2022 SAN FRANCISCO GIANTS
TOP 20 PROSPECTS
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Marco Luciano |
本ランキングは各傘下の選手を現在の活躍と今後の伸びしろから総合的に判断し、作成したものである。「将来キャリアを通じてどれだけメジャーでバリューを示せるか」という点に重きを置いており、即戦力ランキングでも伸びしろランキングでもない。MLB.comやBaseball Americaといった媒体を参考にしつつ、独自の視点を加えて評価したつもりである。選手の年齢は22年6月30日見込みのもの。
1.マルコ・ルシアーノ(SS)/Marco Luciano:20歳
(A/A+)106G 395AB 19HR 48BB 122K .258/.344/.471/.815
◎パワー / 〇肩 / △スピード 3B向き? アプローチ
打席でのアプローチや選球眼が磨かれれば「3割・40本」も狙えるポテンシャル。一方でSSに残れるかは評価が分かれている。プラスの強肩を有し、運動能力&野球IQも高いが平均以下のスピードがネック。今後体が成熟すればさらにスピードが失われるため3BやRFに移る可能性もある。AではOPS.930と圧倒したが、A+昇格後は打率.217・三振率37.2%と対応に苦しんだ。(3A)67G 252AB 10HR 21BB 82K .294/.358/.472/.831 ◯パワー 肩 C守備 / △コンタクト スピード
18年ドラフト全体2位指名。バスター・ポージーの後継者になれる強打の司令塔候補。広角に長打が打てる生粋の長距離砲で、マイナー通算ISO.225とパワー面は文句なし。一方で昨季3Aで三振率29.4%とヒットツールに不安を抱える。捕手守備では最高でゴールドグラブを狙えると評判。肩の強さも平均以上で、足は遅いがプレート後方での動きは機敏だ。
(A)109G 451AB 15HR 28BB 61K .313/.359/.495/.853
◯打撃 スピード / △素材型 フリースインガー
フリースインガーながらコンタクト技術が傑出しており、パワー&スピードも20-20を狙える水準。21年は打率.313の高打率に加え、三振率12.4%・フライ率41%と打撃技術の高さを見せつけた。CFに残るにはルート取りを含めた守備力向上が求められる。野球家系に育ったため、野球IQも高く評価されている。
(2A/3A)116G 449AB 14HR 42BB 138K .254/.323/.417/.740
◯パワー 肩 / △両翼向き?
17年ドラフト1巡目。ガッシリとした強靭な体型に平均から平均以上の5ツールを備える。中でもパワーがベストツールであり、MLBのレベルに適応できれば20本塁打以上が狙える。だんだんとスピードは下降傾向にあり、現在はCFを守っているが最終的にはコーナーに落ち着くだろう。(A)3.19ERA 98.2IP BB/9=4.7 K/9=14.3 K/BB=3.02
◯速球 スライダー 奪三振 / △素材型 コマンド
20年ドラフト3巡目指名。名門UCLAへの推薦を持っていたが、1巡目相当となる契約金249万ドルでプロ入りを決めた。21年は23先発してK/9=14.3と三振を量産した一方で、BB/9=4.7と先発としてやっていくにはコマンドを改善する必要がある。MAX98マイルの伸びのある4シームとプラスのスライダー、平均的なチェンジアップのコンビネーション。(R/A)1.29ERA 7.0IP BB/9=1.3 K/9=7.7 K/BB=6.00〇速球 スライダー / 21年ドラフト1巡目。パイレーツ所属デビッド・ベドナーの弟。92-94マイルの速球とスライダーの2球種がプラスピッチで、ローテーション半ばポテンシャル。平均的なチェンジアップ&コマンドの向上が先発として成功の鍵を握るだろう。 (R/A/A+)82G 317AB 9HR 48BB 91K .265/.366/.429/.795
◯パワー 肩 C守備 運動能力 / △スピード コンタクト
20年ドラフト全体13位指名。豪快なパワーが武器の両打ち捕手で、運動能力抜群の捕手守備もアマチュア屈指との評判だった。一方で打撃の対応力を懸念されており、21年はA+で開幕を迎えるも33試合で打率.185・OPS.587と結果を出せなかった。その後はAで打率.322・OPS.947と年下選手を相手に圧倒したが、22年は2度目のA+で結果を出せるか。
