93-95マイルの4シームに平均以上のスライダー&カーブと3球種がプラスピッチ候補。課題のチェンジアップも向上の兆し。コントロールも平均的で、細身の体格からもアップサイド大。しかし昨季22先発で60球以上投げた試合は無く、先発として稼働できるかが争点となりそうだ。

5.チャーリー・ソト(RHP)/Charlee Soto:19歳
23年ドラフト1巡目の高卒右腕。6-5/210の恵まれた体格から90マイル中盤の速球、変化量大のチェンジアップ&スライダーを投じる。速球は将来的に100マイルに届くとされ、チェンジアップもプラスピッチ候補と評判。未熟なコントロールを改善できるかが今後の課題。

FV45

6.
ガブリエル・ゴンザレス(OF)/Gabriel Gonzalez:20歳
ホルヘ・ポランコのトレード相手の1人。SEA傘下時代はフリオ・ロドリゲスのような5ツールプレーヤーへの成長が期待されていたが、打撃専門の両翼選手に収まりそうだ。23年は19歳ながらAでwRC+149と圧倒。プラスのパワーポテンシャルも、超フリースインガーがネック。ボール球を振っての凡打も多く、アプローチを磨いて長打をより供給できるようになりたいところ。

21年ドラフト13巡目。大学で86-88マイル程度だった速球が、プロでは平均95マイル/MAX99マイルにまで上昇。スピンレートも2400rpm超でホップ変化も大きく、球質も良い。この4シームを軸に80マイル後半のスライダー&チェンジアップという高速系の2球種を織り交ぜて23年は奪三振率30.1%を記録。2Aでのラスト10先発で防御率3.80/FIP3.40、3A昇格3先発で防御率2.92と結果を出した。

8.タナー・ショーブル(SS)/Tanner Schobel:23歳
22年ドラフト2巡目。小柄でプラスツールも無いが、走攻守にオールラウンドでユーティリティー適性あり。同じくMIN傘下出身のスペンサー・スティアー(昨季新人で1.9fWAR)と比較されている。23年はA+でwRC+139と好成績を残し、フルシーズン1年目で2A到達。2AではwRC+75にとどまったが、四球率12.1%を記録するなど救いあり。守備は大学ではSSも、プロでは2B/3Bメインで起用されている。

9.
ゼビー・マシューズ(RHP)/Zebby Matthews:24歳
22年ドラフト8巡目とプロ入り時の評価は高くなかったが、プラスのコントロールを土台に昨季A/A+で105回を投げて防御率3.84・与四球率3.5%と好投。速球は平均93マイル/最速97マイルとこの手のタイプにしては球威も十分。右打者には外角のスイーパー、左打者には膝元のカッターが得意球。階級の割に高齢だが、バックエンドSPへの定着を期待したい。

10.
C.J.カルペッパー(RHP)/C.J. Culpepper:22歳
23年はA/A+での21先発で防御率3.56/FIP3.42と安定した投球を披露。K/BBの値は突出しなかったが、21歳のシーズンということで今後の成長に期待というところか。プラスピッチは持たないが、平均94.6マイルで高スピンの速球に豊富な球種レパートリーが売りの技巧派右腕。シーリングはローテーション4番手相当との評価。


FV40

11.
ルーク・キーシャル(2B)/Luke Keaschall:21歳
23年ドラフト2巡目。本塁打を量産するタイプではないが、走攻守に貢献できるスーパーサブ候補。打撃はコンタクト&出塁能力に優れ、20盗塁レベルの走塁力を備える。守備は2Bを中心にCFや3Bもプレー可能。セイバー映えする選手ではないが、チームに必要とされる選手になれるだろう。

ロマン砲。23年ドラフト3巡目の高卒選手。6-6/210の恵まれた体格を有し、パワー、スピード、肩の3ツールがプラス候補というフィジカルモンスター。Rでは17試合で4本塁打・OPS.884をマークも、三振率32%とコンタクト向上が課題。守備はCFで9試合、SSで7試合に出場したが、SSに残るのは厳しいと見られている。

13.ダニー・デアンドラーデ(SS)/Danny De Andrade:20歳
21年に220万ドルで入団したトップアマチュア。SSに留まれる守備力が最も評価されている。23年は19歳ながらAでwRC+107と健闘。打球速度やコンタクト率、ボール球スイング率はメジャー平均とほぼ同水準。MAX打球速度110マイルはすでにMLB平均値であり、アプローチ等を磨いてこのまま打撃を伸ばせれば評価を上げられるだろう。

14.ダレン・ボーウェン(RHP)/Darren Bowen:23歳
ホルヘ・ポランコの見返りの1人。大きくホップする92-94マイルの4シームと大きく横滑りするスイーパーはいずれも絶品。6-3/180の体格から伸びしろが見込める反面、大学通算与四球率10.4%、昨季マイナーで10.9%と制球が荒く、リリーフ転向のリスクも。同じSEA出身でリリーフとしてブレイクしたマット・ブラッシュと比較したい。

15.
コリー・ルイス(RHP)/Cory Lewis:23歳
ユニークなイニングイーター候補。速球は平均90.8マイルとパワーレスだが、平均より3.2インチもホップ変化が大きいため空振りが取れる。またナックルボールの使い手であり、80マイル台の高速ナックル、70マイル台のカーブ、80マイル前半の縦スライダーと変化球も多彩。6-5/220の体格からスタミナも豊富だ。

16.
マット・カンテリーノ(RHP)/Matt Canterino:26歳
今季がTJからの復帰年。94-97マイルのライジングファストボールを軸に、右打者には縦にカクッと落ちるスライダー&カーブ、左打者には外角低めにチェンジアップを落として空振りを誘う。スペックはローテーション半ばクラスも、目いっぱい力んで投げるフォームと肘の故障歴、プロ5年で通算85イニング、22年の37イニングが最多という点からリリーフ転向を余儀なくされるだろう。

17.コナー・プリーリップ(LHP)/Connor Prielipp:23歳
22年ドラフト2巡目。ドラフト一桁ピック候補にも挙がっていた大器だが、TJ手術経験者で、健康面に不安がありスリップ。23年も肘の故障で6.2回のプレーにとどまった。健康であればMAX96マイルの4シームにダブルプラスのスライダーのコンビネーション。先発に必要な耐久力を持ち合わせているかは疑問。

昨季A/A+で17先発して防御率2.88・4.16K/BBをマークしたイニングイータータイプ。独特なオーバースローから繰り出される平均93.5マイルでホップ成分の強い4シームがベストピッチ。スライダー、カーブ、チェンジアップと変化球が平均的であり、これらの質を磨いていくことが先発残留の鍵となるだろう。先発としてはややスペック不足で、リリーフ転向が現実的か。

19.カライ・ロサリオ(OF)/Kala'I Rosario:21歳
20年ドラフト5巡目ながらパワーツールは高校生屈指と評判だった。ダブルプラスのパワーポテンシャルを秘めているが、21年&22年は三振率30%超え、昨季も29.6%とヒットツールに課題がある。それでも昨季は四球率を14.2%に伸ばすなどアプローチに改善が見られ、wRC+133と好調だった。平均以下の走力からすでに両翼向きであり、打撃でどれだけバリューを生み出せるかにかかっている。

昨季2A/3Aで計35本塁打を放った両打ちパワーヒッター。3Aでの36試合で11本塁打を放ち、上位5%の打球速度107マイル&バレル率12%と打球指標も優秀だった。一方で3Aでゾーン内コンタクト率68%、2A/3Aで三振率32.8%とヒットツールは最低ランクと言わざるを得ない。MLBの投手に対応できるかは疑問であり、さらに守備面もMLB基準だと1B/DHが適任と見られており、攻守トータルでの貢献は厳しいものがあるだろう。