(A/A+)77G 302AB 20HR 16BB 87K .334/.378/.629/1.007〇パワー / △守備 素材型 アプローチ四球率4.9%とフリースインガーでアプローチを洗練する必要があるが、打率.334・20本塁打・OPS1.007と長打力を発揮。平均打球速度92.4マイルとMLBで見ても平均以上のパワーを見せている。守備面も向上を辿っているが、依然として平均以下であり、コーナーが適任だろう。(A)1.80ERA 5.0IP BB/9=5.4 K/9=9.0 K/BB=1.67
◯速球 奪三振 / △コマンド
21年ドラフト2巡目。ショートアーム採用を機にブレークし、出所の見にくいリリースから90マイル後半の速球にキレの良いスライダー&チェンジアップのコンビネーション。コントロールも改善傾向にあるが、先発に残れなくてもジョシュ・ヘイダーのようなパワーリリーバー適性があるだろう。 (R/A)57G 200AB 9HR 23BB 70K .290/.362/.495/.857◯肩 SS守備 / △パワー 素材型19年に契約金100万ドルで入団した原石。肩&守備力がプラス評価で、MLBでもSSにとどまれる可能性を示している。一方で平均以下のパワー&三振率30.6%という空振りの多さから打撃のポテンシャルには疑問。守備は良いだけに打撃を伸ばせるかがカギを握る。
11.ライアン・マーフィー(RHP)/Ryan Murphy:22歳(A/A+)2.52ERA 107.1IP BB/9=2.2 K/9=13.8 K/BB=6.31
◯コマンド / △プラスピッチ無し
プラスピッチは無いがコマンド能力に優れており、21年はマイナー全体3位となる164Kをマークするなどブレーク。しかし絶対的な球種が無いことから、選手としての上限には疑問もあり、プロスペクトの関門である2Aでどのような投球を見せるか。
12.ケーシー・シュミット(3B)/Casey Schmitt:23歳(A)64G 251AB 8HR 22BB 44K .247/.318/.406/.724
◯肩 3B守備 パワー / △コンタクト
20年ドラフト2巡目。プラスの強肩を生かした3B守備はマイナーでも屈指との評判で、Baseball Prospectusの出す守備指標FRAAでは+6.0をマーク。打撃は発展途上ながら20ホーマーを狙えるポテンシャル。アベレージ面が上がってくればレギュラー3B候補だろう。
13.ライアン・レックリー(SS)/Ryan Reckley:17歳 (R/A)57G 200AB 9HR 23BB 70K .290/.362/.495/.857◯スピード コンタクト / △パワー 素材型今年1月に契約金220万ドルで入団したバハマ出身プロスペクト。アスリート性を高く評価されており、打撃ではヒットツールが優秀でゾーンコントロールもOK。プラスのスピード&出塁率重視の打撃スタイルはリードオフに適任。(A)94G 340AB 7HR 63BB 113K .229/.351/.356/.707◯打撃 肩 / △素材型 3B守備 スピード 21年不調傘下ベストのピュアヒッターになれると評判も、21年は打撃不振に悩まされた。四球率15.4%は優秀だったが、三振率28%&グラウンドボール率51.1%は打者として黄色信号だろう。また3Bとしてはマイナー通算守備率.854と不安定で、昨季は1Bメインでの出場だった。(R)5.11ERA 56.1IP BB/9=4.0 K/9=9.9 K/BB=2.48◯速球 スライダー / △素材型 コントロール安定感に欠け、21年はRで防御率5.11という内容ながらリーグ4位の62Kを奪うなど片鱗は見せた。MAX98マイルのランニングファストを主体に80マイル中盤のスライダー&チェンジアップを織り交ぜる。フォームにばらつきがあり、コントロールを安定させることが課題。
16.ニック・スウィニー(LHP)/Nick Swiney:23歳 ◯3球種 / △球威20年ドラフト2巡目。70マイル台のチェンジアップが得意球で、88-92マイルの4シームとの緩急で打者のタイミングを崩す。また4シームはホップ成分が強く、高めで空振りが取れる。第3球種のカーブも効果的に扱えるが、球威不足からローテーション4-5番手向きか。 (A/A+/2A)3.32ERA 143.2IP BB/9=2.3 K/9=8.7 K/BB=3.76◯グラウンドボーラー 体格 / 210cmの長身から投げ下ろされるボールは角度があり、中でもナックルカーブが絶品。速球は92-94マイルと支配的ではないが、低めに集めてゴロを打たせることができる。チェンジアップも向上を辿り、3球種で勝負できるようになった。21年は2A/3Aでグラウンドボール率54%とゴロマシーンぶりを発揮した。
18.プレマンダー・ベロア(RHP)/Prelander Berroa:22歳
(A)3.56ERA 98.2IP BB/9=4.8 K/9=12.3 K/BB=2.55
◯速球 奪三振 / △コントロール
コントロールに課題があるが、球威は抜群。21年はAで24先発してK/9=12.3を記録した。MAX99マイルのランニングファストと80マイル中盤のスライダーで空振りを量産する。また80マイル後半の高速チェンジアップも交える。力みの入ったフォームでリリースがばらつきやすく、コントロールを改善していく必要がある。 (A/A+/3A)109G 375AB 14HR 45BB 108K .275/.359/.453/.812◯パワー 肩 / △スピード ブロッキングAでの38試合でOPS.993と好調なスタートを切るとシーズン終盤には3Aまで到達。シーズン通して14本塁打・OPS.812とキャリアハイイヤーを送った。捕手守備では俊敏性が弱く、26個のパスボールを許すなど捕球面に課題を抱えるが、プラスの強肩を生かした盗塁阻止能力が強み。
20.ブレット・アウルバック(2B/C)/Brett Auerbach:23歳
(A/A+)87G 316AB 17HR 40BB 89K .288/.379/.529/.907
◯21年ブレーク コンタクト / △ツール
20年にドラフト外のアマチュアFAでの入団となったが、今季A/A+で打率.288・17本塁打・OPS.907・30盗塁とブレーク。身長5フィート9と小柄ながらヒットツールに優れており、プルサイドへのパワーも見せる。守備では2B/Cを中心に外野もこなす。Brett Auerbach
Sleeper Prospects
エスマーリン・ビニシオ(LHP)/Esmerlin Vinicio:19歳
(R)2.64ERA 58.0IP BB/9=4.5 K/9=10.9 K/BB=2.41
◯カーブ / △素材型 コントロール 球速
ヒョロリとした体型で伸びしろが期待できるスリーパー左腕。現在の速球は80マイル台ながら落差の大きいカーブはプラスピッチ候補で、球速を伸ばせれば浮上の可能性あり。21年はリーグ平均よりも3歳近く若いRで防御率2.64をマーク。コントロールは要改善。
ジェーク・ウォン(RHP)/Jake Wong:25歳
◯3球種 / △TJ手術明け
18年ドラフト3巡目。TJ手術により19年を最後に公式戦でのプレーは無いが、ワークホース適性あり。健康であれば91-94マイルのツーシームを低めに集め、スライダー&チェンジアップも平均レベル。打者を圧倒する球威はないだけに細かいコマンドを磨いていきたい。
(A+)103G 382AB 19HR 38BB 139K .262/.342/.495/.837
◯パワー 内野守備 / △アプローチ
19年ドラフト4巡目。ユーティリティー候補で、パンチ力ある打撃と内野全ポジションをこなせる守備力を併せ持つ。21年は荒いアプローチながらも19本塁打・28二塁打とパンチ力を発揮。22年はプロスペクトの山場となる2Aにチャレンジ。
アレクサンダー・スアレス(OF)/Alexander Suarez:20歳
(R)55G 193AB 6HR 10BB 72K .311/.379/.503/.881
◯コンタクト スピード / △素材型 アプローチ
5ツール候補。コンパクトなスイングで鋭いライナーを量産し、21年はRでリーグトップの60安打をマーク。上位レベルに対応するためにもフリースインガーなアプローチを磨いていきたい。守備は全試合CFでプレーも8失策&守備率.896と要改善。
ジミー・グロウェンキー(2B/SS)/Jimmy Glowenke:23歳
(A)97G 360AB 13HR 49BB 100K .256/.367/.444/.812
〇打撃 / △スピード 肩
20年ドラフト2巡目。打撃能力が高く、上手くハマればジェド・ジョーコ(元STL他)のような攻撃型ユーティリティーに育つ可能性がある。一方でツール面が平凡なため、大学ではSSもプロでは2Bメインに転向している。